Appleと教育

京都産業大学

“Mac OS Xには、オープンソースのフリーウェアや各種のプログラミング言語が標準で実装されていて、コストパフォーマンスに優れた選択だと思います。”

京都産業大学コンピュータ理工学部 大本教授

京都産業大学: 学生のITリテラシーを向上させる新しい教育スタイル。

授業運営と運用管理にもたらされたメリット

MacはUNIXベースの環境を使用できることから、「UNIXを前提としていたこれまでの授業のやり方を維持できて、教材を全面的に作り直さなくてすんだ」点が大きなメリットだといいます。

さらに、大本教授はこう続けます。「Mac OS Xには、オープンソースのフリーウェアや各種のプログラミング言語が標準で実装されていて、そのまま活用できます。集合教育には、商用のアプリケーションをできるだけ避けて、EmacsやNeoOfficeなどのフリーウェアで、かつ1年生でも簡単にインストールできるものを使用したいと考えていますが、Macでは簡単にその教育環境が整うので、コストパフォーマンスに優れた選択だと思います」

また、運用や管理面でも大きなメリットを見出せるといいます。現在、管理には特別なIT技術者はおかず、大本教授自ら1人でこのネットワークシステムを管理しています。「200台規模のシンクライアント環境を私1人で管理している状態ですが、たとえトラブルが起きたとしても障害の切り分けが楽なので手間や時間がかかりません。また、クライアントに関して言えば、コンピュータを少し知っている人ならトラブルシューティングは簡単にできるので、ほかの先生たちでも対処できる点がいいですね。」(大本教授)

授業と自宅で得たスキルが相互作用でさらに向上

コンピュータ理工学部が取り組んだこの新しい試みは、授業を受ける学生にもいい影響を与えているようです。コンピュータリテラシー教育に長く携わってきた大本教授によると、学生のコンピュータスキルが予想以上に速く伸びていると感じるそうです。学生は難しい操作や環境構築をしなくても、授業と自宅で同じ環境が提供されシームレスに使用することができます。その結果、プライベートでの使用頻度も増し、授業と自宅で得たスキルが相互作用で効果的に発揮されているといいます。

実際に自分のMacBookで授業を受けている2年生の妹尾さんに、お話を伺いました。「家で宿題をするときに授業と同じ環境でできるので、すごく便利です。プライベートでは、MacBookでインターネットをやったり、iTunesで音楽を聴いたりしています。気に入っているのはMacに搭載されているExposéです。ウィンドウをたくさん開いていても操作が楽なのでよく使います。あと、必要なときはBootCampを使ってすぐにWindowsに切り替えられるのがいいですね」

MacBookを使い始めて2ヶ月ほどの1年生 明石さんはこんな感想を話してくれました。「Macを使うのは初めてだったんですが、デザインがかわいいし、アプリケーションをすぐ起動できたり、直感的に操作できたりするので使いやすいです。もっと使い慣れて、GarageBandで音楽も作ってみたいです」

今後の進化に向けた課題

2008年にスタートにしたこの新しい取り組みは、予想外の問題が発生することもなく順調に軌道に乗りました。今後は、卒業研究に向けてこのシステムをどう活用していくかが課題になるといいます。

「卒業研究になると各先生の研究テーマによって、必要な環境がかなり変わってくるので、このシステムをどうやって適応させていくのかが今後の課題ですね。研究に必要なOSや商用アプリケーションを学校側で外付けハードディスクに用意して、そのディスクを学生に貸し出す方法も検討しています。また、物理や数学で使うようなソフトウェアもすでに実装されているので、ほかの理系の学部にもこのシステムを展開できる可能性が高いと考えています」(大本教授)