立教小学校

iMacが児童の自発的な学習を加速させる

立教小学校


東京・豊島区の立教小学校では2008年4月から、主に情報科の授業で活用するために、iMacとiPod classicをそれぞれ44台ずつ導入しました。それによって、教師が児童に情報を伝えるという従来の授業方法だけでなく、「児童たちが教師に頼ることなく、自らの力で考え、お互いに協力し合って課題を解決する」という新しい授業を始めることができたようです。

修学旅行が、児童たちの貴重なフィールドワークの体験になる

今回同校がMacを導入するにあたってその推進役となった情報課主任・情報処理室の石井輝義教諭は、コンピュータを使った授業のやり方についてこう語っています。

「教師がコンピュータの使い方や情報の調べ方などを細かく説明すればするほど、児童は退屈してしまいます。教師が説明している時間があったら、児童たちがコンピュータを使う時間を増やしてあげるべきなのです。その方がいい結果に繋がることは、今までの経験から分かっていました」(石井氏)

石井教諭は「自分が児童に教える」というスタイルから、児童たちにツールを与え、「児童たちが自ら考えることをアシストするコーチ」のようなスタイルへと授業方法を転換しました。しかし、児童たちが使用するツールが使いにくいものであれば、意味をなさなくなってしまいます。石井教諭は様々な選択肢を検討した結果、Macがベストだと考えたそうです。

「Macにしようと思った理由は、ふたつあります。ひとつは、今まで使っていたWindows 2000を積んだノートPCに故障が多かったことと、アップグレードする予定だったVistaが不安定であるという理由。もうひとつは、紙を使わないアウトプットができるコンピュータ環境が欲しかったということです。動画編集や画像の合成ができ、英語のLL授業に代わる方法はないかと模索していたときに、iLifeやiTunesといったソフトウェアが最初から入っているMacがいいのではないかと考えました。iLifeは本当に使いやすく、子どもたちが使うには最適なソフトウェアですし。しかもMac OS X LeopardはUnixベースなので非常に安定していますし、ネットワークの設定もしやすいというメリットもありましたね」(石井氏)

週に一度行われる石井教諭の6年生の情報科の授業では、児童たちがiMacを使って夏に行く京都・奈良への修学旅行の準備を行っていました。4人1組のグループに分かれて、旅行で行く史跡や場所についてインターネットで調べ、ポイントを要約し、WordやPowerPointに原稿をまとめています。先生は授業の最初に今日は何をしなければいけないのかを説明するだけで、児童たちの作業にはほとんど口をはさみません。

「この学校では、修学旅行を“フィールドワーク”と捉えています。児童たちはまず、行く前にその場所の歴史や特徴をしっかり調べます。そして実際に現地に行ったら、ムービーカメラで撮影し、ナレーションを録音し、レポートをするわけです。児童たちはスケッチブックも持っていますので絵を描いてもいいですし、レポートの方法も児童たちが自ら考えて行います。旅行から帰ってきたら、その映像や画像をiMovieで編集して、iPodで見られるようにするところまでが今回の課題です。私は児童たちがこの一連の作業によって、自分たちで考えて行動することの面白さと難しさ、そして達成感を味わって欲しいのです。人に何かを言われてやるよりも、自分たちで考えた方がずっと楽しいんだと気づいて欲しい」(石井氏)

児童たちは導入されたばかりのMacにまだ不慣れなところもありましたが、分からないことはインターネットを使って調べ、どの情報が自分たちの旅行に役立つのかという情報選択を含めて、試行錯誤しながら積極的に挑戦していました。もちろん、児童たちがどうしても分からないことについては、先生がRemote Desktopを使って全員のMacをロックした上で、きちんと説明するという場面も見られました。いざという時にこのようなコントロールが瞬時に行えることは、教師にとって大きなメリットがありそうです。

児童たちはこのフィールドワークを通じて、「旅の計画を立て、そのために情報収集し、生の情報に触れ、それをいろんなツールを使って表現する」という今までにない貴重な経験をしています。これはもう、大人がふだん日常的に行っているプロセスと、ほとんど同じレベルの授業だと言えます。小学生の時から学校で新しいツールを使ってこのような授業を経験し、自ら考えて行動する機会を持つことは、児童たちのその後の成長に大きな影響を与えるのではないでしょうか。