京都市立紫野高等学校

日常的に英語に触れるツールとして、
英語教育の現場にiPodを導入する

京都市立紫野高等学校


“iPodなら英語教材をいつでも手軽に聞ける。通学時間を有効に使わせるという意味でも、iPodは役に立っていると思います。”

—紫野高校企画広報部主任/英語科教諭
皆川春雄氏

出版社との協力で製作されたiPod用のオリジナル教材

特筆すべき点は出版社から提供された音声データと文字データを利用して、iPod用の教材製作をすべて学校内で行っていることです。iPod用教材の製作期間はおよそ2ヶ月。リスニング用の音声をスピード変換でき(可変速データ)、一つの音声データに複数の静止画が表示できるオーディオブックを採用し、英語教材としての利便性が追求された教材となっています。

「iPodの画面に表示される文字情報は、出版社から事前にいただいた文字データをPowerPointで編集しJPEGで出力します。そして書き出されたJPEGをチャプター毎のアートワークとして組み込みます」 こうしてiPod用に製作された教材は「再生スピードが変えられるのがいい」「教科書を開かなくても勉強できる」「通学時に使っている」と学生たちにも好評の様子。特に「CDを出し入れしなくてもいい」という生徒の声には、皆川氏も指導者の立場として同様の意見を持っていたようです。

「生徒たちはCDを渡して聴いてきなさいといっても聴いてこない。教科書を開いてCDを聴くのは場所を選ぶし、煩わしいのでしょう。ただiPodならいつでも手軽に聴けるじゃないですか。紫野高校には京都全域から生徒がやってきます。中には1時間かけて通学をする生徒もいるので、その通学時間を有効に使わせるという意味でもiPodは役に立っていると思います」

iPodで必然的に聴くような授業の仕組み作り

教育の現場にiPodを導入するにあたり、懸念されるのは生徒たちにiPodを教育用のツールとして活用してもらえるかどうか。そして不特定多数の人間が出入りする教室内で、どのような管理体制を整えるのかという問題がありますが、その答えも紫野高校の中にありました。 「紫野高校ではiPodを自由に使ってよいと言っています。音楽も入れてよいと。 iPodを英語教材として生徒に使ってもらうためには、学校側がそのような仕組みを作らないといけない。現在英文系のクラスは週に7時間英語の授業があり、iPodと連動した授業は1時間ありますが、その授業は事前にiPodで聴いたことを前提に授業をしますので、しっかり聴いて学習しておかないと授業にならないんです。だからみんな授業がはじまる前まで必死になって聴いていますよ。管理に関しては個人に肌身離さず持つようにと指導していますが、体育の授業や全校集会の時はiPodを担任が預かり、iPodがまとめて収まる大きなケースに入れて保管しているので、今のところ運用上のトラブルは全くありません」

英語教育以外にも広がりをみせるiPodによる教育

現在紫野高校では、週に7時間あるうちの1時間、iPodと連動した英語授業を行っていますが、後期にはさらに2時間増え、週に3時間の授業でiPodを使用した授業を行っていきます。 「来年度からは英語だけではなく、ほかの教科でも使えるように積極的に考えています。たとえば理科の専門用語集や、アートワークに植物の写真を出し、その植物に関する質問を音声で聞き、その答えを書くようなものなど。また、こうした教材は教師が配るのではなく、学校のオンラインサイトで自由にダウンロードできるようにしたいと思っています」 紫野高校では英語教材製作のノウハウを活かし、来年度からは英語以外の教科でもiPodを利用する機会が増えていきそうです。