2007年4月24日(火)から5月6日(日)にかけて、東京都井の頭自然文化園で開催される「Being いきてること展」。園内のオリジナル音声ガイドや子供向けのワークショップなどが楽しめる「参加型展覧会」です。このプロジェクトは、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の大学院生2名、そして明治学院大学国際学部の学部生5名がコアメンバーとなり、学生主体で進められています。これからの動物園のあり方を考え、新しい楽しみ方や利用方法を提案するこのプロジェクトで、Mac & iPodが活躍しています。
「Being いきてること展」とは?
「Being いきてること展」は、これからの動物園のあり方を考えるデザインリサーチプロジェクトです。このプロジェクトの前身は、2006年夏に同園にて行われた飼育体験教室。小中学生向けに開催されたこのワークショップで、職員の皆さんに聞いた知識や情報、そして子供たち自身の観察・体験による「気付き」が詰まったオリジナルの音声ガイド、「いのかしらサウンドマップ」が完成しました。そこから音声をPodcastingするアイディアなどが生まれ、現プロジェクトがスタートしたのです。
「動物園を選んだのは、人々が集まるコミュニティという『社会的な役割』、子供たちの体験教育の場としての『教育的な役割』、そしてIT技術を導入していくことでの『発展の可能性』を模索していきたいと考えたからです」。プロジェクトのコンセプトを説明してくれたのは慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の大橋さん。大学院の博士課程に在籍し、教育に関する研究に取り組んでいます。プロジェクトのテーマは「見えない情報をかたちにすること」、そしてその情報を全国に発信していくこと。その制作ツールと公開方法として、Mac & iPodが活用されています。
「iPodを持って、動物園に行こう!」
プロジェクトメンバーの中で、動物園の現状の課題として挙げられたのが「動物園に遊びに行った時、動物はそこにいて当たり前の『絵』のように感じてしまう」ということ。「私たち人間と同じ瞬間に生きているものとしての『動物』を感じてもらえるようなしかけを制作しようと考えました」と解説してくれたのは、明治学院大学国際学部の中村さん。そこで提案されたのが「HeartBeat」や「AnimalEye」といったPodcastコンテンツです。
これらのコンテンツには、「見えないもの、見えにくいものを可視化することで、来園者と動物との距離を近づけたい」という思いが込められています。
例えば「HeartBeat」は、動物の心音に合わせて作られた1分程度の短い「サウンド」。それぞれの動物の鼓動に合わせて音を並べ、その上にその動物をイメージした効果音を入れたもの。聴いていると、その動物の「生きているスピード」を感じることができます。「動物は、心拍数がそれぞれに異なります。象のように大きい動物はゆっくり、モルモットみたいに小さい動物だと速くなるんです。言葉で説明するだけでなく、実際に音で聴くことで、よりダイレクトに感じることができます」と、このサウンド制作を担当した明治学院大学国際学部の米川さんは語ります。
「HeartBeat」のサウンドは、すべてGarageBandで制作されています。それぞれの心音を表現する音やサウンドエフェクトも、もともとGarageBandに用意されている音源のみで構成できたとのこと。「動物のキャラクターに合わせて音や効果音を選んでいくだけで簡単に作れるので、あとは組み合わせを考えて、よりクオリティを高めていくという作業に専念できます。GarageBandの音源は音色もすごく良いし、選んでいて楽しかったですね」。
コンテンツ制作の現場でMacが活躍
明治学院大学国際学部の土井さんが制作を担当した「AnimalEye」は、「動物を眺める人間の視点」を離れ、動物の視界を体験するためのビデオPodcast。動物の視線の高さや視界の広さを想定して撮影、iMovieで映像の編集作業を行っています。
Gallery
子供たちが作った「ゾウのはな子」を動かして、クレイアニメを制作するワークショップも開催。
動物の心音をモチーフにしたサウンドスケープ「HeartBeat」は、GarageBandで制作しています。
「AnimalEye」は、動物の視界を再現するビデオPodcast。写真はモルモットの視界です。
RFIDを利用した「Animalizer」。ゾウのフィギュアを台に置くと、ゾウの視界が大画面に広がります。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科のキャンパスは無線LANが整備されているため、天気の良い日は外でのミーティングや作業も可能です。
Being いきてること展

