Special Interview 小山薫堂/水野学

11月10日、Apple Store, Ginzaのシアタールームにて東京スマートドライバーのイベント『第1回スマドラアカデミー』が開催されました。東京スマートドライバーとは、首都高の事故を減らすプロジェクトのこと。その発起人である放送作家の小山薫堂氏が、この日のイベントの司会を務めました。

“交通事故削減のイベント”と聞くと非常に堅苦しいものを想像しがちですが、ポップで楽しげなピンクのチェッカーフラッグのロゴを見てもわかるとおり、誰もがリラックスして楽しめるイベントとなりました。
「なぜ事故は起こるのか?」といった基本的な知識から、イベントのテーマである“デザイン”について、東京スマートドライバーのアートディレクションを担当している水野学氏、首都高の走行空間の改善に取り組む韓亜由美氏によるトーク、イベントのラストには東京スマートドライバーの公認アーティスト、栗コーダーカルテットによるシークレットライブも行われ、会場は今回のイベントにふさわしいゆるやかな盛り上がりをみせました。

そこで今回は、東京スマートドライバーの発起人である小山薫堂氏と、アートディレクターの水野学氏に東京スマートドライバーの取り組み、そしてドライブには欠かすことのできない音楽を演出するiPodについてお話をお伺いしました。

Macとスマドラには、ぬくもりや暖かみという共通点があるんです。

─本日のイベント『第1回スマドラアカデミー』はいかがでしたか?

小山薫堂氏(以下、小山) この東京スマートドライバーのキャンペーンって、アップルユーザにすごく受けそうな気がしたんですよ。地球環境への 優しさや、ライフスタイルに対する優しさみたいな部分が 一致していると思うんです。 Macはコンピュータなんだけど人格があるというか、ぬくもりや暖かみがある。この東京スマートドライバー(以下、スマドラ)も 交通事故削減キャンペーンなんだけど、 ぬくもりや暖かみがあるんです。 Apple Store, Ginzaのシアタールームも、大きさやシートの感じも、 自分の思いを 伝えるには最高の環境だと思いましたね。

─『第1回スマドラアカデミー』のテーマを“デザイン”にした理由をお聞かせください。

小山 アップルユーザにはデザインという部分が一番興味を惹くんじゃないかという部分と、今回のイベントにはデザイナーの水野さんも参加していただけるというので、彼のファンが多く集まるんじゃないかな、というしたたかな理由ですね(笑)。

水野学氏(以下、水野) アップルのユーザってデザイナーの方も多いですもんね。そういう意味で、今回のイベントに多少貢献出来たならいいんですけど。

─スマートに運転する為には、やはり音楽もすごく重要な要素だと思いますが、その際選ぶ音楽のポイントなどがあれば教えてください。

小山 一つは風景に馴染むこと。風景を楽しみながら走れるということはスピードが遅いということですから。“シーン・メイク・ミュージック”じゃないですけど、風景のBGMになりそうな音楽をたくさん選び、さらに首都高から見える風景に似合う曲を選ぶということですね。

水野 僕はスマドラのキャンペーンに参画してからは、やっぱりゆとりをもって走ろうという気持ちになりましたね。それまでちょっと早めの曲を聴いていましたけど、少しゆっくりめの曲を聴くようになったかもしれないですね。

─東京スマートドライバーのロゴマークもとても素敵です。ホームページでメンバーになると、ステッカーをもらえるんですよね。

水野 ハデにマス広告を打つ展開ではなく、みんなが気に入ってくれて、口コミでどんどん盛り上がっていくような展開を作りたかったんです。

小山 こういったグッズを見たときに、格好いいものであれば、持ちたいという心が芽生えるでしょうし、自分も参加したいなって思うものを作りたいと思ったんです。きっかけは「格好良い」でいいと思うんですよ。こちらからああしろ、こうしろというのではなく、自らキャンペーンの趣旨に気づいてもらうことが一番重要だと思うんですよね。

iPod touchは今までのiPodの中でも抜群に良いですね。

─小山さんと水野さんは、iPodをお使いになっていますか?

小山 iPodは家に何台あるかわからないですね。オフィスのロゴを入れたものをスタッフに配ったりもしましたし。iPod touchは今までのiPodの中でも抜群に良いですね。あと、走るときはiPod shuffle、ちょっと街を歩くときはiPod nano、飛行機ではiPod touchが良いなって思うと、やっぱり一台では足りないですね。

─小山さんはiPod touchに写真や映像を入れて、プレゼンテーションでお使いになるとお聞きしましたが。

小山 今はそういう使い方もしています。昨日までニューヨークに行っていたんですけど、「いま、こういうのをやっているんだ」と、何度iPod touchを見せたことか。サイズ的にも全く問題ないですよね。

水野 僕はまだiPod touchは持っていないので、今日買って帰ります(笑)。でも本当にこれでプレゼンとかできちゃいますよね。アップルは本当に尊敬するメーカーの一つなんですけど、ものすごくユーザのことを考えていますよね。デザインが良いものは割と誰でも作れるんです。でもそれを使うことによってもたらされる幸福感とか、そういうところまで考えられているんですよね。操作感も面白いし、ただ面白いだけじゃなくて、機能としてもちゃんとしているし。

─デザインをするときに、Macが発想のヒントになったりすることもありますか?

水野 例えば画家のジャクソン・ポロックの“ドロッピング”という偶然性を狙った手法があるんですけど、Macでもマウスでヒュッと置いてみたりすることがあって、それがすごく良い位置だったりするんですよね。Macって道具というより相棒に近いので、それをうまく使ってあげることがすごく重要なことだと思います。

─では、iPod touchを東京スマートドライバーのプロジェクトで活用するとしたら、どんなことを思いつきますか?

小山 アイコンの中のひとつに、スマドラのピンクのチェッカーフラッグがあったらいいと思いません?アイコンを押すと、首都高の渋滞情報がわかったりするといいですね。

水野 コミュニケーションツールとして使えるといいですね。現在、ウインカーでコミュニケーションを取ることを提案しているんですけど、ウインカーコミュニケーションがすぐにわかるようなマニュアルが見れたりとか、たとえばこういった対談の風景や首都高デザイン会議の模様をYouTubeで見れると面白いと思います。

─今後の東京スマートドライバーの取り組みについてお聞かせ下さい。

小山 首都高では、実はクリスマス頃から年末にかけて事故が増える時期らしいので、年 末年始に向けて削減キャンペーンを強化していこうと思っています。面白い広告を出したり、BS局の開局特番に合わせて、首都高のトンネルの中から中継をやったり。紅白の中島みゆきの中継以上の、すごい感じの絵になると思いますよ(笑)。

─最後に、東京スマートドライバーに興味をお持ちになった方にメッセージをお願いいたします。

小山 是非一度スマドラのホームページを見に来てください。そして、とりあえず会員になってください。会員になったら色々な特典がありますので。

水野 今後はメディアを使った大々的なキャンペーンも行っていくと思いますので、「いまさら?」って言われないよう、今会員になっておいてください。ホワイトバンドやcrocsなどで遅れをとった人は是非(笑)。

─ありがとうございました。

(2007.11.10 Apple Store, Ginzaにて)


放送作家・小山薫堂さんとアートディレクター・水野学さんによるデザインと交通事故削減についてのトーク。


『東京スマートドライバー計画』発起人の小山薫堂さん。
 


交通事故の現状などについて、首都高速道路株式会社
池田博久さんから説明がありました。


アーバンスケープ・アーキテクトの韓亜由美さんは
『未来の首都高の道をデザインする』というテーマで
お話しされました。


シークレットライブは栗コーダーカルテット
(3人バージョン)の心温まる演奏。
 


座りきれないほどの大勢のお客様が来場されました。
 


イベント終了後、iPod touchを手にインビューに
お答えいただきました。

Information

TOKYO SMART DRIVER

東京を愛し、ドライブを愛する放送作家・小山薫堂は、首都高速道路株式会社と、メディアからの情報発信、クリエイターとのコラボレーションなど、コミュニケーションの力で事故を減らす運動、『東京スマートドライバー計画』を始めました。

他人を思いやるやさしい運転で、スマートドライバーへ。現在メンバー募集中です!東京のドライブをもっと楽しみませんか?

TOKYO SMART DRIVER公式サイト

Profile

小山薫堂(放送作家)

ORANGE AND PARTNERS代表取締役/N35代表
1964年熊本生まれ。日大芸術学部在学中『11PM』で放送作家デビュー。個性的なテレビ番組を数多く企画し、2003年には『トリセツ』で国際エミー賞を受賞。現在、『世界遺産』『トシガイ』などを手掛ける一方、自らラジオパーソナリティも務める。雑誌での連載や空間プロデュースの分野でも活躍中。著書に『考えないヒント』など。

オレンジ・アンド・パートナーズ



水野学(アートディレクター)

1972 年東京生まれ。茅ヶ崎育ち。1996年多摩美術大学美術学部デザイン学科卒業。1999年、good design company設立。主な仕事にNTTドコモ『iD』『DCMX』、森美術館『芝浦アイランド』、『ラーメンズ』、『travelSmap』、『KIRIN903』ほか。ブランドづくりの根本から関わり、企業提案・トータルディレクションを手掛けることが多い。著書に『SCHOOL OF DESIGN』。

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