Appleと教育

九州大学

“Windowsだけでなく、MacやUNIXも使える環境にしてあげたかった。Macだったら1台で何でもできるから文句なしですね”

九州大学 副CIO
情報統括本部 副本部長
情報基盤研究開発センター 副センター長
大学院芸術工学研究院 教授 藤村直美

九州大学: Macだから実現できた3つのOS環境での教育。

九州の国立大学でも一世紀にもわたる長い歴史と多くの学部を持つことで知られる福岡県の九州大学は、2009年にそれまで教育端末として導入されていたWindowsパソコンの切り替えとしてiMac712台を導入しました。その後もiMacを追加導入し、10月現在で984台、さらに2010年3月には132台を導入する予定で、国内教育機関で有数のMac導入校となっています。新キャンパスである伊都に2005年度には工学部が、2009年年度には全学教育が移転し、この新しい環境で整えられた教育設備の重要な一角をMacが担っています。九州大学の教育現場において、Macが選択されたのは、コストやセキュリティの面で優れていたこと、そして教育端末としてWindowsだけでなくMac OS XやUNIXの知識も教育できる点が評価されたからでした。

Macなら3つのOS環境を1台で実現できる

九州大学では、教室や図書館などに1,000台近いiMacが導入されています。学生は自分のアカウントでどのiMacにでも自由にログインすることができ、学内イントラネットにあるサービスを利用したり、図書館情報を検索したり、教育端末としてさまざまな授業で活用しています。「すべてのMacには、VMware Fusion上にWindows Vistaがインストールされており、学生は必要に応じてMacとWindowsを使い分けることが可能です。さらにMac OS Xのもう一つの姿であるUNIX(FreeBSD)としても使う事ができるので、たとえば工学部のようにUNIXの知識を教育したい場面でも、わざわざUNIXサーバを用意することなくMacで授業を行うことができます。Macが採用された背景には、このように複数のOSが1つのコンピュータ上で共存、活用できる面が大きな理由になったと、導入過程に携わった情報統括本部副本部長の藤村直美教授は言います。

「WindowsだったらWindowsしか動かせないですよね。世の中Windowsが多いけれど、大学は専門学校とは違ってWindowsの使い方の訓練をするところではないんですよ。Windowsだけでなく、MacやUNIXも使える環境にしてあげたかったんです。Macだったら1台で何でもできるから文句なしですね」(藤村教授)

九州大学では、Mac上の仮想環境でWindowsを起動できるVMware Fusionを採用しており、Windows Vistaが利用できるようになっています。仮想環境を採用することで、以前よりもWindowsを扱いやすくなった面があると言います。

その1つがセキュリティです。Windowsを常時起動しているわけではないので、ウィルスに感染する機会は最小限に抑えられます。また、たとえ何らかのウィルスに感染したとしても、再起動時には元のイメージに復元されて起動するので、被害は自動的に修復され、対処に労力がかかりません。Windows Updateなども、Updateを適用したイメージファイルを配布すれば済むので、管理コストも抑えられます。

また使い勝手の面から言っても、Windowsが起動したままの状態でイメージ化しているため、通常のWindowsよりも早い時間で起動します。Microsoft Officeなど必要なソフトは一通りインストールされているので、大抵の作業は通常のWindowsと変わりなく行えるようになっています。このように、これまでWindowsを使ってきたユーザーも端末を活用できるような構成を採用しています。

Macを選ぶことで実現されたコスト削減

今回、九州大学が教育端末の一部を切り替えるに当たって、もっとも重要だったのが、なるべく多くの台数を新しいマシンに置き換えることでした。実際、九州大学には導入から4年以上たった古いマシンが数多くあったそうです。これらを置換するには、コストの削減が重要課題でした。

確かにパソコン1台として見るなら、MacよりもWindowsマシンの方が安い価格のモデルがそろっていると、情報基盤研究開発センターの井上仁氏は言います。しかし、九州大学ではマイクロソフトとのキャンパスアグリメーントを締結しており、追加の経費負担なしにMac上でWindows OSとMicrosoft Officeを導入できることから、コストメリットがあると考えました。またランニングコストも、不具合の出たマシンを復元するコストを考えると、Macのほうが安くなるのではと考えたそうです。

運用・維持・管理の費用までを考慮し、1台あたりの単価を下げてなるべく多くの台数を導入する、という目標にはMacのほうが適しているというのが、井上氏と藤村教授の共通した結論でした。実際、ほとんどのマシンを最新のiMacに置き換えることができ、目標を達成することができました。