MacやiLifeを使いこなして
情報を発信できる人材を育成
北星学園大学短期大学部・生活創造学科
北海道札幌市にある北星学園大学短期大学部・生活創造学科は、家政科から発展した学科でありながら、先進的なマルチメディア教育を行っています。Mac専用のコンピュータ室を設けており、学生たちはそこでiLifeなどを使いながら、プレゼンテーションやマルチメディア作品の制作に取り組んでいます。
一般教養として情報を発信する力が必要
北星学園大学短期大学部・生活創造学科の武田亘明教授
北星学園大学短期大学部は、2002年に北星学園女子短期大学から名称を変更して新設された学部です。同学部の生活創造学科では、その前身となる生活教養学科時代を含む15年前からMacを使ったマルチメディア教育を行っています。同学科の武田亘明教授は、マルチメディア教育に取り組む理由について次のように話します。
「マルチメディアやネットワークの時代に求められる人材を育てる目的で始めたのですが、Macを導入した当時は情報を受信する側の教育が中心で、膨大な情報から必要なデータを取捨選択する能力が重要だと言われていました。しかし私たちは、受信することはもちろん、自ら情報を作り出し、発信していく能力こそが一般教養として必要なのではないかと考えていたのです」(武田氏)。
同学部は12の情報教室があり、生活創造学科のマルチメディア教育で使用されるMac教室には主にiMacが導入されています。学生たちが使用しているのは、アップルのデジタルライフアプリケーション「iLife」をはじめ、「Macromedia Flash」や「Microsoft Word for Mac」などです。これらのアプリケーションを活用し、個人をアピールするためのドキュメント作りや、ビジネスアイデアについてのプレゼンテーション、そして学生たちが企画段階から立ち上げるマルチメディア作品の制作などを行っています。
iLifeなら学生のイメージをすぐカタチにできる
北星学園大学短期大学部・生活創造学科講師の小賀聡氏
生活創造学科の1年生がどのようにMacを活用しているのか、同学科の講師である小賀聡先生に伺いました。「まずはじめにデジタルカメラで写真を撮影します。その写真をiPhotoに取り込んでアルバムを作り、BGMを付けて簡単なムービー作品に仕上げます。その後は静止画の加工やFlashを使ったアニメーションなどを学び、さらにGarageBandで音作りも行うんです。学生たちは1年の後期でここまで覚えます」(小賀氏)。
iMacがずらりと並んだMac教室では、すべてのiMacにMIDIキーボードが接続されていました。小賀氏は「マルチメディア作品を作っていると、どうしても『音』は後回しにされがちですが、表現する上ではとても重要なもの」と語ります。元々が女子短大ということもあって、ピアノを習った経験のある学生も多い生活創造学科では、GarageBandの活用も本格的。単純にサウンドループを並べるだけではなく、MIDIキーボードで音源を制御したり、演奏のレコーディングも行われているのです。
教室にあるiMacにはMIDIキーボードが接続されており、学生たちはGarageBandでの音楽制作に活用しています。
同学科の学生たちは、iPhotoやGarageBandはもちろん、iLifeのすべてのアプリケーションをしっかりと活かしています。以前はFlashを使ったアニメーション制作どまりだったのが、iMovieやiDVDのおかげで動画制作からDVDビデオのオーサリングまでもが可能になりました。「Final Cut Expressも用意しているのですが、学生たちにとっては簡単にカタチにできるiMovieのほうが人気のようです」と武田氏は言います。
iLifeは思ったことがすぐにできる。短期大学という短い期間において、カリキュラムの本題にいきなり入れることは重要です。
北星学園大学短期大学部・生活創造学科 武田亘明教授
このようにiLifeは、同学科の学生たちがマルチメディア作品を制作する上で大きな役割を占めています。武田氏は「iLifeのメリットは、思ったことがすぐにできるということ。短期大学という短い期間においては、カリキュラムの本題にいきなり入れるというのは重要なことです」と、マルチメディア教育にiLifeを活用することのメリットを教えてくれました。iLifeを使ったカリキュラムは学生たちにも好評で、多くの学生が「コンピュータがこんなに簡単だなんて知らなかった」「とっつきやすくて楽しい」といった感想を語っています。
質の高い卒業制作、全国の企業に人材も提供
iMovieで編集したショートムービーやFlashを駆使したアニメーション作品など、卒業制作にもMacが活躍しています。
生活創造学科のマルチメディア教育でクライマックスとなるのが、学生たちの手による卒業制作です。マルチメディアを専攻した学生の卒業制作は個人だけではなく、複数の学生が協力し合いながらひとつの作品を作り上げていきます。ある学生はキャンパス内で音楽と映像を融合させたダンスムービーを作り、ある学生は自ら作詞作曲した歌に合わせて映像作品をプロデュースします。iLifeとFlashを活用して、子ども向けのアニメーションに取り組む学生もいます。いずれの作品もクリエイティブ系専門学校生の作品などと比べて遜色ないクオリティとメッセージ性を含んでおり、それらが家政科から発展した学科の卒業制作というのは驚きです。
北星学園大学短期大学部の生活創造学科では、iLifeを中心にした作品の制作のみならず、北星女子短期大学時代からのQuickTimeを利用したストリーミングムービーの配信、1996年と早期から始まったWeb制作など、さまざまなマルチメディア教育に取り組んでいます。実践的かつ個性的なカリキュラムを通じて力を付けた学生たちは、卒業後は道内をはじめ、全国のさまざなな企業で活躍しています。「情報を発信してコミュニケーションできる。そして行動できる人材の育成を目指します」(武田氏)という同学部のマルチメディア教育は、確実な成果を得ているのです。

