信州大学
Mac OS Xの安定性と豊富なアプリケーションを評価
学生の個人用コンピュータとしてiBookを推奨


NIH(アメリカ国立衛生研究所)のデータベースからダウンロードした「ウマのヘモグロビン」のデータを元に、分子構造を画面に立体的に表示させたところ。画面上で、自由に向きを変えたり、表示方法を変更したりすることができる。

専門分野のフリーソフトを利用する

繊維学部の応用生物科学科でも、2004年度から、学生にiBookの利用を勧めています。「学生が入学前からWindowsのノートパソコンを使っていれば、それを使用しても良いことにしていますが、2年生では34名中25〜6名、今年の新入生は37名中30名がiBookを使っています」と語るのは、応用生物科学科の木村建助教授です。

木村助教授は、工学部情報工学科の学生たちがiBookを使用していることを、後になってから知ったと言います。「『学生のためには、Windowsパソコンを推薦する方が良かったのではないか』といった意見も聞こえてきましたが、コンピュータを専門に学ぶ学科が、我々と同じiBookを採用したと聞いて、我々は正しい選択をした、と胸を張って言えるようになりました」(木村助教授)。

応用生物科学科がiBookを学生に勧めるようになった背景には、どのような事情があったのでしょう。「Mac OS XでUNIX環境が利用できるようになったことが大きいですね。蛋白質や遺伝子の解析に使えるフリーソフトの多くはUNIX用です。iBookならこうした豊富なソフトが使えるようになるというのが第一の理由です。もう一つの理由は、価格が十分に安く、アプリケーションが豊富で、パソコンとしての利用価値も高いことですね」(木村助教授)。また、10年前に学科で購入した遺伝子解析装置の制御用コンピュータがMacであったため、データを解析する際の利便性から教員の中にMac利用者が多かったという事情もあったそうです。

信州大学 繊維学部応用生物科学科
助教授・農学博士 木村建氏
学生たちは、WordやExcel、PowerPointといったMicrosoft Officeアプリケーションを使ってレポートを書いたり、発表を行ったりするだけでなく、UNIX用のフリーソフトを使い、遺伝子や蛋白質の解析にも活用しています。木村助教授はiBookを「初心者にも扱いやすいUNIXマシン」だと高く評価しています。「UNIXのアプリケーションを利用するには、ターミナルからコマンドを入力する、ディレクトリやファイル名の表記の仕方を覚えるといった知識が必要になります。しかし、我々の学科ではとくにUNIXを系統立てて学習させたりはしていません。Mac OS X上では、ディレクトリの概念をきちんと理解していない学生でも、デスクトップからフォルダをドラッグ&ドロップすれば、自動的にディレクトリ名を入力することができますし、ソフトを利用するための設定ファイルの編集には、Aqua上のフルスクリーンエディタが利用できます。実際に使いながら、少しずつ使い方を覚えていけるのがいいですね」(木村助教授)。

新入生にコンピュータの導入教育を行っている木村助教授にとって、iBookはWindowsパソコンより「手間がかからないこと」が大きなメリットになっています。「繊維学部は上田市内にありますが、1年生は松本のキャンパスで学んでいるため、学生と学部の教員とのやり取りには電子メールを使います。1年生のコンピュータの授業は、最初にネットワークの設定を行うところから始めるのですが、毎年これが一苦労でした。ノートパソコンを学内で使う場合と家に持ち帰ってから使う場合とでは、ネットワークの設定を切り替える必要があります。Windowsの場合、ある程度使い慣れるまではこの切り替えが難しく、毎年多くの学生がつまずきます。iBookではネットワークの設定は自動的に切り替わるので、そもそも意識する必要がありません。多くの学生がiBookを使ってくれるようになって、Windowsパソコンを使っている学生の面倒を見るだけで済むようになりました」(木村助教授)。

ネットワーク設定の変更やウィルス対策など、授業以外で学生のパソコンの面倒を見なければならない時間は、全員がWindowsパソコンを利用していた頃に比べると、大幅に減ったと木村助教授は言います。その分の時間は、学生に生物科学への興味を持たせるために利用しています。「NIH(National Institutes of Health:アメリカ国立衛生研究所)のデータベースから蛋白質の立体構造のデータをダウンロードし、これを様々な方向から見たり、分子系統樹を書かせるといった学習にも十分な時間がとれるようになりました。マルチメディア環境を活かして、学生に生物学の面白さを直感的に体験してもらうことができるのは嬉しいですね」(木村助教授)。

工学部と繊維学部において、iBookの導入が着実な成果を上げていることは、学内でも高く評価されています。このほど、信州大学としても、2006年にはWindowsパソコン225台とともに、Mac 215台を総合情報処理センターの教室用クライアントシステムとして採用することが決まっています。

取材:2005年9月

Solutions/Education

Mac OS Xの安定性と豊富なアプリケーションを評価
1. 安定性と使いやすさを兼ね備えたiBookを採用
2. Mac OS X標準のUNIX環境と自前のe-ラーニング教材を活用
3. 専門分野のフリーソフトを利用する



プロフィール
信州大学繊維学部応用生物科学科

信州大学繊維学部は、上田繊維専門学校を母体とし、1949年の学制改革により信州大学繊維学部として発足。現在は、7つの学科・2つの学部附属施設及び1つの大学附属施設からなり、約120名の教員と約80名の職員により運営されている。
バイオテクノロジーに関する教育・研究を行っている応用生物科学科は、定員数1学年30名で、細胞工学、資源生物学、繊維植物生産学、応用生態学、蚕機能生理学、遺伝子工学、蚕遺伝疫学の7つの講座から成り、官公庁、食品、医薬・生命科学および環境分野などに多くの卒業生を送り出している。



関連サイト
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信州大学繊維学部