ICカードによるセキュリティ管理と
NetBootの合理的な運用を統合

お茶の水女子大学 総合情報処理センター

情報処理教室

情報処理教室には約50台のiMacが設置されているほか、プリペイドカードを導入したセキュアな印刷システムも用意。

創立130年の伝統と歴史を誇るお茶の水女子大学。少人数教育による個性の育成を基本に、情報処理教育では幅広い視野と深い洞察力、先端的な知性をはぐくみ、高度化する社会へ向けた人材育成にも注力しています。2006年からは教育用端末をiMacに刷新し、Macが中心のシステムでは国立大学で初となるFeliCaと連携したセキュアな環境を実現しました。

ICカードとNetBootを組み合わせたMac中心の認証システム


非接触型カードリーダーで学生証を読み込み、ユーザ認証

非接触型カードリーダーで学生証を読み込み、ユーザ認証を済ませるとiMacを利用できるようになります。学生証を持って退席すると画面がロックされます。

お茶の水女子大学の情報基盤の整備、運用を担う総合情報処理センターでは、学生への情報リテラシー教育の強化とシステム管理の合理化を図るべく、2006年3月より新たな教育用端末としてiMacを導入しました。3つの情報処理教室に合計140台のiMac、附属図書館端末スペースにも10台のiMacが設置されており、これらはすべてXserve G5によるNetBootシステムで稼働しています。

さらに同校のコンピュータ環境は、JR東日本のプリペイド式ICカード「Suica」や電子マネーの「Edy」をはじめ、入退室システムなどでも広く採用されている非接触型ICカード技術「FeliCa」(フェリカ)と連携。学生証や教職員証にはFeliCaが搭載されており、FeliCaを利用するMac OS Xのログイン認証サービスとNetBootを組み合わせた高度なセキュリティをMacの導入と同時に実現しているのです。

各教室のiMacには、認証サービス用のFeliCa対応カードリーダーが備え付けられています。学生はMacの利用時に学生証をカードリーダーに読み込ませてから、ログインパスワードを入力。正規の利用者であることが確認されると、NetBootサーバからシステムのイメージがマウントされるという仕組みです。

Macの利用も入退室の管理も1枚の学生証でOK

“高いセキュリティレベルと学生の利便性を両立させるなら、MacのNetBoot環境とFeliCaが最も有効でした。”

— 総合情報処理センター 浅本紀子センター長

浅本紀子氏

お茶の水女子大学総合情報処理センターのセンター長、浅本紀子氏。

セキュリティに対する同校の取り組みは古く、2002年にFeliCaを初めて採用し、2004年には学生証への組み込みを実現しました。そしてMacを導入した今年度から、FeliCaによるコンピュータのログイン認証とNetBootを組み合わせたシステムの稼働が開始したのです。総合情報処理センターの浅本紀子センター長は、「高いセキュリティレベルと学生の利便性を両立させるなら、MacのNetBoot環境とFeliCaが最も有効でした」と言います。

FeliCaを組み込んだ学生証はMac OS Xへのログイン時だけでなく、各教室の入退出システムでも共通して使えるようになっており、学生証を携帯しておけば、厳重なセキュリティシステムが稼働する学内で施設とMacを自由に利用することが可能です。

Macならではの楽しさ、可能性を積極的に教える


佐藤祐子氏

お茶の水女子大学 総合情報センター講師の佐藤祐子氏。

総合情報処理センターでは、17クラスからなる全学必修の情報処理教育を2005年からスタートしました。基本的な情報リテラシー教育を展開するこのカリキュラムは、現在、学生に対してMac OS Xの活用方法を積極的に紹介する場にもなっています。

「Macはデザインがいいだけではなく、さまざまな可能性がたくさんあります。DashboardやSpotlightといったMac OS Xの新しい機能も積極的に授業で取り上げ、学生たちにMacを楽しんで活用してもらえるよう工夫しています」と、MacとMac OS Xについて語るのは総合情報処理センター講師の佐藤祐子氏。

情報処理教室のiMacは授業やゼミ、専門的な講義はもちろん、授業のない時間には学生が自由に使えるようになっており、自習やレポート作成などにも幅広く利用されています。「Macは標準で開発環境が揃っていますよね。標準的なUNIXベースの開発ツールだけでなく、Xcodeによるグラフィカルで操作性のよい統合開発環境が利用できるので、プログラミング演習の授業でも活用していきたいと考えています」(佐藤氏)。

Spotlightで高度なデスクトップ検索を実行したり、Dashboardのウィジェットを使ってさまざまな情報を得るといった先進的な機能は、まさにMac OS Xならではでしょう。Macに標準で付属するiTunesやiPhoto、iMovie HDといったiLifeアプリケーションは学生のアイデアを活かすツールとしても最適。また、オフィス系アプリケーションはもちろん、UNIX環境を利用できる点も教育用端末としてMacを導入する大きなメリットとなっているようです。

事務系でもMacのNetBootでセキュアな端末を実現


お茶の水女子大学では、学内の基盤整備の一環として事務部門で使われている端末でもiMacが導入されました。これらは教育用のシステムとは別に、3台のXserve G5によるNetBootシステムで稼働しています。

「これまで事務部門では各部署が個々にWindowsマシンを導入しており、統一したルールがない状態で運用されていました。この状況を改善するため、端末側にデータを一切残さない『シン・クライアント方式』を採用し、運用管理の徹底と安全性の確保を目指すことになったのです。その結果、運用と予算の面で、教育用と同様のMacのNetBootシステムとFeliCa搭載の職員証によるセキュアな端末環境は、機密性が要求される事務部門でもきわめて有効と判断しました」(浅本氏)。

MacとNetBootシステムの導入によって、学内全体でのセキュリティレベルの向上と運用管理の一元化を達成し、アプリケーションのライセンス管理なども合理的に行えるようになりました。また、Windows固有のアプリケーションについては、ターミナルサーバを使ってiMacから利用できるようにしています。

Macと認証システムの発展型サービスも検討


今年度から導入したiMacをさらに活用すべく、総合情報処理センターではさまざまなアイデアが生まれ始めています。例えば、MacとiPodを使った語学学習をはじめ、内蔵iSightカメラとiChatを使ったユーザサポートシステムの構築などです。「このようなコンピュータを使ったコミュニケーションは、昔からMacが強い分野」と浅本氏は今後の展望とともに述べています。

また、FeliCa搭載の学生証についても、各種証明書の発行や附属図書館での書籍の貸し出しのようなユーザ情報の管理などにも使われており、さらには学生食堂での購買といった料金清算システムなど、学生のニーズに応じたユニークなサービスの構想が検討されています。Macを中心に構成するお茶の水女子大学の情報基盤は、今後も教育環境や学内の施設、サービスを充実させながら、その利便性をさらに高めていきます。

システム構成図

学内にある教育用/事務用のiMacを一元管理する、お茶の水女子大学のNetBootシステム。Xserve G5はNetBootサーバのほか、ファイルサーバ、バックアップサーバとして拠点ごとに稼働している。