|

|
グループウェアを医療関係者のコミュニケーションツールとして運用 吉原先生は病院のコミュニケーションシステムとして、FirstClassというサーバソフトウェアを導入しています。所属する大学の異動に伴って、宮崎医科大学、熊本大学、そして昨年赴任した京都大学でもFirstClassを導入し、グループウェアとして情報交換や情報共有を実現してきました。「FirstClassを利用する最大の理由は、モバイルユースにおける利便性ですね」と吉原先生。グループウェアとして、メール(メッセージ)、掲示板(会議室)、スケジュール(カレンダー)、ファイル共有などの機能を備えており、サーバサイドにデータを持たせ、クライアントマシンにデータを持ち込まないことを基本に運用します。サーバごとにアカウントを発行し個人の作業領域を構築すれば、メールデータはもとより、データファイルもFinderからドラッグ&ドロップでサーバにストレージとして活用することができます。
「自分自身、医局のデスク用の17インチPowerBook G4とモバイル用の12インチPowerBook G4を使い分けているので、それぞれのマシンでPOPメールを直接ダウンロードして読んでいたのでは、まともにメールを管理することはまず不可能です。一旦、FirstClassのサーバにメールを取り込むことで、外出や出張時などでも、いつどのマシンでもほぼ同一の環境でメールやスケジュールを管理することができています。POP3メールを容易にインポートできることもメールを統合して使う上で有効です」と話します。メーラーの機能をサーバサイドで管理しているので、例えば大学で書きかけのメールを途中で終わらせ、続きを外出先の異なるコンピュータで始めることができて、大変便利だとのことです。FirstClassはMac、Windowsのマルチプラットホームに対応したクライアントソフトからサーバにアクセスし、専用のデスクトップで操作を行いますが、コンピュータにクライアントソフトがインストールされていない場合でもWebインターフェイスが用意されていて、ほとんどの機能はブラウザからも利用できます。 会議室コミュニケーションで医療情報の交換に大きな成果 「コミュニケーションツールとして、情報の共有にも大いに役立っています」と吉原先生は語ります。各大学のシステムは、導入期間が経過するにつれて活用の幅が広がっているようです。3つの大学でもっとも使用期間の長い宮崎医科大学では、医師だけでなく看護師などコメディカルのスタッフにも活発に利用されていて、会議室を通して頻繁にスタッフ間の情報交換が行われています。「メーリングリストと違って、能動的にアクセスできることがユーザに評価されています」と吉原先生。自分が必要とする情報に直接アクセスできるので、個人的なコミュニケーション方法である電子メールと差別化でき、グループとしての情報交換にきわめて有効だそうです。また、メールでプッシュしなくても会議室への参加は会議室登録ユーザの90%にも上るということで、密度の高い情報交換がセキュアな環境で実現しています。
この会議室機能は異なるサーバ間で共有することも可能で、現在九州の5施設と京都の計6施設間で、特定の会議室を共同運用しています。例えば京都大学のユーザが会議へのメッセージを書き込むと、それを受け取った京都大学のサーバが九州の1台のサーバにリレーし、さらに次の施設のサーバへと連動して運用されます。「特別な技術がなくても必要に応じて即座に会議室を立ち上げることができ、幅広いスタッフが参加できるということはわれわれにとってとても有効なことです」と吉原先生。インシデントレポートについての情報の共有も、熊本大学ではFirstClassによって2000年から稼働を始め、年を追うごとにきめ細かな運用成果をあげてきています。各報告をリスクマネージャが目を通し、重要な情報を厳選した上で共有情報として公開しているそうです。このレポートはWebサーバ機能を使って、ブラウザからもアクセスできるようにしています。 来客の多い吉原先生にとって手放せないもう1つの機能がカレンダーです。スケジュール機能は、個人のカレンダーとグループのカレンダーを連動させることができます。個人カレンダーのアイテムを医療情報部のカレンダーに公開することで、特定の管理者を置かないでもスケジュールを共同運用することが可能です。「従来、医局の秘書が一手にスケジュール管理を引き受けていたのですが、秘書が休みの日などは大変で。もっともこれだけの人数が全部スケジュールを上げられたら細かくなりすぎるので、今は私と秘書で交通整理をしていますが」。共有のカレンダーはかなりのボリュームの予定が書き込まれていましたが、月・週・日と細かく表示方法を変えられるため、大変見やすいものでした。 学生の講義にもグループウェアを活用 「私の講義ではFirstClassのサーバにレポートを上げないと出席にならないんですよ」と吉原先生。医療情報学の授業では、まずFirstClassの利用法から説明を始めていますとのお話でした。学生は学内からであれば、個人のパソコンでも大学のパソコンでもFirstClassにレポートを送ることを許可しているそうですが、出席に関わるとのことで比較的短時間に送ってきているとのことです。演習として講義中一斉にアクセスしましたが、130人同時ログインでも全く問題はなかったとのことです。現在京都大学でFirstClassはインターネットに接続され、Windows版サーバで運用だそうですが(クライアントはMacとWindows)、外部からのアタックを考慮し、UNIXベースのシステムとしてMacOS XまたはLinux(未発売)版での運用を検討中とのお話でした。 次ページ:3. モバイルライフを実現する条件 |
|
|
||||||||||||||||||||
| ホーム > Medical > モバイル環境でいつでも情報空間にいることができる条件 |