インターネットを使った情報収集や、レポートや論文の作成、電子メールによる情報交換など、いまやノートパソコンは学生生活に欠かせないツールです。信州大学工学部情報工学科では、学生の研究用パソコンにMac OS Xを搭載したiBookを推奨。新入生全員がiBookを購入し、e-ラーニングやプログラミング演習などにフル活用しています。また、繊維学部応用生物科学科でも2004年度から新入生にiBookの利用を推奨。遺伝子やタンパク質の解析などに使用しています。 安定性と使いやすさを兼ね備えたiBookを採用 信州大学工学部情報工学科は、e-ラーニング授業を取り入れ、「インターネット大学院」を開設するといった先進的な取り組みを行っている学科です。同学科の新入生は、全員が学科の推奨する機種のノートパソコンを購入し、日常的に使用しています。「ノートパソコンの利用は今年で8年目になります」と語るのは、大学院工学系研究科の不破泰教授です。「2年前までは、WindowsパソコンにLinuxを載せ、デュアルブートで使用していましたが、昨年度からはMac OS Xを搭載したiBookを使っています」(不破教授)。 iBook採用のきっかけとなったのは、Windowsに感染するBlasterワームの世界的な蔓延でした。2003年8月、夏休み中であった信州大学もBlasterワームの被害を受けます。「ようやく学内のワーム騒ぎが収まったと思った頃に新学期が始まり、大学に戻ってきた学生のノートパソコンから、再びBlasterワームが広まったのです。情報工学科でも、教官が学生のノートパソコンのOSのアップデートや、ウィルス対策ソフトの導入の必要性を説明したり、対策が行われているかをチェックするといった作業に追われ、一時は授業の正常な進行さえままならないほどでした」(不破教授)。
そうはいっても、日々の講義や研究を行っていく上で、Windowsを使わずに済むのか、不破教授にも不安がなかったわけではありません。そこで、自らiBookのユーザとなり、単にMacを検証するだけでなく、一切Windowsを利用しない環境で3カ月間徹底的に使用してみたそうです。「まず驚いたのは、Mac OS Xの安定性の高さです。Mac OS Xを使い始めて以来、OSがハングアップしたことは一度もありません。UNIX環境が標準で備わっており、Microsoft WordやExcelをはじめ、さまざまなアプリケーションを利用することができる。これなら学生に購入してもらっても問題はないと確信しました」(不破教授)。 学科の推奨機種がiBookであることが発表になると、新入生やその両親からは「社会人の多くがWindowsパソコンを使用しているのに、Macで大丈夫なのか」という問い合わせが数多く寄せられたと言います。そこで「基本的な使い方は、MacもWindowsも違いはありません。それに、情報工学のエンジニアを目指す学生にとって重要なのは、WordやExcelの使い手になることではなく、コンピュータの仕組みを理解するプロになることです。その点ではWindowsよりUNIXベースのMacの方が適しているので、就職の際に不利になることもありません」と説明し、納得してもらったそうです。 実際にiBookを使い始めた学生たちからは「使いやすいし、デザインも良い」と好評です。また、教官からは「学生のパソコンのサポートにかかる手間が劇的に減った」と評価されています。「それまで、Windowsのセットアップとアップデート、Linuxのインストール、マルチメディア環境の設定と、パソコンを使い始めるまでに3日はかかっていた環境設定が、1日で終わってしまうのが嬉しいですね。価格的にも十分安く、学生にかかる経済的な負担も少ないことも有り難いですね」(不破教授)。 次ページ:Mac OS X標準のUNIX環境と自前のe-ラーニング教材を活用 |
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