ICC

iPod touchで体験する映像と身体の不思議な関係

アニメーション・ワークショップ「指で見る 目で触る」


東京・初台にあるNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で開催されているICCキッズ・プログラム。今年は東京藝術大学の協力により「君の身体を変換してみよ」展が開催されています。そこでは、iPod touchを使った楽しい試みが行われていました。

ICCキッズ・プログラム2008 「君の身体を変換してみよ」展とは

2年前より夏休みの時期になると開催されるICCキッズ・プログラム。今回は2008年7月12日から佐藤雅彦研究室+桐山孝司研究室 東京藝術大学大学院 映像研究科の協力によって、「君の身体を変換してみよ」展と題したわたしたち人間の身体感覚を刺激するさまざまな展示が行われています。
たとえば、ノートや電卓を使わず身体を使って計算をする「計算の庭」や、穴に腕を入れると映像の中の自分の腕がどんどんと伸び、普通であれば届かない距離にある牛乳パックに手が届く「伸びる腕」など。これらの展示を体験すると、普段の感覚とのズレが生じて、思わず「あれっ」と感じてしまうような不思議な体験をすることができます。

映像を操る感覚を味わうことができる iFlipBook

「君の身体を変換してみよ」展の関連イベントとして、7月19日、20日の2日間、アニメ―ション・ワークショップ「指で見る 目で触る」が開催されました。 7歳から13歳までの小中学生が参加して行われたワークショップでは、子どもたちがデジカメで撮ったコマ撮り写真を指で操作可能なインタラクティブなアニメーションに編集し、iPod touchで操作する試みが行われていました。
東京藝術大学の齋藤達也氏が制作したソフトウェア、iFlipBook Editorで、子どもでも簡単にコマ撮り写真をアニメーションに作成できます。iFlipBook Editorでは映像の時間軸を特定の指の動きによって設定できます。

たとえば、iPod touchのマルチタッチディスプレイを指で右にスライドさせると再生ができ、左にスライドさせると逆再生をさせることができます。ほかにも指を上下させる、円を描く、押しっぱなしにするなど8種類のアクションが用意されており、それらを組み合わせることも可能です。そして完成したムービーをiFlipBookで再生し、実際に指で動かしてみると、iPod touch上に映し出されたオブジェクトをまるで自分が操作しているような不思議な感覚が得られます。子どもたちは、自分たちが作ったアニメーションを指で操作し、驚きの声をあげていました。
今回参加した14名の子どもたちは“回るもの”、“何か出てくるもの”、この二つのテーマをもとに、自分がアニメ―ションさせたいアイテムを持ち寄ってきていました。ミニカー、人形、ボールなどのおもちゃから、ポラロイドカメラ、歯磨きチューブ、方位磁石のようなものをコマ撮り撮影し、iFlipBook Editorで読み込み、インタラクションを設定してiPod touchへ。
歯磨きチューブが映った画面を押し続けると、チューブから歯磨き粉が出てくるといったものや、指を上下させるとポラロイドカメラからかわいらしいイラストが出てくるものなど、子どもたちの自由な発想によって多くの作品が生まれました。

子どもたちのテクノロジーを吸収する能力の高さ

「今回は小中学生の参加者に合わせ、1日目にアニメ―ションの原理を説明して、用意した素材でアニメーション作成を体験してもらい、2日目は、個人が持ち寄った素材とアイディアでアニメーションを制作し、最後にみんなで鑑賞会を行いました。 普段は見るだけの映像を、触って動かす場合は、どのような表現がふさわしいのか。 iPod touchを使って体験すればその楽しさはわかるのですが、それだけではなくどのような仕組みでアニメーションが成り立っているのかも子どもたちに考えてもらいたかったんです」と、今回のワークショップを担当したICCの伊村靖子氏。多くの子どもたちは今回のワークショップでコマ撮りを初めて体験しましたが、すんなりと自分が見たい、触りたいアニメーションを形にしていたのがとても印象的でした。また、iPod touchを触るのも今回が初めてという子どもたちがほとんどだったにも関わらず、ワークショップの2日目には自由に使いこなしていたことにも驚かされました。

テクノロジーを駆使した作品が数多く展示されているICCには、週末になると多くの子どもたちが訪れるそうです。普段から最新ゲーム機などを使いこなす子どもたちですから、こうした最先端のツールに興味を持ち、簡単に使いこなしてしまうのは当然のことなのかもしれません。