Macが可能にする文理融合型の
クリエイティブなカリキュラム
津田塾大学
2つのワークステーション演習室に55台のiMacと8台のMac Proを設置。
1900年の設立時から築いてきた英語、数学、国際性といった伝統を基盤に、情報やメディアなどの分野で求められる人材の育成にも力を入れている津田塾大学。学科の垣根を越えた新たな取り組みとして、2006年度に全学科共通のメディアスタディーズ・コースを設置し、2007年4月からワークステーション演習室の教育用端末にIntelプロセッサ搭載のiMacとMac Proを導入。2008年度に予定しているワークショップの開講に向けて、さまざまなカリキュラムでMacの活用がスタートしています。
新設コースでの活用を視野に入れてIntel搭載Macを導入
映像やWebを制作し、情報を発信するまでの作業をワークショップ形式で学ぶ。こうしたクリエイティブな授業には、やはりMacが向いています。
津田塾大学 情報科学科 青柳龍也 計算センター長
情報科学科の青柳龍也 計算センター長。
津田塾大学では、英文学科/国際関係学科共通の多文化・国際協力コースを2003年度から開設していますが、2006年度以降に入学した全学科の学生は、メディアスタディーズ・コースの履修も可能になります。3年時となる2008年度から開講するメディアスタディーズ・コースでは、メディアスタディーズ概論を履修した学生を対象に、少人数でのセミナーとワークショップ形式で授業が行われる予定です。
実際の制作を通じてメディアを活用する力を身につけたり、メディアを介した世界との関わり方について学ぶメディアスタディーズ・コースには、本格的な映像制作やデジタルコンテンツの制作が採り入れられます。こうした実践的なカリキュラムを提供していくため、同校では2007年度からワークステーション演習室に設置する教育用端末として、従来のWindows型PCに加え、iMacとMac Proを大幅に増設しました。情報科学科でオブジェクト指向やアプリケーションデザインの授業を担当する青柳龍也 計算センター長は、Macを導入した経緯について次のように述べています。
「Macを選択した理由の中で最も大きかったのは、メディアスタディーズ・コースの開設です。学科の垣根をなくした文理融合型のメディアスタディーズ・コースで重要になるのは、メディアの送り手となる人材を育成すること。映像やWebを制作し、情報を発信するまでの作業をワークショップ形式で学んでいくのですが、こうしたクリエイティブな授業には、やはりMacが向いています」。
津田塾大学システムサービス室の岸田陽一氏。
Intelプロセッサを搭載した最新のMacは、Mac OS X上でWindowsを動作させることが可能です。MacとWindows PCを併設して運用する同校では、この点も導入の決め手となりました。「1台の端末でMac OS XもWindowsも扱える環境が整ったことで、以前よりもMacを導入しやすくなりました」と語るのは、システムサービス室の岸田陽一氏。iMacには仮想化ソフトウェアの「Parallels Desktop for Mac」がインストールされ、従来のWindows環境のほか、情報科学科で必須のUNIX環境も利用できます。「Windowsとの互換性の高さもそうですが、さまざまなOSを使える多様性を持った学生を育てられるのがIntel搭載Macのよさです」(青柳氏)。
同校の英語教育におけるドキュメンタリー映像制作のワークショップは、文部科学省の『特色ある大学教育等支援プログラム ーグッド・プラクティス(GP)ー』に採択されています。Macに標準で付属するiLifeにはムービー編集ソフトウェアのiMovie HDが含まれており、マルチメディアを多用した授業で広く活用できるのがメリット。また、メディアスタディーズ・コースへと続くカリキュラム用として、プロ向けの映像制作ソフトウェア「Final Cut Pro」を採用しているのも同校の特徴でしょう。「海外から講師を招いてドキュメンタリー映像を作るのですが、より本格的な制作環境ならMac ProとFinal Cut Proがスタンダードということで採用しました」(岸田氏)。
なお、同校ではMacと同時にサーバシステムとしてXserveを導入。NetBootによる端末の集中管理も実現しています。そのほかにも学生ごとに1GBのネットワークディスクを用意し、外部から学内LANにアクセスできるVPN環境を構築するなど、ネットワーク環境の整備や拡充も進められています。
授業での使いやすさ、簡単なコンテンツ制作がMacの魅力
2008年度からメディアスタディーズ・コースを受講できる2年生の授業では、Macを使った新たな取り組みも始まっています。情報科学科の2年次前期では「2年プロジェクト」として、デジタル映像制作、JavaScriptを用いた情報処理、コンピュータグラフィックス、テクニカルライティングについての概要を学びますが、デジタル映像制作の教材となっているのがFinal Cut Proです。授業では映像の撮影からMacへの取り込み、カット編集、字幕や特殊効果、音響効果の追加、変換、書き出しまで、Final Cut Proを使った映像制作の基本を実践的に身に付けられます。
2年プロジェクトではFinal Cut Proを使った映像制作の実習を行っている。
英文学科での映像論/英語の授業のほか、2年プロジェクトで映像制作入門を担当している坂上 香 准教授は「映像制作は初めてという学生がほとんどですが、すぐに違和感なく使えるようになるのがMacとFinal Cut Proの強みですね。まずは自分たちで簡単な作品を作って、そこで感じた楽しさや面白さをメディアスタディーズ・コースにつなげられたらと思っています」と言います。
また、情報科学科でコンピュータグラフィックスや情報表現を担当する小舘亮之 准教授は、情報教育システムとしてのMacの可能性に注目しています。「PodcastやSNS、YouTubeといったパーソナルなメディアが発達するには、いかにコンテンツを簡単に作れるかということも重要です。iLifeでソフトウェア環境がシームレスに統合されているMacなら、コンテンツ制作ツールとしてメディアスタディーズ・コースで活用できるでしょう。PCは苦手という文科系の学生でも、Macはすぐに使えるようになっています」。
英語のビデオプレゼンテーションをiMovieで制作
iMovieで制作されている英語のビデオプレゼンテーション。学生は授業以外の時間も講師と制作に励んでいる。
「プレゼンテーションスキルの授業では、OHPやMicrosoft PowerPointのほか、映像作品での発表を行っています。ひとつの作品内でも取材パートや映像のダイアログはカジュアルな英語、サブスクリプトでは正確な英語と、表現の使い分けを学んでいくことが大切です」と語るのは、英文学科で言語とコミュニケーションの授業を担当しているマーク・H・ライト准教授。MacとiMovieでの制作については「映像制作は非常に時間がかかる作業ですが、学生たちはiMovieで楽しみながら取り組んでいます」という実感を述べてくれました。
入学後に初めてMacを使ったほとんどの学生が、短時間で操作に慣れたという。
昨年度、プレゼンテーションスキルの授業を履修し、映像作品を制作した学生にMacの感想やイメージについてお話を伺いました。「授業でMacに初めて触れたのですが、実際に使ってみたら思ったよりも簡単に映像の編集ができて楽しかったです」「Macはデザインがかわいい。インテリアとしても考えると、部屋にはWindows PCではなくMacを置きたくなります」「コンピュータでイラストを描いたり、写真を扱ったりするのは、WindowsよりMacのほうが得意なイメージがありますよね。何かを始めるきっかけが得られるのなら、今後もMacを使ってみたいです」。
2008年度から本格的に始動するメディアスタディーズ・コースに向けて、映像制作を中心に実践的なカリキュラムでMacの活用方法を模索し、運用をスタートした津田塾大学。「クリエイティブな授業は、Macだから実現できるんです」という言葉からは、同校の新たな取り組みをサポートする情報教育システムとしてのMacへの大きな期待が感じられました。

