東京大学 情報基盤センター
3万人が利用する情報教育システム
iMacとMac OS Xで構築した大規模NetBoot環境


利用環境の改善や提案に学生たちが率先して参加


学生たちが使用しているiMacの一画面。ブラウザやOfficeアプリケーションが使用できる。また、学内ネットワークを利用して、授業スケジュールや参考文献などが閲覧できるほか、BBS(掲示板)の利用やレポートの提出にも対応している。
演習室や自習室のiMacは、盗難防止のためチェーンで机に固定されています。本体には、3ボタンマウスとコンパクトなキーボード(Happy Hacking Keyboard)が接続されています。周辺機器においては、学生が自分用のマウスを持ち込んで一時的に使用すること、およびUSBメモリや外付けハードディスクを接続することは許可されています。Mac OS Xでは、ほとんどの周辺機器がドライバソフトなしで自動認識されるため、ハードディスクレスシステムでも周辺機器の接続がフレキシブルに行なえます。

iMacの起動時間は、ローカルのハードディスクから起動するのとほとんど変わりません。起動時の違いといえば、ハードディスクのアクセス音がまったく聞こえないことくらいです。アプリケーションの実行速度も、ローカルのハードディスクから実行するのと、ほぼ同じです。最初に表示される認証画面からログインすると、普通のiMacと同様に利用できますが、プリンタへの出力は有料です。プリンタにデータを送っただけでは印刷されません。プリンタの前まで直接行って、有料の利用カード(プリベイド式)を差し込んで印刷するようになっています。


オンライン自習教材「はいぱーワークブック」は、準備編、基礎編、応用編の三部構成。操作や概念の説明だけでなく、さまざまな自習課題を含む内容となってい る。


ボランティア学生で組織する相談員の有志が共同で作成したECCS2004のガイドブック「情報処理Navigator 6」(1,260円/CD-ROM付属)。WindowsやUNIXに対する基礎知識から、iMacやVID端末の使用方法、ネットワークに関する情報を網羅したマニュアル書籍だ。東京大学の生協などで販売されている。
 
東京大学に入学した学生が、最初にECCS2004に触れるのは、必修の「情報処理」の授業を通じてです。また、学生は「情報処理」の補助教材として開発されたオンライン教材「はいぱーワークブック」を利用すれば、ECCSの使い方とコンピュータに関する一般的な概念について、自分のペースで学習できるようになっています。

ECCS2004の運営に欠かせないのは「相談員」の存在です。主に学生で構成される相談員は自習室などに常駐し、初心者へのアドバイスや学生たちの利用マナーの指導などを行なっています。ECCS2004を円滑に利用するためのガイドブック「情報処理ナビゲータ」も、相談員の中の有志によって作られ、システムの円滑な利用や運営に大きな貢献を果たしています。彼らの活動が、東京大学の情報教育の一助を担っていると言ってもよいでしょう。

また、学内の掲示板では、ECCSの利用を促進するための新たな提案や、利用環境改善ツール作成の呼びかけなども行なわれています。プログラム開発のスキルを持った有志がこれに応じて、新しいツールを提供することも珍しくありません。利用者自身が、自らの手で利用環境を改善することができるのは、オープンソース採用による大きなメリットだと言えるでしょう。

ECCSの運用上問題となったのは、Mac OS上でのアプリケーションのインストール/アンインストール方法が統一されていないということでした。Mac OSでは、通常のアプリケーションは、多くの場合ドラッグ&ドロップでインストールできるようになっていますが、一部のアプリケーションについては、他社製のインストーラが利用されているなど、統一性がありません。東京大学では「Fink」というパッケージシステムをベースとし、学生たちの協力のもと必要な機能を加えることで、UNIXアプリケーションのインストール/アンインストールを管理しています。

次ページ:導入の効果と今後への期待

Solutions/Education

3万人が利用する情報教育システム
1. 新ECCS用端末に求められた3つの要件
2. 世界最大規模のNetBoot環境を支えるXserve
3. マルチプラットフォームのインテグレーション
4. 利用環境の改善や提案に学生たちが率先して参加
5. 導入の効果と今後への期待