DDCPからインクジェットプリンタ校正へ
セミナーの第2部ではエプソン販売株式会社の協力のもと、カラーマネージメントのエキスパートで数多くの企業でコンサルタント活動の実績を持つ森山隆次氏に、インクジェットプリンタによるプルーフについてご講演いただきました。
今から2年ほど前、トヨタ自動車が雑誌広告の電子入稿を宣言した、いわゆる「トヨタショック」。「トヨタという大企業が経費節減のために動いたことが、今大きな影響を及ぼしている。かつてDTPが出現した頃に匹敵するほどの、大きな変革期と言えるのではないか」と、森山氏は話しました。
「クライアント側が、印刷会社に任せていた金額を、仕組みレベルから本気で考え直し始めました。この背景には、デジタルカメラの採用が進んだことによるワークフローの変化、CTPやオンデマンド印刷の浸透などがあります。印刷基準カラーの導入、ICCプロファイルの運用も具体的な段階に入りました。今カラーマネージメントを導入したいと考えているのは、川上の企業です。デジタルプルーフの一般化は、発注者の意向であると言えるでしょう。」(森山氏)
森山氏は自らのコンサルティング活動の中で「カラーマネージメントに強い関心を持っているのは、発注者とカメラマン。印刷会社は、実はすでに仕組みを持っている。一方で、デザイナーの関心は低い」という印象を抱いているそうです。「カラーマネージメントはデザイナーがやるべき領域なのか」という疑問はありつつも、「実際にカラーマネージメントできるているところは、他社との差別化に成功している。そして数年後には当たり前になるので、差別化するなら今しかない」とも言います。
さて、インクジェットプリンタによるプルーフは、どこまで現実的なものになっているのでしょうか。森山氏は「Mac OS Xやディスプレイ、プリンタ、プロファイル作成ツールといったツールが揃ってきた」と話します。ツールが揃うことでカラーマネージメントが現実のものとなり、そこではじめてインクジェットプリンタでのプルーフも可能となるのです。それが今、現実のものとなったと言えるでしょう。森山氏は、使用するコンピュータについてはMacを推奨しています。先のセッションで小尾が話したのと同様に、OSレベルでカラーマネージメントの仕組みが備わっていること、そしてソフトウェアとハードウェアを同一メーカーが提供することによる高い安定性などをメリットとして挙げました。
平台校正に替わるデジタルプルーフとしてはDDCPが挙げられますが、インクジェットプリンタはDDCPよりも低コストであるというメリットがあります。そして森山氏によれば、品質もDDCPと大差なく、むしろオーバースペックなくらいであると言います。「JMPAカラーで許容範囲とされている色差は、ΔE=6。一方で、エプソンのPX-6500を使用すると、容易にΔE=3.5程度が実現でき、さらに厳しく追い込むことでDDCPと同等レベルも可能だといいます。」そして「インクジェットプリンタが再現できる色域はどんどん広がっているので、例えばパントーン・ヘキサクロームのような多色刷りの時代にも対応できるでしょう」と、森山氏は話しました。
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