手術ビデオのデジタル処理-取り込みから編集、プレゼン、アーカイブまで
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病院や医局などでビデオ編集の手法が確立してくると、元となる手術映像や編集後のビデオの管理が次の課題となってきます。日々増え続ける手術映像をどのように管理し、共有し、有効に2次利用していくかがポイントになります。

また、臨床の現場では手術映像は様々な他の臨床データ(CTやMRIなどの医療画像、患者履歴など)と1元的に扱えるようになることで、その威力を発揮することが容易に予想されます。院内や医局内でネットワークを介して容易に扱える程度のサイズでの管理が可能になることは、日々の臨床業務をさらに効率化させることと思います。

映像のエンコードの作業自体は人手を介さないコンピュータによる集中作業になるので、一連のビデオ活用の流れの中で、なるべく自動化し効率よく行うことにより、日々の業務の中で負担をかけずにビデオの活用を実践することを可能にします。

そこで、ビデオ活用のワークフローを考える際にひとつのソーリューションとなるのが、アップルのプロ向け映像アプリケーションに付属するビデオの圧縮処理専用のアプリケーションの最新版、Compressor 2の活用です。

Compressor 2は、MPEG1から最新のH.264まで、非常に豊富な圧縮形式をサポートします。そのため、環境や目的に合わせて最適な型式を選び、複数の設定をまとめてバッチ処理で圧縮することができます。

また、iMovie HDでは対応できない、クロッピングやデインターレース(インターレース除去)などの高度なデジタル処理にも対応し、エンコードの際にこれらを同時に処理することが可能です。




DVのビデオフレームの周囲(下や左右)には黒い縁取りが入り、そのままプレゼンスライドに張り込むと、目障りになることがあります。Compressor 2のクロップ機能でこれを切り取ることにより見かけの美しさを向上させることができます。また、素材のノイズはフレーム間圧縮の効率上好ましくなく、圧縮前に適切にプレフィルタリングすることにより良い結果が得られることが知られています。DVのオリジナルデータはインターレースであり、インターレースではないパソコンの画面やプロジェクタへの出力の際に、動きの速い部分や形状の細い部分などにインタレースに起因する櫛状のノイズが目立つことがあります。これらのノイズは圧縮時にデインタレースが行うことで、DVのオリジナルデータより見かけ上きれいに処理することが可能になります。

iMovie HDのみでエンコードまでを行う場合、映像編集が終わってからH.264などに書き出すというフローでした。カット編集にはiMovie HDを利用し、さらにCompressor 2を追加するワークフローを考えると、オリジナルのDV素材をキャプチャ後、編集前にCompressorでクロッピング、デインタレース処理を行い、H.264に書き出した後、iMovie HDに取り込み、編集を行うというフローが考えられます。

もちろん、Compressorでエンコード処理したものをiMovie HDに取り込み、編集・書き出しすると1段階の画質劣化は避けられませんが、それをある程度見込んでCompressor処理を(ソースにもよりますが1〜2Mbpsでエンコード)しておけば、iMovie HDでの編集で十分美しいビデオを作成することができます。

H.264に書き出しておけば、ファイルサイズが非常に小さくなりデータの取り回しなどがより簡単になるので、ハードディスクの余裕がない場合や複数人で資料を作成する場合などにも威力を発揮するワークフローだと言えるでしょう。



Compressor 2 を利用し高画質・高圧縮を追求したワークフロー例

そして、エンコード作業の定型化し、ワークフロー効率を飛躍的にアップさせるCompressorの機能が、ドロップレットです。これは、エンコードに関する細かい設定をアプリケーションとして保存できる機能です。院内や医局であらかじめ最適化しておいた設定をドロップレットアプリケーションとして保存しておくことで、複数のムービーファイルをドラッグ&ドロップするだけで自動的に常に同じ設定で一括でエンコードすることが可能になります。もちろん、学会発表用やカンファレンス用といったように、目的に応じて設定の違う複数のドロップレットを用意することも可能です。

さらに、Compressorの能力が発揮されるのは、ビデオのデジタルアーカイブ環境が整ったときです。ビデオエンコード専用サーバを用意すれば、エンコード作業を1台のサーバに集中させることができます。また、映像の検索も集中的に行えるので情報共有に威力を発揮します。このビデオアーカイブに推奨されるマシンスペックは、デュアル64ビットG5プロセッサを搭載した最新のPower Mac G5などが挙げられます。

なお、山形大学医学部 脳神経外科では、アップルのビデオソリューションを利用して、医療映像デジタルアーカイブシステムを構築し活用しています。合わせてそちらの事例もご覧ください。



前ページ:2.  iMovie HDからH.264に書き出す







Compressor 2のポイント

オプティカルフロー分析による高品質なエンコードが可能

ドラッグ&ドロップによる簡単なバッチ処理設定

エンコードの定型化とエンコードワークフローを実現

豊富なフォーマットやフィルタをサポート
ー  MPEG1からH.264までサポート
ー  デインタレース
ー  クロップ処理

高度なエンコード処理
ー  プログレッシブ変換
ー  分散エンコーディング

バッチ処理
ー  複数のビデオソースの圧縮をバッチ処理
ー  1つのビデオソースに対して複数のエンコード設定をバッチ処理
ー  作業終了時にメールでお知らせ

ドロップレット
ー  設定をアプリケーションにして保存
ー  ワークフローを定型化しシンプルに

アップルのプロビデオ製品に
付属

iMovie HDでキャプチャ後のオリジナルDVファイル

iMovie HDでキャプチャした直後のDVファイルはiMovieプロジェクトファイルの中にクリップごと格納されています。これをDVファイルとして個別に取り出して、QuickTime Playerで閲覧・編集したり、Compressorにかけるには、プロジェクトファイルをControl+クリック>パッケージの内容を表示し、Mediaフォルダの中にある各.dvファイルを取り出します。

Compressor利用の工夫

Compressorによる一連の高度な処理はCPUパワーを要するため、CPUパワーが確保できない場合などは、明らかに使わない部分を含むすべての素材をCompressorにかけるのではなく、必要と思われる周辺だけを(QuickTime Proなどで)荒編集で切り取り、Compressorにかけるといった工夫も有効。






Compressor 2で高画質・高圧縮をする場合の設定例








デインターレースフィルタと
プログレッシブ変換


Compressor 2ではデインタレース処理を行うのに、デインターレースフィルタまたは、フレームコントロールのプログレッシブ変換のどちらか処理することが可能です。

画質にもたらす効果はプログレッシブ変換のほうが高いですがその分、処理に時間がかかるのでエンコードするビデオの量やマシンパフォーマンスにあわせて選択するのが利便的です。