アーティスト、カメラマン、デザイナーと多彩な顔を持ち、プロスノーボーダーとしても活躍中の高田昭義さん。スケートボードとUKスタイルをこよなく愛し、アメリカ、イギリス、日本と世界中を飛び回る高田さんに、自身のライフスタイルとiPodについて語っていただきました。
人との出会い・セッションが楽しい
─高田さんの活動は非常に多岐にわたっています。具体的に名乗るとすれば肩書きはどのようなものになるのでしょうか?
…いきなり難しい質問ですね(笑)。
─まず、アーティストとしての顔があります。
写真については、カメラマンとして名前を一切伏せて活動しています。雑誌で使われている写真も、クレジットは『UN-KNOWN』(意:正体不明)ただ、ちょっとこだわりがあって、UN-KNOWNの文字のUNを金赤にしてるんですよ。カメラクレジットに色を入れるっていうのはありえないんだけど。カラーで使ってもらえる写真を残してるつもりなので、自分へのプレッシャーも含め。UN-KNOWN=高田っていうのは、業界でも知らない人、多いと思いますよ。
─そしてデザイナーとしての活動。
『UG.』ってブランドのデザイナーをしてるんですけど、これはデザインという世界で生きていくための1つの顔ですね。それとはまた別に、MADBUNNYというグラフィックアーティストとして動いています。アーティスト活動をしているときはUG.を背負ってないから、高田昭義個人として自由にアートを追求しようと思っています。
─アーティストとしてはロンドンを活動の拠点の1つにされています。
行ったり来たりで結局、年に2、3ヶ月は向こうにいる事になりますね。去年と今年、2回ショーをやったんですけど、その中で、僕とアーティストとして交流してくれるファンが増えたのはとても嬉しい事です。
─イングランド…UKというスタイルが合っているということですか?
そうですね。ただ、UKだから好きなわけじゃなく、子供の頃から聞いていた音楽とか好きなファッションがたまたまUKライク、UK的なものだっただけ。その頃はUKとか、ガキだから当然わからないから。大人になってはじめて自覚して、自分は多分それなんだなって。
─アーティストとしても当然大きな影響を受けているわけですね。
昔から、なんだろう、『生と死』って言うと重いけど、両極端を描くのが好きなんですよ。ヨーロッパ、特にUKだとそういう傾向が強いので、影響を受けているといえばそうですね。まぁ、僕は明るい方向で発信してるつもりですけど。
─高田さんが創作したキャラクターである『マッドバニー』はまさにそうですね。見た目は明るいキャラなんですけど、目の中にドクロがある。
なんか可愛らしいんだけど、毒があるみたいな。可愛らしさに隠れているダークなイメージというか、そういうのを表現していきたいというのはあります。それは確かにUK文化から影響を受けた部分かもしれないですね。
─作品は、海外ではどのように受け入れられているのでしょうか?
去年は、ショーのタイトルが『スーパーバイオレンス』。『スーパーバイオレンス』ってあっちではありえないタイトルなんですけど。日本だと『超暴力』。日本人って“超”ってよく使うじゃないですか。そうやって茶化したタイトルにしたんですけど、あっちの若いヤツらの中には『ありえね〜。けど面白ぇ!』って言ってくれる人が多くて。そうこうしてるうちに、今年は10作品出展示して1ヶ月で完売。文化的にもアートに対しても日常的に溢れてて、見る目もあるし、レベルが高いから、正直こんなに受け入れられるとは思わなかったですよ。ちょっと驚いています。
─アートに対する反応は日本と違いますか?
それは明確に違う。街の中に自然にアートが溶け込んでいるというか。皆、足を止めてくれますから。だから僕は日本じゃなくてあっちでショーを開いています。それに、日本だとどうしてもUG.のディレクターであり、プロスノーボーダーとしての顔があるから、作品やアーティストに対してピュアな反応が得られないし。あっちだと、ただの通りすがり。無名のあんちゃんだから(笑)それでどこまでいけるかなって。ゼロからの挑戦を楽しんでます。
─『高田昭義』の次のステージがどこにあるのか気になります。
どこなのかなぁ。いいのか悪いのか、僕のメインの仕事って、ロンドンでショーをやって絵を売ったりすることじゃないから。だから、『次はあそこのレベルまで行かなきゃ』とか『アレをやらなければ』っていうイメージが僕の中にない。そもそもステップアップって考えが自分の中にないんですよ。好きだから追求してるだけ。上手く描けなければ表現出来ないなから、描く事を勉強する。スケートもスノーも上手く乗れないと気持ち良くないから練習する。・・・その繰り返し。ま、ロンドンから帰ってきても、すぐにプロとしてアメリカにスノーボードの撮影トリップに行くから、そういうことを考えている時間もないんですけどね(笑)。
─本当に流れに身を任せるって感じですね。
例えば、今年、世界的な雑誌に取り上げられてたり、ロンドンで作品が完売したりすると。その流れの中で見えて来る進方向やその次へ進む為のレベルがある。でもそれが最後の目標というわけじゃないので日々努力。ゴールはないんですよ。でもその繰り返しを高めようとしていると、連鎖反応というか、一つのアクションをキッカケに、色んな所から声が掛けてもらえる。そして繋がる。
─自分が自分のやりたいことをやって繋がっていくことを楽しむ。
そう。そうやって産まれた人との出会いというかセッションが楽しい。
ボードは一生続けていく
─もう1つの顔として、プロスノーボーダーがある。
『UG.』の中のプロスノーボーダーとして自分も存在しています。だからUG.を僕がやってるっていうのも、あえて公表はしていません。だから知らない人から見たらUG.っていうブランドからサポートされているただのスノーボーダーの一人というわけ。ここでいう『プロ』は、アスリートとしてのプロじゃなくて、メディア活動が中心になるパフォーマーとしてのプロ。自分でデザインしたスノーボードのプロモデルを出したり、12月になるとアメリカのユタ州やワイオミ州に行ってそのパフォーマンスを撮影したり・・・。
─スケートボードの世界にも深く関わっています。
そっちはプロじゃないんですけどね。かれこれ20年以上やってますね(笑)




