Final Cut Pro HDの「ビデオ処理」の設定と正しいガンマ補正
 
Final Cut Pro HDの自動ガンマ補正機能
シーケンスにRGBソースを組み込む場合、注意しなければならないのが、QuickTimeの自動ガンマ補正機能です。この機能に関して説明をする前に、「ガンマとは何か」について解説する必要があるでしょう。

ガンマとは?
「ガンマ」とは、映像の再生特性を示す数値です。『再生特性曲線の傾斜角をθとするとき、tanθがガンマである』と定義されます。入力レベルの増減につれて出力レベルも正規に追従して増減する状態——入力レベルと出力レベルの関係が1:1のリニアな状態にあるとき、再生特性曲線の傾斜角は45度となり、ガンマは「tan45° = 1」となります。ガンマはシビアなカラーフィルターで、値がちょっと変わっただけでも、イメージに対する見た目に大きな変化が現れます。

世に存在する画像・映像処理デバイスは、個々にガンマを持ちます。例えば、一般的なブラウン管(CRT)ディスプレイの場合、その電気的な特性からガンマは「2.5」となります。このままでは再生される映像のイメージは暗くなり、自然なコントラストも得らません。

図3 オリジナルの入力信号(ガンマ1)
図3 オリジナルの入力信号(ガンマ1)

図4 CRTディスプレイにおける再生映像のイメージとガンマ特性(白線)
図4 CRTディスプレイにおける再生映像のイメージとガンマ特性(白線)

これらを比較して一目瞭然ですが、両者の見た目、印象はあまりにもかけ離れています。この状態を回避して映像の再現性を向上させる——具体的に言えば、ガンマが2.5のディスプレイデバイスで、最終出力映像のガンマが1となるようにするには、あらかじめ入力信号に「1/2.5」を掛ければ良いことになります(2.5 × 1/2.5 = 1)。この事前の調整——再生特性の補正が「ガンマコレクション」です。ガンマコレクションは、異なるディスプレイデバイス間の表示一致性、元の画像の再現性を高めるのに必要な補正手法です。


Macのガンマ
Macは、グラフィック制作を使用目的の一つとして設計されているため、画像・映像の『ディスプレイ上での見た目の再現性を重視』します。過去において、MacのディスプレイデバイスとしてCRTディスプレイが用いられてきましたが、このCRTディスプレイのガンマは先にも示したとおり「2.5」です。ガンマが「2.5」のディスプレイデバイスの使用を前提に、最終的な画像の再現性を向上させるためのテクニックとして、Macでは「1/1.4」のガンマコレクションを施します。

図5 デフォルトガンマコレクション後のイメージとガンマ特性(白線)<入力は図3のイメージ>
図5 デフォルトガンマコレクション後のイメージとガンマ特性(白線)
<入力は図3のイメージ>

2.5 × 1/1.4 ≒ 1.8で、結果ガンマは「1.8」となります。ガンマは理想的な「1」とはなりませんが、ガンマが「2.5」のままの状態よりはガンマが「1.8」に調整された状態の方が、大幅に画像イメージの再現性が向上します。この「1.8」という値がMacのシステムガンマ——Macそのものの画像・映像の再生特性となっています。

今日、Macのディスプレイデバイスと言えば、Cinema DisplayのようなLCDデバイスを利用するのが一般的ですが、過去のCRTディスプレイの使用を前提とする時代から適用されてきた「1/1.4」のガンマコレクション——結果、ガンマが「1.8」になるガンマコレクション)は、今なお伝統的に有効であることに留意すべきでしょう。Mac OS Xの「ディスプレイキャリブレータ」でも「使用するガンマ」(ターゲットガンマ)は「1.8」を指定するのが標準です。

図6 OS X「ディスプレイキャリブレータ」の設定画面
図6 OS X「ディスプレイキャリブレータ」の設定画面



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Pro/Film&Video

Final Cut Pro HDの「ビデオ処理」の設定と正しいガンマ補正
1: Final Cut Pro HDのビデオ処理の設定
2: Final Cut Pro HDの自動ガンマ補正機能 1
3: Final Cut Pro HDの自動ガンマ補正機能 2
ガンマ1.8のガンマ1への補正
ガンマが「1.8」のデバイスに対して、ガンマが「1」になるようにするには、さらに「1/1.8」のガンマコレクションを追加適用します。(1.8 × 1/1.8 = 1)