オレンジグローブ小学校 オーストラリア

Podcastで実現するダイナミックな学習環境

オレンジグローブ小学校 オーストラリア


西オーストラリア州オレンジグローブ ― オレンジグローブ小学校は、生徒数わずか120名のこぢんまりとした学校です。パース郊外の緑豊かな丘のふもとにたたずむその姿は、典型的な小さな学校そのもの。でも、ポール・フラー先生が4年生と5年生を一緒に教える教室は活気にあふれています。生徒たちは、先生のMacBookiLifeソフトウェアが実現するまったく新しく学習ツール、Podcastの楽しさを発見しているのです。

学習意欲をわかせる

すべての教師に共通する最大の課題。それは、多くの生徒たちが退屈と感じている分野で学習意欲をわかせることです。たとえば、草の成長を観察するような課題は、興味をそそる学習テーマとはほど遠いでしょう。でも、フラー氏と生徒たちは、その延長線上にあるテーマにPodcastを使って取り組んでいます。

「理科の実験で、典型的なサンドイッチのお弁当に生えるカビの成長を、さまざまな方法で観察したのです」とフラー氏。「いろんなサンドイッチを用意して、冷蔵庫に保存するもの、ランチボックスに入れたままで教室に置くもの、フリーザーに入れるものに分けました」

生徒たちは、6週間かけてサンドイッチに生えたカビの成長を観察し、実験レポートの材料にする結果を記録しました。「そのときに、理科の実験というテーマで利用したPodcastが真価を発揮したのです」とフラー氏は言います。「単に、この題材でレポートを書くように、と指示したなら、生徒たちのほとんどが内容の薄い、形だけのレポートを提出したはずです」

“生徒たちは、世界中、そして何よりも、両親に学習の成果を伝えられるのが嬉しかったのです”

― オレンジグローブ小学校教諭
ポール・フラー氏

「でも、Podcastスクリプトとしてレポートを書かせることで、素晴らしい結果が生まれました。普段は短い文章しか書けない生徒でさえも、文字数を減らすのに苦労したほどです。生徒たちは、世界中、そして何よりも、両親に学習の成果を伝えられるのが嬉しかったのです」とフラー氏は笑顔で語ります。

生徒たちは、Podcastスクリプトを書いた後、アップルのiLifeの一部であるGarageBandソフトウェアを使ってボイスオーバーを録音します。録音が終わると、スクリプトを編集し、音楽を加えます。先生と生徒たちの最終承認を得たら、ウェブサイトとiTunesで自動的に公開し、世界中の人々がPodcastにアクセスできるようになります。その後、このPodcastは全世界の数千人のリスナーが登録しているオレンジグローブPodcastライブラリに仲間入りし、ライブラリをさらに充実させます。

壁を取りはらう

意欲の高まりに加えて、これまで教室を取り巻いていた「壁」がなくなることも、Podcastを使った学習のポジティブな影響だとフラー氏は言います。「教室というのは、実際は隔絶された環境で、生徒たちの学習や活動を親やほかの先生たちが見る機会はほとんどありません」

「親たちはこれまで、学校生活について子供たちが提供する限られた情報に頼るしかありませんでした。それが今では、インターネットにアクセスして、WebブラウザでPodcastを聞いたり、コンピュータにPodcastをダウンロードし、iPodに移したりできるようになりました。インターネットにアクセスできない親の皆さんには、iTunesを使って作成したCDを渡しています。これなら、自宅のオーディオシステムで聴くことができますから」

「特に興味深いのは、新しくオンライン公開したPodcastについて親に話すときの生徒たちが、信じられないくらい熱心だということです。学校での活動にも、これまでより大きなプライドを感じるようになっています。教師にとって、これは何よりもうれしいことです」