東京大学 情報基盤センター
3万人が利用する情報教育システム
iMacとMac OS Xで構築した大規模NetBoot環境


世界最大規模のNetBoot環境を支えるXserve

東京大学は、慶応大学、東京工業大学とともに、日本で最初に大学間ネットワークをUNIXシステムで構築したことで知られるように、UNIXの利用に関しては日本でも有数の歴史を誇り、膨大な情報資産とノウハウを持っています。ECCSもまた従来のUNIXベースの情報教育システムの特徴や歴史を色濃く受け継いでいます。ECCS2004では、Mac OS X、Windows XP、Linux、Solarisという4つのOSを併用していますが、Mac OS XをオープンソースのUNIXであると考え、UNIX系アプリケーションの実行環境として利用することを、当初から想定していました。


●ECCS2004(Educational Campuswide Computing System 2004)概略図
東京大学の教育用計算機システムECCS2004(Educational Campuswide Computing System 2004)は、各種UNIX系サーバが混在したシステムで、クライアント(iMac)のブートサーバであるXserveも組み込まれている。UTnet(東京大学情報ネットワークシステム)に組みこまれ、本郷、駒場、柏の各キャンパスと接続。総容量15TBのNAS(Network Attached Storage)に集約されたファイルサーバで、アカウント利用者ごとに500MBのディスクスペースが提供されることなど特筆すべき点が多い。


ECCS2004の標準情報端末となったiMacは15インチモデルで、本郷キャンパスの各校舎や施設に合計384台、駒場キャンパスの演習室・自習室に718 台と教養学部図書館に36台、柏キャンパスの図書館に11台の合計1,149台が配置されました。情報端末としてはiMacの他に、Windows/Linuxデュアルブートとしてミントウェーブ社のVIDシステムが227台も用意されています。

東京大学では、従来からECCSにハードディスクレスの情報端末を採用してきました。システムやアプリケーションをブートサーバ側に置くため、管理にかかる負担と、故障が起きる確率が低いためです。約1,600台のクライアントのうち、この5年間で故障したのは10台未満だったことから、新システムでもこの方式が踏襲されることとなりました。


iMacはサーバ機のXserveの起動ディスクイメージ(OSは、Mac OS X v10.3)をネットワーク経由で読み込んで起動します。Xserveは主にiMacの起動・管理を担当するブートサーバとして利用され、学内で合計49台を配置、1台のXserveで25台のiMacをブート管理し、各キャンパスのiMacを集中コントロールしています。なお、柏キャンパスのiMac はキャンパスネットワークUTnetを介して本郷キャンパス内にあるXserveから起動・管理を行ない、遠隔地の情報処理端末のコントロールも実現しています。VIDシステムにおいてはブートサーバにWindows 2003 ServerとRed Hat Linux の両OSのブートイメージを搭載した日本電気社製サーバを使用しています。

演習室や自習室に配置された情報端末としてのiMacは、複数のL2スイッチとXserveに接続されています。特定のサーバやスイッチに負荷が集中しないように配慮され、万一Xserveやブートサーバにトラブルが起きた場合には、別のサーバが利用できるよう対策が施されています。

ハードディスクレスシステムでは、利用者は端末側のハードディスクにデータを保存することができません。アカウント登録者には1つのIDにつき500MBの共有ストレージが用意されており、個人用のデータを保存したり、標準以外のアプリケーションをインストールする際にはこれを使用します。Mac OS X、Windows、Linuxの混在するファイルサービスは、世界でもあまり例がありません。ECCS2004では、容量15TBの日本電気社製の最新NAS(Network Attached Storage)でこれを実現しています。この規模のサーバとしては驚異的にコンパクトかつ高速で、ECCSの快適な利用に大いに貢献しています。

次ページ:マルチプラットフォームのインテグレーション

Solutions/Education

3万人が利用する情報教育システム
1. 新ECCS用端末に求められた3つの要件
2. 世界最大規模のNetBoot環境を支えるXserve
3. マルチプラットフォームのインテグレーション
4. 利用環境の改善や提案に学生たちが率先して参加
5. 導入の効果と今後への期待



UTnet(東京大学情報ネットワークシステム)
東京大学を構成する本郷、駒場、柏などの6つのキャンパスと、50を越える遠隔研究施設である10学部、14研究科、10の附置研究所、24の共同研究施設を結ぶ大規模ネットワークのこと。キャンパス内のほとんどの建物間を放射線状に敷設された光ファイバーで結ばれており、幹線系ネットワークや事務系ネットワークとしても使用され、研究プロジェクトなどにも利用されている。現在の主要部は、2000年度に導入の「UTnet3」が使用され、1G〜数 Gbpsの帯域を誇る。



VID
Virtual Image Distributorの略称。ハードディスクレスシステムのひとつ。ハードディスクを搭載せず、システムはネットワークブートで起動する。必要なアプリケーションはサーバ上のものを使用し、クライアントのメモリ上で実行されWindowsやLinuxなどでも快適に使用できる。



使用システム
アップル
Mac OS X v10.3
Xserve
iMac