Macで豊かな表現能力を身に付ける、
プロセス重視のコンピュータ教育
学校法人カネディアン・アカデミィ
「学校での情報教育」と聞くと、専用の教室にPCがズラリと並び、そこで生徒がコンピュータやインターネットの使い方を学んでいるイメージが思い浮かびます。しかし、神戸にある学校法人カネディアン・アカデミィでは、プラットフォームとして校内全体にわたってMacを導入。読書感想文や音楽、映像作品、卒業アルバムの制作など、普段の授業や学校生活の中で生徒たちが自由に活用できる場を提供しています。
テクノロジーではなく、情報収集や発表のプロセスを学ぶ

学校法人カネディアン・アカデミィのテクノロジー・ディレクター、ロンダ・キャリアー氏。
学校法人カネディアン・アカデミィは、3歳児から高校生まで、約40カ国・750人の生徒が学ぶインターナショナルスクールです。同校では伝統的にMacが導入されており、日々の学習に積極的に活用しています。テクノロジーディレクターを務めるロンダ・キャリアー氏は、「大切なのはテクノロジーそのものではなく、各科目で役に立つ情報を生徒自身がいかに手に入れるかです」と話します。
校内をのぞいてみると、小学校3年生のクラスがコンピュータ教室で読書感想文を作っていました。読書感想文と言っても、紙と鉛筆で作るのではありません。生徒たちはMacに向かい、「eZediaQTI」というアプリケーションで読書感想文のプレゼンテーションを「オーサリング」しているのです。マウスを手にした生徒が、ドキュメント上に画像データを貼り込み、テキストを配置するスペースを決め、キーボードで感想文を入力します。最終的にはWebサイトを作成して発表し合うとのことですが、小学校3年生の段階で、すでに学習の「ツール」としてMacを使いこなしているのです。
小学校低学年のクラスでもMacを使った授業が行われています。
別の教室では、高校生のクラスがMacを使って勉強に必要な情報をリサーチしていました。Webサイトから検索エンジンを使って調べものをするのはもちろんのこと、同校が学術用に契約しているデータベースサービスにインターネット経由でアクセスして、さまざまな事柄について情報を検索し、レポートを作成、プレゼンテーションに至るまでMacで実現しています。
生徒たちは与えられた課題に対して、Macを使ってWebやデータベースから情報を集め、レポートをまとめ、発表します。
学校法人カネディアン・アカデミィ テクノロジーディレクター、
ロンダ・キャリアー氏
芸術の授業やコミュニケーションにもMacが活躍

校内の各所に設置されたカートには、生徒が自由に持ち出せるiBookが格納されています。
カネディアン・アカデミィでは、芸術に関する授業も盛んに行われています。ある教室には、生徒たちの顔を使ったコラージュ写真が壁一面に貼られていましたが、それはMacで画像処理を勉強した成果でした。卒業アルバムも生徒がMacで作成しており、生徒たちがオーサリングしたDVDビデオが付属するそうです。同校には本格的なシアター施設もありますが、ここでも生徒が舞台用の音楽や映像作品をMacで制作するなど、楽しみながら学び、なおかつ同時にコンピュータを活用した表現方法を習得しているのです。
最近ではPodcastingにも積極的に取り組んでいます。「毎年、韓国やフィリピンなど、他国にあるインターナショナルスクールの生徒をカネディアン・アカデミィに招待し、バスケットボール大会を開催しています。その試合の模様やインタビューをPodcastingで公開しているのです」と説明してくれたのは、同校の学園長であるフレデリック F. ウェッソン氏。
学校生活のさまざまなシーンで生徒がMacを活用できるのは、学校側による環境作りがあるからこそです。コンピュータ教室は3つですが、図書館や校内には生徒が自由に持ち出せるiBookを格納したカートが常備されており、好きな場所でMacを使うことができます。また、校内全体にわたってAirMacによるワイヤレスネットワークも完備。まさに「モバイル・コンピュータ教室」を実現しているのです。
Macを導入する上でPCとの違いは壁ではない
カネディアン・アカデミィは早くからアップル製品の使いやすさに注目し、教育の中でMacを活用してきました。「家庭ではPCを使っている生徒も多いですが、Macとのファイルのやり取りはコツを覚えれば問題ありません。導入するソフトも、できる限りPCと互換性のあるものを選定しています」(キャリアー氏)。同校では生徒だけでなく、先生方が使用するコンピュータもすべてMacです。FileMakerで作成した各種申請用の書類をXserve上で動作させるなど、事務作業もMacで効率的に行われています。ハードウェアのサポートを担当するテクノロジー・スペシャリストの芦森綱昭氏は「校内のコンピュータをMacで統一しているので、サポートチームも少人数で済みます」と管理面でのメリットを述べています。
テクノロジーについて学ぶのではなく、「学習に役立つ情報をいかに集め、発表するか。そのツールとしてのテクノロジー」に主眼を置くカネディアン・アカデミィ。同校の学習内容のガイドラインは、インターネットで外部にも公開されています。また、今後はPodcastingやストリーミング配信による遠隔授業も構想するなど、同校の取り組みは特色ある情報教育を目指す全国の学校や教育者たちにとって大いに参考になるでしょう。

