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「自然の叡智」をテーマにした、21世紀にふさわしい国際博覧会「愛・地球博」。会場内にはさまざまなパビリオンがあり、連日多くの人が足を運んでいます。愛・地球博のメインテーマとも言える「人と環境とのかかわり」を伝えているのが、海上の森に隣接する瀬戸会場にある「瀬戸愛知県館」です。この瀬戸愛知県館のシアター「森の劇場」をPower Mac G5が支えています。

「海上の森」の自然を映像と音響で再現

愛知県の名古屋東部丘陵を舞台とする愛・地球博。メインとなる長久手会場からモリゾーゴンドラに揺られた自然豊かな「海上(かいしょ)の森」に程近い場所にあるのが「瀬戸会場」です。瀬戸会場は市民パビリオンや瀬戸日本館、そして今回ご紹介する瀬戸愛知県館がある愛・地球博のすべてのスタート地点です。


この瀬戸愛知県館には、海上の森の自然を映像と音響で体験できるシアター「森の劇場」が設置されています。ノンフィクション作家の山根一眞さんがプロデュースしたもので、15分の映像体験を通じて海上の森の自然について、そしてその自然と愛・地球博との「かかわりかた」を伝えています。

7.2ch+12chの臨場感あるサウンドをMacで制作

コンテンツでは、「森のおじさん」を案内役に、海上の森に住む虫たちや森の四季の風景を巡る旅がシアター内一杯に広がります。メインスクリーンに加えて両壁面に投影される映像は、実際に海上の森で撮影されたもの。虫たちのクローズアップや、木々のざわめきを収録した映像や静止画などが、さまざまな形で映し出されます。

そしてそれをサポートするのが、壁面にある7つのスピーカと2つのウーファー、さらに座席の下に設置された150個ものスピーカから構成された音響設備です。座席の下に設置されたスピーカは12のブロックに分割され、音響効果を高めています。これら映像と音声の組み合わせによって、森の劇場ではまさに自分が森の中にいるかのような臨場感のある体験を実現しているのです。

愛・地球博開幕の2年も前から音響を担当した井出さんたちは海上の森に通い、森の音を収集し続けていました。そこでは立体音響収録システムによって海上の森の空間そのものを収録し、シアター内に海上の森の空間を再現する事を可能にしました。空間を収録する際には、多チャンネル収録による膨大な空間情報を処理する必要があります。またトラック間の同期精度がサンプルレベルである必要がある為、これらの処理にはPower Mac G5が最も適しています。コンテンツ内で流れる合唱団の録音は、大規模なレコーディングスタジオで21本のマイクを使用した新方式の立体録音です。ここでもPower Mac G5によってスタジオクオリティの音質が得られました。


4,400回を超えるコンテンツ上映を支えるPower Mac G5のパワー

このコンテンツの上映には、映像と音声をそれぞれ制御するためにPower Mac G5が使われています。この他、照明のコントロールを行う機器などが用意されており、各機器はタイムコードで同期が取られ、映像、音声、照明の制御までを自動化しています。これらのPower Mac G5は取材時までの会期中、1日に27回(9月からは1日に24回)4,400回を超える上映の中、定期的にマシンを入れ替えながら、まったく機器のトラブルなく動作しているのです。

上映ではPower Mac G5を使ったのは、膨大な音声データを格納できるハードディスクを本体内に搭載できるという理由もありますが、実際の上映にこそPower Mac G5の強力なパワーが重要だったといいます。コンテンツのメインとなる映像は固定のハイビジョンプロジェクタで投影しますが、この他に壁面に投影するための移動可能な2台のプロジェクタが用意されており、その映像はPower Mac G5で常に制御されています。壁面にそのまま投影すると生じてしまう映像に歪みをPower Mac G5でリアルタイムに補正することで見た目に正しい映像を表示しているのです。このリアルタイムな映像補正を実現しているのが、Power Mac G5のプロセッサパワーとムービングプロジェクタ「カタリスト」です。映像補正は実際にシアターが建設され、機器の設置が終了した後で行われました。設計時と設置時のわずかな違いなどを補正によって吸収しています。

会期直前まで編集が行われたコンテンツ

映像や音声の中には、実際に海上の森で収録されたものがふんだんに詰まっています。完成したコンテンツを見ているだけでは気づきにくいことですが、四季を通じた営みの中で、ある映像や音が収録できるチャンスはほんの一瞬であったり、長くてもわずか数日なのです。このため、会場が出来上がり、上映の準備が整っても会期直前まで、新たな映像や音声が続々と追加されていきました。その編集作業は会場内の上映室で行われたといいます。単に作られた映像を流すだけではなく、上映室が編集室となってギリギリまでの調整と編集が行われたそうです。実際、会期前の内覧会で上映されたコンテンツと会期が始まってからのものでは内容が若干異なっているそうです。これも編集から再生まですべてをこなせるPower Mac G5のパワーがあってこそだといいます。



海上の森は、野生動物保護を巡り万博開催そのものが紛糾した場所でした。それだけに瀬戸愛知県館では、この森が直面した課題を正面から取り上げ、自然の本当の意味、人とのかかわりあいを問いかける出展にすると決めました。そのため劇場内には徹底してリアルに森の営みを再現することを目指しました。Power Mac G5が送り出す壮絶なサウンドに重ねて、盛かおるさんらライブでの歌声との調和も美しい調和をもたらしています。館内には伐採予定だったコナラの木を移植してありますが、ここに野生のムササビが棲みつくなど、私たちの思いに野生生物が応えてくれたのは大きな喜びです。

愛知県館総合プロデューサー
山根一眞


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