Mac OS Xにおける辞書ツール活用のポイント

前ページにご紹介したように、ドキュメント作成時に利用できる辞書ツールは、インターネットやCD-ROMから供給されるいくつかのタイプがあり、辞書データの作成元・作成団体、ベースとなっている原書も様々です。どの辞書ツールが優れているのか、ドキュメント作成に適しているかは、個人の業務用途によって変わってきますが、これら辞書ツールを便利な形で組み合わせた上で活用することは、質の高いドキュメントを作成し、しかも、そのワークフローを効率化するうえで欠かせないと言えるでしょう。 辞書ツール活用のポイントは、1)ネットワーク接続が使用できる場合と、使用できない場合、それぞれにおいて最良のツールを準備すること、2)複数のツール・情報源を簡便に使用できるような環境を整えること、と言えるでしょう。ここでは、これらのヒントになるような、辞書ツール活用のポイントを紹介します。

.Macサービスで辞書リソースの利用

SafariでWeb辞書リソースを利用する場合には、使用頻度の高いサイトをブックマーク登録しておくと便利です。Web辞書のブックマークは1つのフォルダに整理し、ブックマーク・バーに表示させておくと、いつでも迅速に用語を検索できます。 そして、登録した好みのブックマークを、さらに活用するには.Macサービスが大変便利です。一度登録したブックマークは、自動的に.Macとの同期が行われますので、普段お使いのコンピュータ以外からでも、.Macページにアクセスし、ご自分が登録したブックマークを利用することが出来ます。この場合、コンピュータがWindowsであるか、Macであるかに関わらず、またWebブラウザの種類にもよらず、ブックマークを使用することが出来ます。 さらに、複数のMacをお持ちの場合は、.Macを介して、それぞれのMacのSafariブックマークを同期することができます。 ブックマークを常に同期するよう設定するには、各Macのシステム環境設定の「.Mac」において、「同期」の項目中の「ブックマーク」にチェックを入れておくだけです。

ことえりをカスタマイズして変換効率の向上

「ことえり 4」では、ユーザの利用する「Mail」アプリケーションのメールボックスファイルから未知の複合語やカタカナ語などを自動的に学習する機能があります。そのため、通常使用で意識することなく自動的に変換精度が高まり、ドキュメント作成効率がアップしてゆきます。 また、使用頻度の高い用語をユーザ辞書に登録するには「ことえり単語登録」(入力メニューから「単語登録/辞書編集」を選択すると起動)を使用します。ここで1単語ずつ登録することができるほか、辞書メニューから「辞書やテキストから取り込む...」を選択すると、既存のことえり辞書ファイルやテキスト形式で保存されたデータから取り込むことができます。テキストは「単語の読み,単語,品詞[,,注釈文]〈改行〉」という形式で記述されている必要があります。また、ワープロソフト等でオリジナルの辞書を作成した場合には、テキスト形式で保存する必要があります。

ことえり単語登録

4.ことえりの単語登録

なお、ライフサイエンス辞書CD-ROMに収録された、ことえり用辞書ファイルのように、OS9用の辞書ファイルを取り込む場合には、辞書メニューから「Mac OS9の辞書をコピーして使う」を選択します。


次ページでは、Mac OS Xにおける辞書ツール活用のポイントを紹介します。

さまざまなCD-ROMをHDから利用:ディスクイメージの活用

CD-ROMで供給される辞書や辞典のなかには、CD-ROMをドライブに入れた状態でしか使用できないものがあります(CD-ROM格納型)。使用するたびにCD-ROMを挿入するのは不便ですので、このような場合には、CD-ROMのディスクイメージを作成して、Macに常駐させる方法がおすすめです。この方法を用いると、CD-ROMを挿入して使用する場合と較べて高速に参照でき、複数の辞書ディスクに同時にアクセスできるというメリットもあります。

CD-ROMのディスクイメージを作成するには、Mac OS Xのアプリケーションに含まれる「ディスクユーティリティ」を使用します。CD-ROMをドライブにセットし、ディスクユーティリティを起動すると、リストにCD-ROMのディスク名が表示されます。これを選択した状態で、ファイルメニューから「新規」>「(ディスク名)からのディスクイメージ」を選択します。表示されるウインドウで、ディスクイメージを作成する「場所」、イメージフォーマット(この場合は「読み込み専用」を推奨)、暗号化(「なし」を選択)」を指定したのち、保存ボタンをクリックします。作成されたディスクイメージには拡張子「.dmg」が付き、ディスクユーティリティのリスト中に表示されます。この状態では、まだディスクがマウントされていませんが、リスト中に表示された.dmgファイルを選択しツールバーの「開く」ボタンを押すとマウントされます。このようにして作成したさまざまなディスクイメージを辞書ソフトの参照先に指定しておけば、CD-ROMを挿入せずにHDから利用することができます。

複数の電子辞書を利用して作業効率を高める

通常、電子辞書を購入すると、専用の電子辞書ブラウザが付属しており、「前方一致」「後方一致」「AND/OR」などの検索方法で、用語を調べることができます。
さらに、ブラウザに複数の辞書を登録して、1つの検索語をもとに各辞書から一気に用語を探し出すことができます。この機能が便利なのは、単語の訳や解説が辞書によってどのように異なっているかを簡単に参照できることです。英語と日本語とが必ずしも一対一対応になっていないことは、一般の用語のみならず、医学専門用語についても言えることであり、専門領域によって用語の訳し方や意味が異なる場合もあります。よりクオリティの高い翻訳文や英文ドキュメントを作成するためには、その専門領域において信頼性の高い辞書、一般性のある訳語が登録された辞書など、複数の辞書内容を参照することが重要です。

電子辞書にバンドルされたブラウザは、同一規格の辞書であれば複数を登録して検索・閲覧することが可能ですが、電子辞書には複数の規格が存在するため、ブラウザが対応していない他規格の辞書は利用することができません。シェアウェアとして配布されている「Jamming」は、異なる規格の辞書でも複数登録して、1回の検索ですべての辞書を検索出来る優れたMac OS X対応の辞書ブラウザです。ダウンロード詳細はこちらからご覧いただけます。Jammingはシェアウェアとして配布されていて、インストール後30日間は自由に試用できます。インストール方法は、通常のアプリケーションと同様で、圧縮されたファイルをダウンロード後、解凍して、作成されたフォルダを任意の場所において使用するだけです。Jammingをはじめに起動すると、辞書登録のウインドウが表示されますので、ここで、普段使っている電子辞書を登録します。例えば、電子ブック(EB・EBG・EBXA・S-EBXA)、EPWING、システムソフト電子辞典シリーズなどであれば、それらのフォルダに保存されている「CATALOG」「CATALOGS」などのファイル、あるいは、拡張子.idxが付いたファイルを選択指定します。その他、医療・医学関連では、「メジカルビュー社 ステッドマン医学辞典 第4版/第5版」、「南山堂医学大辞典 プロメディカ(Ver.1&Ver.2)」「医学英語慣用表現集 第3版」などが登録できるほか、代表的な英和辞典も多数登録できます。 基本的な使用法は、辞書メニューから「すべての辞書」もしくは個々の辞書を選択し、検索方法メニューから「前方一致」「後方一致」などの方法を選んだ後、任意の検索語を入力してreturnキーをクリックするだけで該当用語の検索結果が表示されます。また、Jammingには、「一網打尽」と呼ばれるユニークが検索方法も搭載されており、この機能を使うと各辞書に用意されている検索用インデックス(条件検索・複合検索・後方一致など)の違いによらず、検索語が含まれる単語をすべて検索・表示することが可能です。さらに、複数の検索語を使って検索結果を絞り込んだり、複数の語の語義を一覧表示する、電子辞書での検索と同時並行してインターネット上の検索サイトで検索を行うといった機能もあり、非常に高機能な辞書ブラウザとしておすすめです。

Jamming スクリーンショット

5.Jammingの一網打尽検索オプション