芝浦工業大学柏高等学校

学びを誘発するモバイルツール、iPod touch

芝浦工業大学柏高等学校


iPod touchと従来のメディアの違い

芝浦工業大学柏高等学校の校長である菅沢茂氏は、今回導入したiPod touchと従来のメディアとの違いをこう語ります。
「以前在籍していた大学で、入学前授業として授業の風景をDVDにして新入生に配ったことがあったのですが、大きなコストが掛かったにも関わらず結局ほとんど利用されなかったということがありました。また、DVDメディアだと学生によって視聴環境の差が出てきます。しかしiPod touchのようなものに映像を取り込むことができれば、どこででも手軽に見ることができるわけですよね。iPod touchは非常にハンディでもあり携帯電話との共通性もありますから、今の子供たちのニーズに合っているツールなのではないでしょうか」(芝浦工業大学柏高等学校 校長 菅沢茂氏)

“iPod touchは非常にハンディで、携帯電話との共通性もある。今の子供たちのニーズに合っているツール”

—芝浦工業大学柏高等学校
校長 菅沢茂氏

1ヶ月ほど前からiPod touchを使い始めたという芝浦工業大学柏高等学校の生徒さんたち。iPod touchの感想を伺うと「タッチで操作でき直感的に使えるのが良い」、「必要なボタンしか出てこないから便利」、「携帯より画面が大きく見やすい」と画面の大きさやインターフェースに関して非常に満足しているようでした。

また映像を見ながら実験を行うという奥田先生の授業に関しては「百聞は一見にしかずじゃないけど、映像が見られるのでわかりやすくて良い」、「紙や言葉だけの説明だけでは分からない操作もあるので、映像を見ながら実験できるのは良い」と非常に好評のようです。
複雑な行程が多くなりがちな実験において、映像の力は大きく、普段からテレビ番組やYouTubeなどの映像コンテンツに慣れ親しんでいる生徒さんにとってはなおさらかもしれません。

iPod touchやPodcastで広がる授業の可能性

奥田先生の授業の映像はWebサイト上にアップされており、誰でも自由にストリーミング映像を視聴したり、Podcastで映像をダウンロードできるようになっています。このようにオープンなスタイルを取っているのは「こうしたコンテンツは世界中で共有するべき」という奥田先生のポリシーがあるからです。

「実験に使用したキットは、バイオ・ラッド ラボラトリーズ社による汎用性の高い遺伝子組換えのキットをフォーマットにしています。私が目指しているのはこうした授業のコンテンツをフリーで提供し、みんなで共有できるようになることです。様々な国の先生が行っている実験がどこにいても見られ、興味のある先生や生徒がその映像を見てすぐに実験が始められる。いずれはそういうサイクルができないかと思っています」(奥田氏)

奥田先生が今回の取り組みについてアメリカで発表をされたとき、一番興味を示したのは、これから理科教育に力を入れていこうとしているインドやトルコといったアジアの国々の教育関係者だったといいます。今後は英語解説も追加して、世界中の教育関係者と情報を共有していきたいと奥田先生は語ります。

「共通の実験を他の国でやった場合、生徒や先生の反応はどうなのか。例えば遺伝子組換えに関しても日本と他の国とでは、認識が違います。今回の実験に対してどのような意識の違いがあるのか。そういった意識の違いについても意見交換をしていければと思っています。また時差の少ない国同士であればMacBookのiSightとiChatを使って同時に実験や意見交換ができればいいですね」(奥田氏)

奥田先生は今回の実験映像の他にも、MacBookのiSightを利用して出張先から授業を行い、その映像をPodcastで配信するという遠隔授業を行ったこともありました。こうしたインターネットやiPod touchのようなモバイルツールを駆使した奥田先生の授業スタイルは、芝浦工業大学柏高等学校の他の教科にも波及していきそうだと、菅沢校長も期待を寄せています。

「今回の取り組みを今後どうやって他の教科に応用していくかは課題ですね。たとえば今まではパソコンでやっていた授業をiPod touchのようなモバイルの方向にシフトするという可能性も考えられます。ぜひ奥田先生をきっかけにして今回のような取り組みが今後も広がっていければいいですね」(菅沢氏)