プリンスジョージズ郡公立学校

Title Iプログラム対象の中学校4校のビジョンの実現をテクノロジーが後押しする。

ワシントンD.C.近郊のバックロッジ中学校の廊下を歩いているのは、近隣の市街地や農村地域から来ている生徒たちだけでなく、カメルーン、グアテマラ、インドなど60を超える国々出身の生徒たちです。どの教室に足を踏み入れても、こうした生徒たちがiPad上でリサーチや協働作業をしたり、目を見張るようなコンテンツを作成するなど、同じ体験を共有している光景が見られるでしょう。

バックロッジ中学校は、プリンスジョージズ郡にある公立学校です。プリンスジョージズ郡は米国内でも生徒数、人種の多様性ともに最大の学区のうちの一つです。この学区の12万8千人の生徒の多くは英語を第二言語として学んでいます。およそ3分の2の家庭は、経済的に恵まれていません。

「この学校にやってくる生徒たちのバックグラウンドと学習スタイルは様々です」こう話すのは、プリンスジョージズ郡で州と連邦政府プログラムのディレクターを務めるDebra Mahone博士です。「私たちは、都市部にある多くの大規模学区が抱えているのと同じ問題に直面しています」

プリンスジョージズ郡では、最も状況が困難な複数の中学校での教え方と子どもたちの学びを改善するために、教師と教育行政担当者が共同で、iPadを1人1台使用するプログラムを開始しました。対象となったのはバックロッジ、ウィリアムワート、チャールズキャロル、ニコラスオレムの4校で、いずれもTitle Iが適応されています。この取り組みでは教師のプロフェッショナルデベロップメント、教室の内外でテクノロジーの活用を実施し、すべての生徒と教師にiPadが提供されました。

「子どもたちに共通しているのは、育ってきた背景や文化、出身地に関係なく、機会さえ与えられれば成功できる、ということです」

— 州および連邦政府プログラムディレクター プリンスジョージズ郡公立学校 Debra Mahone博士

「子どもたちに共通しているのは、育ってきた背景や文化、出身地に関係なく、機会さえ与えられれば成功できる、ということです」とMahone博士は言います。

状況が一変。

「私がここに着任した時、この学校は落ちこぼれの部類に入っていました」とバックロッジ中学校校長のJames T. Richardson氏は語ります。Richardson氏は生徒の学力の底上げを後押しするために、5年前に着任しました。

Mahone博士はTitle Iプログラムの担当者たちとともに、中学校にiPadを導入して学習環境を変革するという戦略を打ち出しました。「専門的な戦略、能力、アプローチをつなぐネットワークを築くことができました」とMahone博士は言います。「変化をもたらすには、これが何よりも重要だったのです」

戦略の準備が整うと、Richardson氏を初めとする校長たちとTitle Iプログラムの事務局とが手を組み、プログラムの実施に乗り出しました。「本当の意味で教師の教え方が一新され、本当の意味で生徒の学び方が変わるための機会でした」とRichardson氏は言います。「これをきっかけとして、転換が起きたのです」

今では教師がカリキュラムにiPadを組み込み、オリジナルのiTunes Uコースを作成したり、教材のデジタルライブラリを構築したり、インタラクティブなアプリケーションで生徒の関心を引きつけたりしています。

「子どもたちが自主的に勉強に取り組み、ワクワクしているので、驚くような学習環境ができあがりました。生徒の興味をかき立て、ワクワクさせるものが授業の中にあふれているのです」

— バックロッジ中学校 校長 James T. Richardson氏

iPadを使った魅力あふれる授業。

バックロッジ中学校では、数学教師のAiesha Stover氏が7年生の授業にiPadを活用して、抽象的な公式が、実践的で実用的な知識にどう結びつくのかを説明しています。

Stover氏はiTunes Uで作成したコースを使って、バーチャルな家を設計し家具を備え付ける授業を行っています。NumbersやGeometry Pro!などのアプリケーションを使って、一部屋ごとにプロジェクトを進めながら面積を計算し、部屋の四方の寸法を測定し、材料の費用を見積もることができます。iPadは手に持ったまま教室内を歩き回れるので、生徒たちは家の建築に関連したドアや窓、壁のサイズを理解します。

「私は生徒の前に立って話をする人間ではなく、ファシリテーターです」とStover氏は言います。「主役は生徒たちです」

このiTunes Uコースで、数学に興味のなかった生徒たちが積極的に自ら関わって学ぶようになり、今ではクラス全員の前で自分の夢の家を発表するのを心待ちにしています。「数学は別世界の言語でしかありませんでした。でも今では、生徒たちは数学の語彙を理解し、流暢に喋れるようになりました」とStover氏は言います。「最初は数学を嫌っていた生徒が、突然、自分は数学が実は好きだと気がつくことがあります。そんな奇跡的瞬間に出会うのが大好きです」

クリエイティビティを育て自信を高める。

英語を第二言語として学ぶ8年生の理科を担当するBenjamin Grace氏は、iPadを使うことで、生徒たちが科学的プロセスを新しい方法で理解できるようになったと説明します。「科学とはこの世界を機能させているものだということを生徒に理解してほしいのです。生徒たちには生物学者にも化学者にもなれる可能性があり、NASAで働けるかもしれないのです。それをわかってもらいたいと思っています」と彼は言います。「iPadを取り入れたことで、教科書を超えた学習ができるようになりました」

Grace氏が担当する生徒たちは、iPadに内蔵のカメラを使って写真を撮ったり、ビデオを撮影して編集しています。テキストや画像を用意して、フォーマット済みの書類やプレゼンテーション、ポスターに組み込むこともできます。iPadは、英語を第二言語として学習する生徒のコミュニケーション能力を鍛え、自信を高めるのにも役立っています。「英語が堪能な人でも、人前で話すのは気が重いものです」とGrace氏は言います。「今では生徒たちはiPadを自宅に持ち帰って、自分がしゃべっているところを撮影できます」この練習方法が実践的なトレーニングとなり、生徒は人前でも自信を持って話せるようになるのです。「iPad上で実践的な練習ができるので、以前は見られなかった自信が生まれています」とGrace氏は語ります。

「この取り組みを行っている学校では、郡内の同様の学校を2桁で上回るほど生徒の学力が伸びています。読解力では35パーセント、数学では2倍以上成績が向上しました」

— 州および連邦政府プログラムディレクター プリンスジョージズ郡公立学校 Debra Mahone博士

新しい指導スキルを習得。

プリンスジョージズ郡のiPad1人1台の取り組みでは、プロフェッショナルデベロップメントが重要です。郡内の教師たちは、授業にiPadを活用する方法について、アプリケーションと教え方を共有しようと集まっています。

「教師たちは様々なアプローチで、コンテンツを配布したり生徒が学んだ知識を発表できる方法を見つけ出しています」とMahone博士は言います。「今回の取り組みで教師たちは、大きな変化をもたらす別の新しいやり方ががあることに気づいたのです。これまでよりも短い時間でより多くの生徒に行き届くように教えられるのです」

目覚しい成果を達成。

難しい状況にあったこれらの中学校は、iPadを生徒に配布してからわずか3年で生まれ変わりました。「子どもたちが自主的に勉強に取り組み、ワクワクしているので、驚くような学習環境ができあがりました。生徒の興味をかき立て、ワクワクさせるものが授業の中にあふれているのです」とRichardson氏は語ります。

Title Iプログラム対象のこの4校では、いずれも輝かしい成果が上がっています。「この取り組みを行っている学校では、郡内の同様の学校を2桁で上回るほど生徒の学力が伸びています」とMahone博士は言います。「読解力では35パーセント、数学では2倍以上成績が向上しました」

今回のプログラムの成功を踏まえて、教育行政担当者たちは、この取り組みを郡全域の小学校に拡張しようと努めています。「郡内の中学校で実施したiPad1人1台のプログラムから、私たちは多くのことを学び、多くの成功を得ました。それを活かすことができます」とMahone博士は言います。「これは始まりにすぎません。iPadがあれば可能性は尽きません」

概要

  • 生徒128,000人、教師9,000人
  • 郡内にある209校のうち75校が
    Title Iプログラムの対象
  • www1.pgcps.org

使用されているアプリケーション

Keynote

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Pages

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Numbers

スプレッドシートの力をあなたの授業に活かせます。iOSのためのNumbersについてさらに詳しく

iMovie

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