北海道深川市
行政が公立小中学校の情報教育を全面的にサポート
NetBootによるパソコン管理の一元化


深川市立一已中学校のパソコン教室で授業を受ける生徒たち。

「ITヘルプデスク」が教員を技術的にサポート

新たなシステムの導入によって、中学校の情報教育にはどのような変化があったのでしょうか。「iMacが入って半年経ちますが、『先生、パソコンが動きません』と生徒に言われることがなくなりました。生徒が勝手に設定を変えてしまったり、アプリケーションをインストールしてしまうといったこともありません。パソコン環境がいつも同じなので、授業の内容に集中できるようになりました」と語るのは、深川市立一已(いちやん)中学校で技術を担当する宿村豊先生です。

深川市立一已中学校 宿村豊先生。教員用のパソコンからは、iSightを利用したビデオチャットで、ITヘルプデスクの技術サポートを受けることができる。
中学生は、技術の授業で「パソコンと情報」について学びます。一已中学校では、技術を担当する教員がパソコン教室の管理担当者を兼ねていました。ところが新システムになってからは、パソコン教室は、市のマルチメディアセンターによる遠隔管理になることで、学校側でソフトウェアのバージョンアップやライセンス管理をする必要もなくなり、管理の負担は大幅に減りました。

それでも、宿村先生はMacの導入には戸惑いがあったと言います。一已中学校では、昨年までWindowsパソコンを使用していました。中学生の技術の教科書でも、フォルダの説明や、かな漢字変換の使い方など、すべてWindowsパソコンに合わせて説明されています。「いきなりiMacに変わってしまって、スムーズに授業ができるのだろうか」という不安は、深川市の全面的なサポートによって払拭されました。市の「ITヘルプデスク」が教科書の該当部分をiMac用に補完する新たな教材を作って各校に提供するとともに、iMacの使い方についての技術研修を行ったからです。

パソコン教室のiMacは、電源を入れると、教室内にあるPower Mac G5からLAN経由でBootイメージを読み込んで起動します。生徒が個人用に与えられたIDとパスワードを入力すると、どのマシンを使っていても、自分専用のデスクトップが表示されます。アプリケーションもLAN経由で起動され、ローカルのハードディスクは基本的に使用しません。Windowsパソコンの時とはかなり異なった環境ではありますが、生徒たちはそれをほとんど気にかけていない様子だと宿村先生は言います。「色々なゲーム機で遊んできた世代ですから、新しいパソコンなら、使い方が多少違うのは当たり前だと思っているようですね」(宿村先生)。

宿村先生は、前年までWindowsパソコンしか使ったことのなかった中学3年生に対して、iMovieを使った授業を行っています。「生徒たちはMacromedia Flashの動画をインターネットで見るのが好きなので、学校のCMを作る、という課題を出しました。いきなり動画は難しいので、まず4コマの静止画をつなげるところから始めましたが、画面のトランジションで様々な効果が使えるのが面白いのか、実に楽しそうに取り組んでいます」(宿村先生)。

深川市立一已中学校 横山貴光先生は、担当の理科の授業で使用する植物の写真や、校内行事の写真の管理などにiPhotoを活用しているという。
学校にiMacが導入されたことを大いに歓迎しているのは、技術の先生ばかりではありません。一已中学校の横山貴光先生は、中学1年生のクラスを担任しています。各学年に配備されている教師用のiBookを普通教室に持ち込み、授業に活用しています。「生徒たちは、インターネットで調べたいことがあれば、それを使って自由に調べることができます。中には、ちゃっかりと自分宛のWebメールを読んだりする者もいますが、他の生徒がパソコンを使っているのを見ること自体も勉強になりますから、使い方は制限していません。教室のiBookもNetBootで起動し、生徒が自分のIDでログインして使いますから、設定が変更されてしまう心配がないのがいいですね」(横山先生)。

校内行事の写真は、生徒の家族であれば一已中学校のWebサイトから閲覧できる。
また、横山先生は「生徒の家族とのコミュニケーションツール」としてのアップル製品の可能性にも期待しています。「先日、学校祭のときに、これまでに撮影した校内行事の写真をiMacを並べてスライドショーで表示させたのですが、生徒の家族の方々に大変好評でした。学校行事の写真やビデオの管理などにも、Macは大いに役立ちます。深川市のマルチメディアセンターには、QuickTimeのストリーミングサーバもありますから、いずれ公開授業などにも挑戦してみたいです」(横山先生)。

行政と学校とがそれぞれの役割を分担し、子供たちの情報教育を支援する深川方式が、中学校の情報教育をより充実したものに変えつつあることは、間違いなさそうです。

取材:2005年9月

Solutions/Education

行政が公立小中学校の情報教育を全面的にサポート
1. 教員の負担を削減し、パソコン教室の活用を促進
2. 「ITヘルプデスク」が教員を技術的にサポート



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