OsiriXの基本操作マニュアルはWiKiBooks「OsiriXオンライン解説文書」にありますが、ここではWikiBooksでは省略されているOsiriXの使いこなしのポイントとコツを中心に簡単にまとめてみました。また、後半では見やすくインパクトのある3D再構成イメージの作り方を具体的な例をあげて説明しています。なお、用語と具体的な操作手順は日本語化リソースをインストールしたOsiriX2.0をベースに解説しています。
DICOM CDの読み込みDICOM CDはWindows用のビューアが一緒に焼き込まれているケースが多いですが、OsiriXはDICOM規格version 3をサポートしており、OsiriXを利用すればMacでもWindows用DICOMビューアしか焼き込まれていないDICOM CDからDICOMデータを読み込み、閲覧することができます。DICOM CDの特徴はCDをマウントしたときにDICOMDIRというファイルがトップの階層に見えることですが、OsiriXのデフォルト設定ではCDマウント時にDICOM CDであることを自動認識・読み込みするようになっており、DICOM CDからDICOMデータが直接OsiriXのローカルデータベースに登録されます。
WL/WWの変更
OsiriXではあらかじめWL/WWの値がいくつかプリセットされており、2D/3DビューアのツールバーにあるWL/WWメニューからこれらを選択することで、簡単にターゲットの臓器にあわせたWL/WWを設定することができます。また、Optionキーを押しながらビューア上でマウスを上下左右にドラッグすることで、連続的にWL/WW値の変更して、最適なWL/WWを感覚的に探すことができます。
同期(Sync)OsiriXでは、複数スタディの同期(Sync)機能がサポートされています。同期機 能は、例えば術前術後の経過など見たりするのにたいへん便利な機能です。
《操作手順》
- ローカルデータベース上で複数のシリーズを選択し、ツールバーの2Dボタンをクリックします。
- 2Dビューアメニュの「同期」から絶対位置で同期を選択します。
- ツールバーのSyncボタンをクリックします。
匿名化(Anonymise)
OsiriXではDICOMヘッダに記載されている各種患者個人情報を匿名化した上で DICOMファイルとして書き出す匿名化(Anonymize)機能があります。研究 用途や学会発表などでDICOMファイルを取り扱う場合に、個人情報を削除した 状態でDICOMファイルが扱えるので便利な機能です。
《操作手順》
- ファイルメニューから「匿名化する」を選択します。
- 匿名化ダイアログで匿名化したいヘッダ情報にチェックをつけ、代わりとなるダミー情報(または空白のまま)を入力し、書き出しボタンをクリックします。
QT書き出し
OsiriXの大きな特徴のひとつに多彩で柔軟なQuickTime書き出し機能があり、OsiriX以外のほかのユーティリティなどを使う必要がなく、QuickTime VRのオブジェクトムービーも作成することができ、研究や学会発表などの場面でたいへん便利です。
《操作手順》
- 2Dビューアまたは3DビューアのツールバーにあるQuickTime Exportボタン、またはQTVRボタンをクリックします。
見やすくきれいな3D再構成イメージの作成方法
特にボリュームレンダリングで3D再構成をした場合に、ターゲットの臓器や病変部が見やすくかつインパクトのあるイメージをつくるには、ケースバイケースで試行錯誤がある程度必要ですが、イメージングに関連する各パラメータである、WL/WW、CLUT、不透明度(Opacity)、陰影付け(Shading)の関係と効果を理解することで意図したイメージを短時間でつくることが可能になります。画質が悪い、ターゲットが思うように見えない、という場合は、これらのパラメータを変更していくことで、意図したイメージに近づけることができます。
CLUT、不透明度(Opacity)、陰影付け(Shading)の設定とカスタマイズOsiriXではWL/WW, CLUT(Color Look Up Table)、不透明度(Opacity)の各イメージングパラメーターはあらかじめいくつかプリセットされており、2D/3Dビューアのツールバーにあるメニューからこれらを選択することで、簡単に設定を変更することができます。さらにWL/WW, CLUT、不透明度はカスタマイズして追加登録することができるので、同じ部位や病変部に対して1度最適化されたイメージングパラメータを登録しておくことで、次から簡単に見やすくインパクトのあるイメージを簡単に作ることができます。
設定方法の具体例(東京大学医科学研究所 山本修司先生監修)ここでは、具体的な例でOsiriXでの3次元再構成の際の設定方法をみてみます。(なお、WL/WW、CLUTは右コラムのサンプルplistのものを使用)
【例1】陰影付け(Shading)による筋肉から骨までの色を赤から白にスムーズにかける(このとき、黒(色を抜く)の寄与は少ないので脂肪も赤黒く描出可能)
WL/WW: CT-Abdomen
CLUT: VRred2white(図のように黒->赤->白とスムージングに変える)
不透明度: Logarithmic Inverse
陰影付け: Ambient 0.3, Diffuse 0.8, Specular:0.8, 10.0

【例2】
陰影付け(Shading)による筋肉から骨までの色を赤から白にスムーズにかける(このとき、黒(色を抜く)の寄与は多くして、脂肪を抜きコントラストを強調)
WL/WW: CT-Abdomen
CLUT: VRblackRED(図のように黒->赤->白とスムージングに変える)
不透明度: Logarithmic Inverse
陰影付け: Ambient 0.3, Diffuse 0.8, Specular:0.8,

【例3】
大腸用の陰影付け(Shading)関数は、WL/WWを-15/580など、比較的、脂肪からプラスマイナス300HU程度にWWを広げていく。
WL/WW: ColonAir(-15/580)
CLUT: VRblackRED2(図のように赤->黒->赤->白とスムージングに変える)
不透明度: Logarithmic Inverse
陰影付け: Ambient 0.3, Diffuse 0.8, Specular:0.8, 10.0

【例4】
Non-Shadingは、影がないので、脂肪も適度に描出可能(下図参照)
WL/WW: CT-nonShadingB&R
CLUT: VRblackRED(図のように黒->赤->白とスムージングに変える)
不透明度: Logarithmic Inverse
陰影付け: なし

