脳神経外科で行われるすべての術中映像をビデオに収め、Macを使って編集して保存・活用している山形大学医学部 脳神経外科。手術例を共有して後進に伝え、患者に質の高い医療を提供するために構築されたシステムが、さらに進化しました。医療関係者のためのビデオアーカイブ&オンデマンドシステムについて、山形大学医学部 脳神経外科に、ふたたびお話を伺いました。

質の高い医療を目指すための映像アーカイブ
山形大学医学部 脳神経外科では、顕微鏡下手術の模様をすべてDVテープに記録しています。記録した映像は、各医師がMac上でiMovie 4Final Cut Pro HDを用いて編集を加え、CompressporでDivXやSorensonなどの形式に圧縮して医局内のサーバに保存します。そして、各医師のコンピュータやカンファンレンスルームでは、これらの映像を自由に見ることができる環境が整えられているのです。このような、ビデオアーカイブ&オンデマンドシステムを構築する理由について、山形大学医学部 脳神経外科では次のように話します。

「手術の映像をアーカイブして活用する直接の目的は、術前・術後の検討です。術前には、以前に手術した患者さんの映像を確認することで、手術の計画を立てることができます。術後には、術中の問題点を再確認したり、手術後の患者さんの症状に問題があるときに、術中の映像を確認することで原因を探るという使い方をします。更に、すべての術中映像をアーカイブすることで、若い先生への教育になるという目的もあります。最終的に目指すところは、よく検討された治療法、うまくプランニングされた手術、患者にとっての良好な治療成績、そして脳神経外科医の育成です」

膨大なデータを支えるXserve G5

前回ご紹介したシステムから大きく進化した点の1つが、データをアーカイブする環境です。アーカイブされた膨大な手術映像の中から目的の映像を、好きなときに素早く見つけ出して利用できるという「オンデマンド性」も重要な要素となっています。前回紹介したシステムでは、データはeMacと外部ストレージに蓄積されていましたが、山形大学医学部 脳神経外科では新たにXserve G5を導入し、増え続けるデータに対応。大容量で、より安全なシステムに改善することができました。

「すべての手術患者のデータが、Xserve G5上に集められています。患者ごとにフォルダを作成し、そこにデータが整理されていますから、学会の準備や論文の図譜作成を行うときも、これらのデータにすぐアクセスすることができます」

山形大学医学部 脳神経外科でXserve G5の導入を決断された理由は、それが大容量のストレージを備えているという点だけではありませんでした。

「いちばんに考えたのは、データ保全です。Xserve G5なら内部に複数のHDDを搭載してRAIDとして使い、1台のHDDが故障してもホットスワップで復旧することが可能です。そして、ネットワークが強力なことも重視しました。2基のギガビットEthernetは、大量かつサイズの大きなデータをやり取りするには必須ですし、将来の拡張性ということを考えてもメリットがあります。また、Xserve G5はFireWire 800を2基、FireWire 400を1基搭載しています。このFireWireを使って、ギガビットEthernetを搭載しないeMacとXserve G5の間をTCP/IP over FireWireで接続し、圧縮前のDVデータのやり取りなどを行っています」
片倉先生がXserve G5を選んだ理由



タッチパネル式スクリーンでインタラクティブな検討会を実施






タッチパネル式スクリーンでインタラクティブな検討会を実施








Compressor
Compresspor
は、QuickTimeがサポートする様々なコーデックでビデオを圧縮し、書き出すためのツールです。DivXなどのコーデックを、QuickTimeのコンポーネントとして後から追加するともできます。ノイズ除去、デインターレースなど各種フィルタの設定、エンコード設定などは、プリセット化しておくことが可能。大量のムービーを圧縮する際には、Compressorでバッチ処理を行うと便利です。

Xserve G5

Xserve G5は、ラックマウント環境に最適化されたサーバマシン。シングルあるいはデュアル2.0GHzのG5プロセッサを搭載し、最大750GBの内蔵ストレージを搭載することが可能です。内部に複数のHDDを搭載することで、RAIDにも対応します。そして、2基のFireWire 800ポート、1基のFireWire 400ポート、2基のギガビットEthernetポートを備え、優れた拡張性とネットワーク性能を実現しています。オペレーティングシステムは、先進性と堅牢性が特徴のMac OS X Server v10.3を採用し、Macはもちろん、WindowsやUNIXなどの環境からも利用できます。

Xserve RAID

Xserve RAIDは、Xserve G5同様にMac OS X Server v10.3を搭載するサーバハードウェアです。ホットプラグに対応したApple Drive Moduleを14台まで内蔵可能で、3.5テラバイトという莫大なディスクスペースを生み出します。万が一ディスクが故障しても、データを一切失うこと無くディスクを交換することが可能なため、大量の術中ビデオをアーカイブするといった用途にも最適です。もちろんXserve RAIDも、WindowsやUNIXなどの環境と混在可能です。

TCP/IP over FireWire

周辺機器の接続に活躍するFireWireポートですが、小規模なネットワークの構築にも利用可能です。たとえば、Xserve G5とeMacをFireWireケーブルで接続し、ネットワークの設定を行えば、ギガビットEthernetポートを持たないeMacでも、400Mbpsの転送速度を持つ高速なネットワークに参加できるのです。Apple Remote Desktopを利用して、eMacからXserve上のアプリケーションを操作したり、Xserveに保存された大容量のビデオを直接再生する際などにも有効です。

ストリーミング配信

アーカイブされたビデオに対し、出張先や自宅、もしくは病院内の複数のコンピュータからアクセスしたい場合には、QuickTime Streaming Serverが活躍します。QuickTime Streaming Serverなら、アーカイブされた術中ビデオをインターネットを通じてストリーミング配信することが可能です。ビデオを視聴する側は、コンテンツへのリンクをクリックするだけでビデオを再生できます。





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