
|
ファッションとカルチャーの中心地・表参道に、新しいスペースが出現しました。同潤会青山アパートの跡地に現れた「表参道ヒルズ」のコンセプトは、新たな出会いや喜びが生まれる「新しい街」。ファッションビルの枠を超え、情報発信の拠点として表参道ヒルズが発展していく上で、PodcastingとiPodにも大きな役割が期待されています。その展望について、表参道ヒルズ開発に携わる森ビル株式会社 社長室 広報部 部長の礒井純充さんと、音楽を担当した藤原ヒロシさんにお話を伺いました。
表参道ヒルズが目指す「新しい街」 2006年2月11日(土・祝)、同潤会青山アパートの跡地にオープンした表参道ヒルズ。世界的に活躍する建築家・安藤忠雄の設計した大型複合施設として、また人気有名ブランドがひしめく新しいファッションモールとして、オープン前から注目が集まっています。なだらかなけやき並木のスロープに寄り添うように建つ姿は、斬新でありながらどこかほっとする雰囲気をたたえています。表参道ヒルズが目指すのは、訪れた人たちがそれぞれに自分なりに楽しみ方を見つけられる「大人の街」。街が発展していく上で欠かせないのが、人と人とのコミュニケーションや情報の共有などのアクティビティです。そこで、街の躍動感や雰囲気を伝え、表参道の魅力を世界に発信するツールとして用いられているのがPodcasting。場所や時間の制約をうけない新たな情報伝達手段として、PodcastingとiPodが新しい街づくりにどう活かされているのでしょうか。 街の空気を伝えるPodcasting 「表参道ヒルズのコンセプトは『メディアシップ』。単なる商業施設ではなく、表参道ヒルズ自体がアートの空間であり、媒体であり、文化の発信拠点として機能するようにしたいと考えています」と語るのは、森ビル株式会社の礒井純充さん。表参道ヒルズが目指す「街」とは、コミュニケーションが新しくモノを生み出す舞台装置のようなもの。そのコンセプトを実現するために取り上げられたのがPodcastingでした。「街では、いろんなことが次々に起こっている。それを伝えるのは、印刷物などの既存のメディアでは難しい。リアルタイムに伝えていくには、Podcastingのような常に最新の情報を発信できるメディアが向いていると思うんです。その情報によって人が集まり、さらに街の面白さが増え、新しいカルチャーが生まれる。その循環を加速させる可能性が、Podcastingの仕組みにはあると思います」(礒井さん)。 礒井さんが考えているのは、街の発展そのものに、Podcastingを組み込むということ。 「その場所にいなくても、街の音を聴いたとたんにその空気を感じられる経験は、誰でも持っていると思います。そこに、何かおもしろい情報を挿入することで、おもしろい空間が構成できるかもしれない。単にイベント情報を発信するのではなく、街そのものの楽しさを伝えることができるのではないかと考えています。どこにいても、ヘッドフォンで音を聴くだけで、その街にトリップできるような、そんな実験をPodcastingを使ってやってみたいんですね」(礒井さん)。 「表参道ヒルズ発」のアートやファッション、ミュージック、フードがPodcastingによって街の音や空気とともに届けられ、それが街の活性化につながる。既存のメディアにない魅力がPodcastingにはあります。 「音が入ると風景が違って見える」 藤原ヒロシさんは、表参道ヒルズの「LANDSONG for OMOTESANDO HILLS」をプロデュースしています。都市空間と密接な関係にある「音」をデザインする試みは、六本木ヒルズから導入されたもの。映画のように、音と景色を結びつけてひとつのイメージを形成するため、街のテーマ曲として「LANDSONG for OMOTESANDO HILLS」は作られました。「表参道ヒルズは、なだらかな階層でできています。場所によっていろいろな表情がある作りになっているんですが、そのどこであっても違和感なく流せる曲を、というオファーでした」(藤原ヒロシさん)。 表参道ヒルズの音響設備は、マルチチャンネルで構成されています。これは、音やフレーズをスピーカーごとに割り振ることで、場所によって聞ける音やフレーズが変わってくるという仕組みです。 「この仕組みを利用して、1曲の中にさまざまな表情を持つ曲を作ろうと思いました。1階ではビートが強調された曲調に、そして建物内の坂道を上っていくにつれて、ピアノやストリングスを押し出したゆったりとした曲調に自然に変化していく。聞く場所によって、違うアレンジで流れるような曲を目指して作りました」(藤原さん)。 LANDSONGは、表参道ヒルズがPodcastingを導入するきっかけにもなりました。多くの人に「表参道ヒルズの空気」を届けるための方法を模索し、たどり着いたのがPodcasting。今までの手法にとらわれることなく、表参道ヒルズが発信するあらゆる情報をより多くの人に対して簡単かつスピーディーに伝えることができると考えたそう。 表参道ヒルズのLANDSONGは現在、こちらのページでダウンロードして聴くことができます。そのサウンドは、表参道ヒルズのイメージを形成するひとつの要素として街に溶け込んでいます。 「自分で撮った映像に音楽を入れてみるとよく分かるんですが、音楽があると映像は全く違って見える。今ならiLife '06のアプリケーションを使って、誰でも簡単に映像を編集して音楽を入れられるし、発信までできる。一度やってみる価値はあると思いますよ」(藤原さん)。 「たくさんの人が街に愛着を持てば、自然と街は発展するんです」(礒井さん) 表参道ヒルズを多くの人にいっそうの愛着を持ってもらうため、そして遠く離れた場所に住んでいる人にもその魅力を伝えるためのツールとして、Podcastingは大きな役割を果たしているようです。 (2006年2月) |
|