計算能力が要求されるデザイナーの仕事
海津ヨシノリ氏による「Mac OS Xのすすめ」の第4回目は、デザイナーの一般的な作業をサポートするだけでなく、アイデアをカタチにする際などにも役立つMac OS X v10.4の付属ツールを紹介。サードパーティ製品よりも効果的な数々のツールの活用テクニックを、デザイナーならではの視点やメリットを盛り込みながら解説します。
トラブルとは無縁のシステム標準ツール
仕事にメインで使用するさまざまなソフトウェアばかりでなく、細かな作業に役立つツール類がないと、仕事全体への支障が出てしまう場合があります。昔、この手のツールはサードパーティ製品による機能拡張に大きく依存していましたが、システムが不安定になることも多く、いつもヒヤヒヤしながら仕事を行っていました。Mac OS Xになってからは、システム標準の機能として搭載するかたちで便利なツールが提供されています。システムの不安定さと操作性の勘違いなどの二次的トラブルから解放されたことで、作業効率は飛躍的に高まりました
Mac OS Xの多機能な「計算機」
【図.1】「計算機」の基本計算機モード(ショートカットキーは「
」+「1」キー)
【図.2】 科学計算機モード(ショートカットキーは「
」+「2」 キー)
【図.3】 プログラマ計算機モード(ショートカットキーは「
」+「3」キー)
意外に思われるかもしれませんが、デザイナーの仕事では計算処理が必要不可欠です。デザインする用紙やパッケージのサイズが判らなくては作業を行うことができませんし、私の場合はビットマップ画像などをレイアウトする際、おおよそのエリアを割り出すために比例の公式を利用することが多いです。例えば高さ55cm、幅90cmのエリアで高さを63cmとすると、幅は何cmになるか? といった場合、「55:90=63:X」 という比例式が成り立ちます。これは「内項の積は外項の積に等しい」という「公式」から、「X=(90×63)÷55≒103」によって約103cmと割り出せます。
簡単な三角関数なども利用していますが、それよりも厄介なのは単位の換算や、ちょっとしたベキ乗計算ではないでしょうか。Mac OS X以前の計算機ツールは単純な処理しかできなかったため、手持ちの簡易電卓を利用していました。しかし、今はすべての作業で、多彩な計算機モードや単位換算機能を備えたMac OS Xの「計算機」を使って処理しています。
Mac OS Xの「計算機」では、入力の順番通りに計算を行う逆ポーランド記法*や、過去に行った計算の履歴表示と編集が可能な「計算記録の表示」なども重宝しています。最近ではデザインに関連する作業のほかに、一般的な原稿執筆や授業用のスライド作成、趣味のお菓子作りのレシピの整理でも計算や単位換算を行うことが多くなりました。ちなみに通貨単位の換算では、インターネットから最新の変換レートをダウンロードして自動更新してくれます。
テンキーと連動した「計算機」の操作に慣れてしまったゆえ、外出先でPowerBookを使うときは少し苦戦しますが、普段のオペレーションはタブレットペンで行っているのでマウスをほとんど使いません。そのため、ペンを握ったままテンキーで計算をしており、昔のように鉛筆を握ってソロバンを使っているような感じに苦笑いしながら仕事を進めています。
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