Final Cut Studioで制作された代表作品のひとつ「探偵事務所5"」。
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ミュージックビデオや映画、CM映像のポストプロダクション業務を行うレスパスビジョン株式会社では、2005年秋にPower Mac G5とFinal Cut Studioを導入した。また、2006年に入ってからはHD制作の増加を見越して、ハードディスク環境を強化するために大容量ストレージシステムのXserve RAIDを採用している。
Final Cut Proがオフライン編集のスタンダードに
レスパスビジョンが自社のスタジオに導入したPowerMac G5とFinal Cut Studioは、オフライン編集とSILICON COLOR社の「FinalTouch」によるカラーコレクション用に運用されている。このほかにも次世代システムやワークフローの検証用に1セット、さらにビデオキャプチャや素材作成用としてiMacも導入した。同社の代表取締役である鈴木仁行氏は、アップル製のハードウェアやFinal Cut Studioといったビデオソリューションの導入について次のように語る。
レスパスビジョン株式会社 代表取締役の鈴木仁行氏。
「音楽の分野でDigidesign社の「ProTools」がMAスタジオになくてはならない存在になったのと同じように、Final Cut Proがオフライン編集においてスタンダードになってきている実感があります。これまでのポストプロダクションは、高価な機材と技術力のあるオペレータをセットにして付加価値を付けて、編集室単位でレンタルすることで運営してきました。しかし、現在はシステムの低価格化も避けられないところです。それならばFinal Cut Proのような低価格のシステムで、どのように付加価値を付けていけるのかトライしようと考えました」(鈴木氏)。
仕上げの作業に最大限の予算を投入したいというクライアントの思惑もあり、あらかじめディレクターがFinal Cut Proでオフライン編集を済ませ、ハードディスクにデータを入れた状態で持ち込まれるケースも増えているという。
「ディレクターやアシスタントディレクターは編集が専門ではなく、オフライン編集はできても、シーケンスの構築やビデオキャプチャのテクニックなど、オンライン編集にすぐに移行するための技術までは持っていません。素材データをすべて持ち込んで当社で再構築して書き出す、あるいはテープのリールナンバーやタイムコードを管理した上でビデオをキャプチャする。こうした手間のかかる作業を請け負うことで、制作をスムーズに行えるようにしています」(鈴木氏)。
Final Cut Proを中心に据えた新システムを視野に入れる
同社がFinal Cut Proをスタジオでのオフライン編集に運用し始めて、半年以上が過ぎている。これまでオフライン編集にも活用していた専用システム「Avid Media Composer」と比べても、まったく遜色のない編集作業が可能になっていることから、オフライン編集のメイン機材を低価格で汎用性の高いFinal Cut ProとPower Mac G5に移行中だという。
「Final Cut ProはHDVなど新しいメディアフォーマットへの対応も早く、HDのデータを扱っていてもレスポンスがいい。スタッフの意識はFinal Cut Proに向かっていますし、稼働率はどんどん高まっています。システムの導入コストが安いので、必要になったら追加で買い足せばいいという手軽さも魅力ですね」(鈴木氏)。
17インチのMacBook ProとFinal Cut Proでのオフライン編集は、機動性の高い作業環境として映像業界で注目されている。
レスパスビジョンに持ち込まれるSD制作のコンサートビデオにおいては、30〜40台のビデオカメラで同時収録するケースも多い。ハイビジョン用のHD制作では、現状10数台のカメラでの同時収録に留まっているものの、HDVカメラでの収録が普及することによって台数は今後増えていくと見られる。そこで同社は、このマルチカメラによる同時収録素材のオフライン編集にFinal Cut Proを活用できるのではないかと検討している。
「現在、Avid Media Composerとともに運用している自社開発のマルチカメラ編集システムは、27台までの同時収録の編集に対応しています。このシステムの次世代版として、Final Cut ProとShake、Xsanをベースにしながら、32台のマルチカメラ同時収録の映像を常にシンクロナイズさせる編集システムの構築も進めております。創業当初から使用しているテープベースのマルチオフライン編集室も、Final Cut Proのマルチオフライン編集室へと変更する予定ですよ」(鈴木氏)。
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