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「小説家:京極夏彦がこだわる作品の表現世界」
一歩、足を踏み入れたら、そこは「京極夏彦」ワールドでした。この京極ワールドからまた、新たな作品が生み出されました。表現を追求するためにこれまでとは異なった全く新しい手法によって制作されたものです。それが、「講談社文庫」から出版された「文庫版 絡新婦の理(じょろうぐものことわり)」です。
この作品は、Mac OS Xの「フルDTP」により制作されたものです。初めてのMac OS Xによる文庫本出版の試み、ということを聞きつけて早速取材をさせていただきました。
1. 京極夏彦ワールドを表現する「伝えたい想いをどう表現するか、作品の全ての部分にこだわりたい」

それは漢字とレイアウトの伝達の問題
ひとつに、読みやすさとしてのレイアウト、内容に応じたレイアウト表現の大切さ、という課題があります。
表現者として、文体、単語、漢字、その読みと同じレベルで、字面、行間、改行/改ページやフォントそのものの性質にまで拘泥すべきだろうと感じています。編集やレイアウトは表現内容と無関係だという、テキスト至上主義的なスタイルでは、表現の大切な部分を放棄することになる、と私は考えるからです。
表現力としてのもうひとつのポイントが、文字種の課題です。
ワープロやパソコンで使用できる漢字は非常に少ないという問題があります。これは私に取っては言語道断、信じられない世界で、日本人が使うソフトと思えないというのが正直な感想でした。 従来、私の執筆環境では、ワードプロ専用機を使い、必要な文字は作字するというものでした。今までに600字ぐらい作っています。
しかし、残念なことに、この作字した文字は入稿するときには使えません。紙でゲラ出ししたものでしか伝わらなかったのです。自在にルビがふれないという問題もありました。このようにレイアウトと文字を、印刷工程へどのように伝達するか、を問題として抱えていたわけです。

「文庫版 絡新婦の理」
文庫版「絡新婦の理」

インタビュームービーを見る
インタビュー1:
Mac OS X、待ち望んでいたシステムです。
インタビュー2:
新システムが生み出した副産物
−驚くほどの工期短縮−
インタビュー3:
作家にとってのMac OS Xとは
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京極夏彦ホームページ
大極宮


そしてMac OS X、OpenTypeフォーマットのヒラギノ、Adobe InDesignの登場 −待ち望んでいたシステムです−
いよいよ作家がMac OS Xを中心としたフルDTPへの取り組みをスタート
各社様々な対応をされているようですが、今回、講談社さんと組んだことによって、作家と印刷会社の技術者がダイレクトに話をするという画期的な局面が実現しました。凸版印刷さんに来ていただいて相談したところ、なんと、その技術の方から「いつ作家から声がかかるのかと待っていた」というような喜びの声を聞けたのです。

新システムが生み出した副産物 −驚くほどの工程短縮−
この新システムの場合は、作家からいきなり、印刷を行える状態に組み上がったゲラが出ることになります(次ページの図を参照)。 つまり、このPDFという手法は「InDesign =原稿用紙」として、PDFの完成によってゲラ紙の移動の必要がなく、データのみでできてしまうのです。バイク便さえ不要です。メールに添付するだけで済む、と言うのは実はとっても「画期的」なことなのです。 執筆から印刷までの全体の工期については、驚くほど、縮まりました。出版社側のコストダウンにも大きく貢献したと聞いています。



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