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東京女子大学では、NetBoot導入以前よりシンクライアントシステムの採用を前提としていました。それは、情報処理教室のクライアントのトラブルをできる限り減らし、授業を滞りなく行なう必要があるからでした。しかし、情報処理センターのスタッフはシステム管理が専任というわけではなく、教授や助教授、助手などの現場の教員が、兼任で学内の基幹システムの管理・運営と200台以上のクライアントの管轄を行なっています。このため、大規模クライアントのOSやアプリケーション、セキュリティなどを一台ずつ管理することは物理的に不可能でした。 その解決策として、シンクライアントシステムを導入しました。これならば、サーバ側でOSやアプリケーション、データの一括管理ができるようになります。さらに、クライアントのトラブルを大幅に減らし、授業を円滑に行なうことができるので、少ない人員で多数のクライアントを管理しなければならない情報処理センターには最適なシステムでした。ただし、いかにシンクライアントとはいえ、あくまでUNIXプラットフォームの環境で動作するものでなければなりません。「UNIXは慣れ親しんだシステムという以上に、これまでUNIXで行なってきた有形・無形の教育的な財産が膨大にあり、ほかのものに代替することは不可能でした」(東京女子大学 情報処理センター センター長・今井久登氏) そして、学生たちから要望があったWindows環境の提供については、1996年からWABI(Windows Application Binary Interface)環境を導入して解決しました。WABIは、Windows用アプリケーションをUNIX上で実行するためのもので、同時にシンクライアントシステムでの運用もできるというメリットがありました。Windows環境をUNIX上でエミュレートするため、もちろんWindows用のMicrosoft Officeアプリケーションも使えました。 WABI環境は、システムの運営をする情報処理センターとしてはメリットの高いシステムでした。が、エミュレートされるWindows環境がWindows 3.1相当であることと、UNIXベースとはいえ、Windows環境はトラブル等の原因が不明なことがあり、管理面でやや苦戦することもあったそうです。 こうした背景により、情報処理センターでは、定例のシステム更新が迫ると、次期システムについての検証を開始します。条件は、1)Microsoft Officeアプリケーションの動作、2)シンクライアント 3)UNIXベース、でした。Linux、Solaris、Windows、そしてMac OS 9などをベースとしたシステムが候補に挙がりましたが、最終的に Mac OS X ServerによるNetBootサービスが「最善の選択肢」として検討されることになりました。3つの条件を満たした上に、Mac OS Xのもつ優れたユーザインターフェイスは、コンピュータに不慣れな学生たちにも最適ではないかという考えもあったそうです。 導入コストの面でも、他のシステムと比較して最もコストパフォーマンスが良く、またiMacのようなスペース性に優れたクライアントがあったことも導入の決め手となりました。液晶ディスプレイ一体型で設置スペースの少ないiMacなら、従来よりも多くのクライアントが教室内に設置できるためです。 こうして、2003年9月に、Mac OS XによるNetBootサービスが導入されました(導入は日本電子計算株式会社が担当)。これにより、サーバ管理に集中できるシンクライアントの利点を継承しつつ、Microsoft Officeアプリケーションの提供や、以前よりも使いやすくなったクライアント環境の実現など、当初掲げた目標をクリアできました。 次ページ:融合性の高いMac OS X |
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