情報工学科の専門科目では、Mac OS XをUNIXとして使用しています。Mac OS XのベースとなっているのはFreeBSDをベースにAppleによる拡張を加えたDarwinと呼ばれる環境です。標準でインストールされている「ターミナル」というアプリケーションを起動するだけで、このコマンドライン環境を使用することができます。Emacsやviなどのテキストエディタはもちろん、bash、tcshなどのシェルスクリプト、Perl、PHPといったスクリプト言語、最新版のGCCコンパイラやJava開発環境も利用できます。開発環境を構築するための余分な投資はほとんど必要ありません。 |
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| しかし、いくら同じUNIX系OSとはいっても、Mac OS XとLinuxの間には違いがあります。学生の使用するUNIX環境がLinuxからMac OS Xに変わったことで、授業の進め方に影響はなかったのでしょうか。不破教授は「LinuxとMac OS Xの環境の違いによる影響は、ほとんどありません。シェルや一部のコマンドの違いなどは、大きな問題ではありませんから」と語ります。 情報工学科では、以前から専門科目の講義と演習に自前のe-ラーニング教材を開発して活用してきました。「ノートパソコンを学生一人一人に購入してもらう以上、それを徹底的に活用してほしいと考え、8年前にノートパソコンの導入を開始したときから、CAI(Computer Aided Instruction:コンピュータ支援教育)を進めています。教科書はもちろん、講義に関わる説明や演習問題などは教員自ら作成しています。現在では、科目によっては学生は授業に出席せず、インターネットの利用できる場所さえあれば、どこでも自分のペースで学習を進めることができます」(不破教授)。こうしたe-ラーニング教材のほとんどは、Webを介して提供されています。教科書や教材を教員自身の手で制作しているため、学生の使用する環境が変わっても、柔軟な対応が可能なのだそうです。 学生たちは、家にいても、大学内でも常にiBookを持ち歩き、それを活用することができます。しかし、毎日のように持ち運ぶとなると、事故による故障や破損といった問題も発生します。情報工学科では新入生がiBookを購入する際に、4年間のメーカー保証延長を付け、動産保険への加入を義務づけているそうです。「パソコンを落としたり、ぶつけた時の衝撃で液晶割れを起こしてしまう学生が毎年数人はいます。もし、保険がなければ、修理代だけで10万円近くかかってしまいます。8年間ノートパソコンを使ってきた我々の経験上、保険と4年間の保証は必須ですね」(不破教授)。
不破教授自身も、研究室ではPower Mac G5とApple Cinema HD Displayを使用しています。「文部科学省から送られてくる書類は、WordやExcelが多いので、以前はUNIXとWindowsを併用せざるを得なかったのですが、今はMac1台で済むようになりました。UNIXは優れたOSですが、アプリケーションの種類は少ない。Windowsはウィルスやワームの心配はあるものの、実に多様なアプリケーションを利用することができます。Mac OS Xは、OSとしての安定性があり、アプリケーションも豊富である点が魅力です。UNIXベースの環境として使用できる上に、パソコンを使う楽しみも得られる。iBookは、学生たちにとっても、教員にとっても、非常に良い選択だったと思っています」(不破教授)。 次ページ:専門分野のフリーソフトを利用する |