高校3年生で98年の長野五輪に出場。甘いマスクと日本人離れしたドラマチックな演技で一躍人気者となり、現役時代は二度の全日本チャンピオンに輝いた田村岳斗さん。競技引退後もプロスケーターとして、また国際レベルの選手たちを教えるコーチとして、忙しい毎日を送っています。どのスポーツよりも音楽と密接に関わるフィギュアスケート。スケーターたちは、音楽にどんなこだわりを持っているのでしょうか。
氷上でもポケットにiPod
─今iPodで聞いている曲は?
ちょうどこれから始まるアイスショー、プリンスアイスワールドの8月公演から、プログラムの音楽を変えたんです。その曲、サントラ盤の「宇宙戦艦ヤマト」ですね。
─「ヤマト」といえば、田村さんが現役最後の年に滑られた印象深い曲。それに今もう一度チャレンジするということは。
プロスケーターとしても、もう3年目。ここ数年披露してきた派手でにぎやかなプログラムとはちょっと違うものを見せたくて…。いい曲はないかといろいろ探しているうちに、結局原点に帰ってきた感じです。
─気合を入れて取り組むプログラム、「ヤマト」。曲はかなり聞き込まれたんですか?
僕は選手の頃から、自分の滑る曲は何度も繰り返し聞くタイプだったんです。毎日毎日、家でも一曲をずっとリピートして、そのまま寝ちゃうこともありました(笑)。特にプログラムを作る前や作ったばかりのころは、とことん聞きこみますね。それが以前はMDやカセットテープだったわけですが、今はiPodがあるから、遠征などの移動中でも陸上トレーニング中でも、いつでも聞けるんですよ。特に今回の「ヤマト」は、自分で新たに振り付けもしたので。
─振り付けのためには、やはり曲の細かいところまで聞き込む必要がありそうですね。
そうなんです。だから、練習時間以外も、仕事に出かける車中から夜寝る前まで、時間さえあればどこでも聞けるiPod、すごく気に入っています。
─今日は氷上で滑りながらも、聞いていたようですが。
今は日本のリンク事情があまり良くないので、選手でさえなかなか貸しきりの練習時間が取れないんです。僕たちプロスケーターとなるとなおさら…。貸しきりならばスピーカーの大きな音で自分の曲がかけられるんですが、そうもいかない時はiPodで「ヤマト」を聞きながら、プログラムを通して練習しています。
─滑る時、iPodが邪魔になったりしませんか?
つけたまま、ダブルジャンプ(2回転)くらいなら跳べますよ!トリプル(3回転)を跳んでも本体は大丈夫そうだけれど、イヤホンが遠心力で振られちゃうかな。
─スピンやスケーティングも凄いスピードですが、そんな時iPodは?
大丈夫。だから氷の上でも、いつでもジャージのポケットに入ってます。音楽を聴きながら振り付けを考える、そんなときにもiPodはちょうどいいですね。ラジカセ時代は、こうはいかなかった!
音楽へのこだわりはスケーターそれぞれ
─フィギュアスケートといえばスポーツの中でも、最も音楽との関係が深い競技、といえますね。
そうですね。僕も20年以上フィギュアスケートに関わっているので、音楽を聴くといつも、「この曲だったらこんな動きかな」「あのスケーターにこんな音楽はどうだろう」「自分もこの曲で滑ってみたいなあ」なんて思っちゃうんです。
─でも音楽なら何でもスケートに、というわけにはいかないのでは?
いえ、けっこうふとしたところで耳にするBGMでも、この曲だったらこんなプログラムができるかな、って考えちゃいます。今は日本の選手たちも試合だけでなくエキシビションに出演する機会が多いですし、ショーナンバーならボーカル入りの曲も使える。どんな音楽でも、滑ろうと思えばできちゃうものですよ!
Profile
- Name
- 田村岳斗(タムラ ヤマト)
- Birthday
- 1979/5/28
- Blood type
- A型
- Speciality
- スポーツ観戦
Gallery
プリンスアイスワールド東京公演直前の練習風景。
iPodで「ヤマト」を聞きながらプログラムの通し練習。
リンクサイドでウォームアップ。アームバンドで腕に固定することも。
生徒たちのプログラム音楽を語るとき、コーチの表情に。





