すぐに分かるMacBook Pro導入のメリット

デュアルコア搭載ノートブックの圧倒的な優位性

山本康仁先生

MacBook Proを導入し、電子カルテの開発やITセキュリティ対策の強化を図られている、都立広尾病院/救急診療科医長 山本康仁先生

小児科医でFileMaker Proのパワーユーザであり、日本外来小児科学会電子カルテ検討会開発プロジェクトチームのメンバーとして、FileMaker Proを使った電子カルテの開発に携わっておられる山本康仁先生(都立広尾病院/救急診療科医長)。勤務する病院の小児科医局にIntelプロセッサを搭載したMacBook ProおよびMacBookを導入され、同科の業務の円滑化およびITセキュリティ対策の強化を図られています。そんな山本先生に、昨今、急速に高まりつつある院内のITセキュリティ対策とIntel搭載Mac導入のメリット、そのスムーズな移行のためのポイント、さらにMacBook ProやUniversalアプリケーション版FileMaker Pro 8.5のパフォーマンスの手応えを、お伺いしました。

院内ITセキュリティ対策とIntel搭載Macの導入

昨今、個人情報保護法の下、院内のITセキュリティ対策も急速に進められています。例えば、都立広尾病院小児科医局では今後、個人のコンピュータの持ち込みをやめる方向で調整が行われており、現在は暫定ルールとして個人情報の持ち帰りをしない、持ち帰るとしても匿名性のあるデータに限るという方向になってきています。

個人のコンピュータが持ち込めないとすると、その代わりに医局員が利用するコンピュータが必要になります。山本先生が医局用に選定した機種は、MacBook ProとMacBook。最終的にMacBook Pro 15インチおよび17インチモデル、MacBookの3機種を導入しました。また、導入にあたってのシステム要件として、小児慢性疾患診療支援システムの標準システムとなっているPowerPC G5 2.5GHz Dualと同程度のパフォーマンスを持っていること、セキュリティレベルとユーザビリティ(医局員の使い勝手)の両方が確保できることなどを挙げられています。「こうした要件をすべて満たし、さらにコストパフォーマンス、医局のスペースをうまく利用できるサイズなどまで考慮すると、MacBook Proおよび MacBookを必要に応じて利用するという方法が最適だと判断しました。」

都立広尾病院の同科では、今回初めてMac OS X Serverを利用したネットワークログインによる運用を試験的に導入しました。つまり、医局のスタッフは目の前のパソコンから自身のログインパスワードでサーバ上の自分のホームディレクトリにログイン(ネットワークログイン)、そこで論文作成やメール作業、Webの閲覧などを行います。ネットワークも高速なGigabit Ethernetで構築されており、自分のアプリケーション、ファイルはサーバ上にあるので、Gigabit EthernetをサポートしたどのMacBookからも自分の環境にアクセスでき、利用することが可能です。さらに、個人が作成したデータもサーバ上で管理することが可能なので、高いセキュリティを確保することができます。

また、システムを構築した山本先生はセキュリティの面からコンテンツのフィルタリングはあえて考えていないと言います。その理由について尋ねると、「いずれは個人情報を一括して管理し、必要に応じてお渡しする部門を設ける予定です。その情報がどうやって使われたか追跡するトレーサビリティを担保とすることで個人の責任範囲が明確になりますので、かえってセキュリティレベルは上がると考えています」と説明。逆にフィルタリングして厳しくすればするほどトレーサビリティが落ちてしまうことを危惧しているとのことです。

なお、都立広尾病院では個人情報の保護という観点から、情報セキュリティ委員会を設置。情報を利用する際に必要になる書類のひな形作りや、パソコンの管理方法、倫理委員会に絡む情報提出のプロセスなどを検討中、さらに都立広尾病院を含む東京都立病院は合同で、情報セキュリティの運用ポリシーを策定し運用が始まっています。

Intel搭載Macのファーストインプレッション

小児科の医局では現在、MacBookとMacBook Pro 15インチ、同17インチモデルが導入されています。5台のMacBookにはいずれもセキュリティワイヤ、キーボード、マウス、モニタ(23インチ Apple Cinema HD Display)がセットされ、またすべてのマシンに最初から2GBのメモリが搭載されています。

ここで気になるのが山本先生のMacBook Proのファーストインプレッションですが、「まず、導入に際してMacBook Proで十分に検証を行ないましたが、ノートパソコンとして完成度が高い」と一言。具体的には、Universalアプリケーションは問題なく動作し、ノートパソコンでありながらPowerPC G5 2.7GHz Dualと同等のパフォーマンスがある、メールやWebは圧倒的に動きがスムーズで快適であるといった点を評価されています。

“かつての68KからPowerPCへの移行よりスムーズなトランジションが提供されていると思います。”

意外だったRosettaのパフォーマンス

さらに先生が驚いておられたのは、Rosettaのパフォーマンスです。「当初はエミュレーションに毛が生えた程度と予想していましたが、まるでキャッシュが効き始めるような感じで、パフォーマンスが出るのには驚きました。体感速度で言うと、G5のシングルくらいの感じかもしれません。ユーザインターフェイスの滞りがないのもうれしいですし、計算量が多いと若干オーバーヘッドを感じることはありますが、それ以上にコンピュータの処理速度が速いので、通常使用においてストレスを感じることはほとんどありません。一般的に業務でMicrosoft Officeを使ったり、学会発表用にAdobe Photoshopで画像を切り出して加工したりする程度なら、メモリをきちんと積んでさえいれば、ほとんどパフォーマンス問題にならないと言えるでしょう。そういう意味では、かつての68KからPowerPCへの移行よりスムーズなトランジションが提供されていると思います。また、最近、学会ではポスターセッションが増える傾向があります。そういう意味では、PowerPointにこだわる必要がなく、画像の切り出しや加工がマスクやベジェ曲線に対応し、印刷も柔軟性が増したKeynote 3でセンスのよいポスターが作れます。ぜひ一度、使ってみていただきたいですね」

ユーザ環境のスムーズな移行も可能

従来の機種からIntel搭載Macに変えた場合、ユーザ環境の移行が必要になりますが、山本先生の場合、Macに標準の移行アシスタントを利用したことでスムーズに移行ができたそうです。「もともと移行を想定して使っていたという点もポイント」と先生。「Classic環境は今後、使えなくなることが分かっていましたので、Classic環境に依存している部分を少しずつなくしていきました」。同様のことがプリンタなどの周辺機器に言えるとのこと。そこで、スムーズな移行が行えるためのポイントを挙げていただきました。

  1. Classic環境を使わない
  2. 周辺機器のインターフェイスを標準的なものにする
  3. 特殊なドライバを必要とするものはあまり使わない
  4. 周辺機器は計画的に更新する
  5. PowerPC搭載Macも全部捨てずに残しておく

「まずClassic環境を使わないということですが、私の場合、そもそもClassic環境そのものは最近の利用形態ではセキュリティ的に弱いことからも極力使用しないようにしてきました。そして、周辺機器のインターフェイスを標準的なものにします。例えばスキャナなら、スキャンしたものをPDF化してネットワーク経由で送るようなタイプなら、プラットフォームが大きく変更された場合も汎用性があります。これは3番目の特殊なドライバを必要とする機器はなるべく使わない、という項目にも共通します。そして4番目、周辺機器は計画的に更新する、ですが、その理由は古くなった製品はいろいろな面でサポートされにくいからです。もちろん、場合によっては従来のPowerPC搭載Macでなければ行えない処理があることも想定されます。そういうときのために、古いマシンも全部は捨てずに残しておく必要もあるでしょう。」

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