日常的に英語に触れるツールとして、
英語教育の現場にiPodを導入する
京都市立紫野高等学校
京都市立紫野高等学校では、今年4月に入学した英文科の新入生を対象にiPodを活用した英語授業を開始しています。京都府の高校の中でも最先端の英語教育を実践する紫野高校が、iPodを英語教育の現場でどのように活用しているのでしょうか。紫野高校企画広報部主任、英語科教諭の皆川春雄氏にお話をお伺いしました。
今年度よりスタートしたiPodを使用した英語教育
京都市立紫野高等学校は学生個人の意志を尊重する自由な校風が特長の高校です。英語教育には古くから力を入れており、2006年の英検取得状況は、全校生徒1000名のうち準2級以上の生徒が419名、準1級の生徒は4人と、英語に関して非常に高い能力もつ生徒が多いことも特長の一つ。
「当校は平成15年度から17年度にかけ文部科学省が指定するSELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)の対象校として指定された実績があり、特に英語指導と国際理解教育は指導の柱です。特にⅢ類英文系については学生の英語能力は当校に入学した段階で英検準2級以上のレベルで、2年生の段階で全員が2級を取得するという目標を掲げています。また、在学中の海外留学にも積極的に進めています。その英語教育を発展的に展開する流れの中で、新しい取り組みとして今年から始めたのが、iPodを使った英語教育です」
と語るのは紫野高校企画広報部主任であり英語科教諭、皆川春雄氏。英文系一年生のカリキュラムでは外国人教員による週1回の対面インタビューといった実践的な英語指導に加え、PCを使用して、ディクテーション、シャドウイング、速読などを行い、個人のレベルに合わせた学習が出来るよう配慮されています。さらに生徒たちの学習の進捗状況は、校内のネットワークサーバによってすべて把握できるようになっています。 「実際にこれだけでも相当な学習量だと思いますが、さらに学生たちには授業だけではなく、家や通学でも日常的に英語に触れてもらう機会がないかと考え、iPodを採用しました」 そして今年4月に入学した英文系の生徒たちから、iPodを使用した英語教育をスタートしました。英文系一年生の生徒約80名全員がiPodを所有し、授業で使用しています。
生徒たちが日常的に使用する教科書と連動したオリジナル教材
皆川氏がiPodを英語教材に採用しようと思ったきっかけは、LET(外国語教育メディア学会)にて、iPodを英語教材として取り入れた大学の研究発表を聴講したことです。そこから教科書を製作する出版社にコンタクトを取り著作権関係をクリアにし、iPod用の英語教材を製作しました。約1年間の準備期間を経て、今年4月からの英語授業での採用にこぎつけました。 「生徒にはiPodを購入してもらう訳ですから、いかに授業で使えるものにするかと考えました。そうなると生徒たちが日常的に使う教材はやっぱり教科書なんですよね。教科書と連動させないと日常的に使用する教材にはなりえない。そこで教科書に付属しているCDのリスニング教材をiPodに入れることを考えました。とはいえ、そのままiPodに教材を入れると著作権の問題が絡んでくる。そこで教科書の出版社に協力を仰いで、著作権関係をクリアにして教材を作成しました」

昭和27年(1952年)に普通科単独の高等学校として創設。平成元年(1989年)には他校に先駆けて前期・後期の二期制を採用し、平成5年(1993年)には第Ⅲ類に英文系を設置し、現在に至る。