Xsanでワークグループビデオ編集を
 

「ビデオ編集」と呼ばれる作業は多くの作業工程によって構成される一連のワークフローです。素材のキャプチャに始まり、ビデオ編集、タイトル/テロップ作成、ビデオ合成、広義に捉えれば、オーディオマスタリングまでも包括する一連の作業工程がビデオ編集には含まれるのが通常です。

これら全ての作業を1台のシステムで行うのであれば、単に各々の作業に最適なアプリケーションを買い揃えば良いでしょう。現実には、中・大規模の制作現場では多数の人間が介在し、それぞれのスキルを生かして、専門的な作業を分担するのが普通です。このような、一般的なワークグループスタイルを想定する場合、Xsanの導入は最適なワークフローの確立に役立つかもしれません。


キャプチャ/プリント専用システム

Xsanを導入すれば、グループ化するNLEシステム群の機能を均一に揃えるのではなく、求められる機能別にシステム構成することが可能になります。 例えば、素材の取り込み、完成した作品のプリントに特化した、キャプチャ/プリント専用システムを用意することもその一例です。


こうすることによって、高価なVTR関連機材は、このキャプチャ/プリント専用システムにだけ用意すればOKになるのです。多種多様なテープ形状/記録フォーマットが存在するVTRを、複数台のNLEシステムにそれぞれ用意する必要などありません。


ビデオ合成専用システム

さらに、ビデオ合成作業に特化したシステムを用意しても良いでしょう。 例えば、グラフィクスボードのグレードを上げた、8GBのメモリを搭載した、Motion用にチューニングされたPower Mac G5システムなどです。

前回のこの記事で紹介したとおり、Production Suiteの各アプリケーション〜Final Cut Pro HDLiveType、Motion、DVD Studio Pro等は互いに密接に連携しますが、この連係機能は、中継メディアファイルを必要とせず、プロジェクトファイルベースで実現されています。つまりは、この連係機能は、ローカルシステム内に留まらず、SANでグループ化されたシステム間でも有効です。Final Cut Pro HDタイムラインをMotionプロジェクトに書き出す際の参照メディアファイル情報も、システム間で変動することはありません。


NLEシステムの理想的なワークフローを実現

以上のように、様々な機能に特化したシステムをSANでグループ化することにより、単に同じ機能を持ったシステムを並列にするよりも、有効・有益なシステム環境を構築できます。上記のシステム構築例はあくまでも一例で、もっと望ましいシステム構成があり得るかも知れません。

いずれにしても、Final Cut Pro HDを中核とするNLEシステムをXsanで有機的にグループ化することで、ビデオプロダクション/ポストプロダクションの機能を全て1パッケージにしたトータルソリューションを構築することができるのです。もし、今、複数台のNLEシステム導入を検討しているのであれば、それらのマスストレージシステムとして、Xsanの導入も検討してください。ストレージの共有化という技術的な目新しさに留まらない、スマートな映像編集ワークフローを具現化するノンリニアビデオ編集システムの理想型が見つかるはずです。
Pro/Film&Video

Xsanでワークグループビデオ編集を
1: SANとは何か?
2: なぜ、SANなのか? #1
3: なぜ、SANなのか? #2
QuickTimeこのシステムでキャプチャした素材は、QuickTimeムービー形式で共有ボリュームに保存され一元管理されます。QuickTimeムービーは保存された瞬間に、それがあたかもローカルディスクに存在するように、他のSAN接続されたNLEシステムでブラウズ/再生することが可能です。QuickTimeファイルには、素材テープのビデオ/オーディオ実メディア、タイムコード情報が含まれますので、Final Cut Pro HDにインポートして、すぐに具体的な編集作業に取りかかれます。複数のエディタが、複数のシステムで、一斉に編集作業を共同で開始するなどということが、現実に可能となります。
Logic Proもちろん音楽制作用、MA用として、Logic ProをインストールしたシステムをビデオエディティングSANグループに参加させるのも良いでしょう。Final Cut Pro HDでもMA作業は十分可能ですが、Logic Proであればより専門的なオーディオ編集が行えます。Logic ProはFinal Cut Pro XMLデータのインポート/エクスポートにも対応しています。SAN環境の場合、Final Cut Pro HDシーケンスの参照メディアはSANの共有ボリューム上に存在するはずですから、XMLデータのやり取りだけで、Logic Proが元のオーディオメディアファイルを認識できます。