Final Cut Pro HDによるノンリニアビデオ編集システムの構築
 

どのようなキャプチャ方法を採っても、作成されるメディアファイルはQuickTimeムービーとなります。1回のキャプチャに対し1つのQuickTimeファイルが作成されるのが基本で、作成されたQuickTimeファイルの中にビデオ、オーディオ、タイムコード情報が含まれています。つまりキャプチャ時に作成されたQuickTimeファイルは、いわば『素材テープの生き写し』といえるのです。

先例のように、HDビデオをDV25でキャプチャしてPowerBook G4に渡すようなケースでは、特別な手続きを必要とせず、単純なファイルコピーでメタデータ(元の素材テープのタイムコード情報やテープ番号)とメディアデータを一括して移植できます。他社のノンリニアビデオ編集システムの多くは、メタデータとメディアデータを分離して保存するため、別のシステムにデータを移植する際に複雑な操作を行わなければなりませんが、Final Cut Pro HDなら人間の思考とマッチした感覚的な操作で、実に簡単にメタ/メディアデータを他のシステムへ転送できるのです。

さらに、Final Cut Pro HDのキャプチャ操作で作成されたQuickTimeムービーは、最新版のQuickTimeコンポーネントがインストールされているシステムであれば、Final Cut Pro HDがインストールされていないMac、さらにはWindows PCであってもを開いて内容を確認し、再生できます。(注2)

Final Cut Pro HDでキャプチャしたメディアファイルがQuickTimeネイティブであることは、アップルのプロ向け映像アプリケーションであるMotionShakeはもちろん、他社のモーショングラフィクス、ビデオコンポジション、3DCGアプリケーションを利用する場合にも威力を発揮します。Windows版を含み、大抵のビデオ/CG系のアプリケーションはQuickTimeをサポートしています。今日のQuickTimeは『映像製作ワークフローにおけるPostScriptのようなもの』との評価があるぐらい絶対的なものです。キャプチャしたビデオクリップに対し特殊効果を施したり、ビデオクリップを使用して合成を行うような場合、他社のノンリニアビデオ編集システムにありがちな面倒な手続きと、それに伴う待ち時間 ── 特別なコマンドを使用してメディアファイルを変換することなどは、一切不要です。外部アプリケーションでQuickTimeムービーを直接開き、加工/合成後、適切なQuickTime形式でレンダリングすれば、そのできあがったムービーファイルは、Final Cut Pro HD上でそのまま再生できます。アプリケーションを渡り歩くのに、いちいちエクスポート/インポート操作する手間も時間も必要ないのです。
Pro/Film&Video

Final Cut Pro HDによるノンリニアビデオ編集システムの構築
1: Final Cut Pro HDの2つのキャプチャ機能
2: コンバート&キャプチャ、ダウンコンバート&キャプチャ機能
3: QuickTimeベースであることの効用
注2: DVCPRO 50(DV50)形式、8/10ビット非圧縮形式、DVCPRO HD(DV100)形式のQuickTimeムービーは、QuickTimeがインストールされているWindows PCでも再生できません。

Mac OS Xで8/10ビット非圧縮形式、DVCPRO HD(DV100)形式のQuickTimeムービーをデコードするには、Final Cut Pro HD、またはMotionのインストールが必要です。

8/10ビット非圧縮形式のQuickTimeムービーは、Mac/Win共に、BlackMagic Design社が無償供給しているユニバーサルソフトウェアコーデックを追加インストールすることで取り扱うことが可能です。