株式会社ボンズ:
アニメ制作現場でのXserveの重要性

「交響詩篇 エウレカセブン」や「鋼の錬金術師」といった人気のテレビアニメーションシリーズをはじめ、劇場用長編作品やOVAの企画・制作を手がけている株式会社ボンズ。2006年10月からは、原作から作画、製作まで携わるオリジナル作品「天保異聞 妖奇士(あやかしあやし)」の放映がMBS・TBS系全国ネットでスタートする。現在のアニメーション業界で最も注目を集めている同社が、制作スタジオの基盤となるサーバ環境に選んだのがアップルのXserveとXserve RAIDだ。

マルチクライアント環境で安定運用できるXserve

ボンズが所有する3つの制作スタジオのなかで最大規模を誇るBスタジオでは、アニメーション制作における膨大な資料や素材データ、コンポジットムービーなどを保存/管理/運用するためのファイルサーバとして、2006年5月にXserve G5とストレージ容量が3.5テラバイトのXserve RAIDを導入した。アップルのサーバシステムを会社に提案し、システム管理も担当しているプロデューサーの武井良幸氏は導入の経緯をこう語る。

「テレビシリーズの場合、2クール(半年間)で26本の作品が完成しますが、1本でペイントデータや背景データは各5ギガバイト以上、ムービーデータは20ギガバイト以上にもなります。すべてのデータを保存しておくためには、大容量のファイルサーバが必須でした」。

アニメーション作品は企画の立案にはじまり、シナリオ作り、絵コンテ作成、原画、動画、トレース、ペイント、背景やエフェクトのコンポジット、編集、セリフ入れ、効果音や音楽の収録など、さまざまな工程を経て完成する。制作会社であるボンズではその全工程が管理されており、社内スタッフや他社にて作成された多種多様なデジタルデータがすべてXserve RAIDに収められ、随時、読み出しと修正を行えるようにシステムが構築されている。

Xserve & Xserve RAID

「社内スタッフの作業用に、アニメーション制作ソフトの『RETAS!PRO』シリーズや、Adobe After Effects、Adobe PhotoshopなどをMacとWindowsの両環境で使っています。Xserveを選んだのは、MacとWindowsが混在したクライアント環境でも問題なく使えるサーバであり、社内のLAN接続と外部からのFTP転送を同時に行うような高負荷の状況にも耐えられることが一番のポイントでした」。

Xserve RAIDは高負荷時でもスピードが確保できる

制作フローにおいてデジタルデータを扱うのは、主にトレース以降の作業だ。テレビシリーズ1本で約300カット分のトレースやペイントの連番ファイル、背景画像ファイル、コンポジットムービーなどが頻繁に読み書きされる必要が生じる。Bスタジオを従来のWindowsサーバからXserveに置き換えた理由としては、大容量データの転送やファイルアクセスの負荷に耐えられる性能を求めた結果も大きい。

「最近では、大容量のネットワーク対応ハードディスクも安価で手に入ります。容量と価格だけを優先するなら、サーバ環境であるXserveを導入する必要はないでしょう。しかし、大量の連番ファイルやムービーを扱い、多人数が同時にアクセスするようなアニメーション制作の現場では、アクセスの負荷に耐えられ、ディスクトラブルの少ない共有環境が必要不可欠です。クライアント数が無制限であり、ディスク容量やアクセス性能、ネットワーク上でのスピードも確保できるXserveとXserve RAIDは、非常にコストパフォーマンスに優れたシステムだと思いました」。

作品の制作が佳境に入ってくると、常時20人以上がサーバにアクセスして作業するという。ギガバイト単位のデータをコピーをしながら、カットあたり数十枚になる連番ファイルを一枚一枚表示して検査するなど、複数のスタッフがサーバ上のファイルに常にアクセスをしている状態が続く。

「例えば、Targaの連番ファイルを切り替えながら比較するペイントデータの検査は、テレビ作品でも4千〜5千枚、劇場作品になると数万枚のファイルを確認しなくてはなりません。ファイルアクセスの負荷が増えて読み出しが遅れると表示も遅くなるため、作業は滞ってしまいますが、Xserve RAIDを導入してからは待たされるケースはなくなりました。速度的にも満足しています」。

ボンズではXserveとXserve RAIDの導入にあたり、Apple Store for Businessでの電話購入を選択している。オーダーから納品までの期間が短いApple Store for Businessなら、新しいワークフローへとスピーディに移行することが可能だ。専任スタッフによる電話サポートも利用できるため、サーバの設置や運用も問題なく行える。

なお、撮影スタジオにも同様のサーバ環境を導入し、その他の制作スタジオではPower Mac G5とMac OS X Serverを組み合わせたファイルサーバを構築している。サーバアプリケーションのMac OS X ServerがGUI中心の操作で、管理面の負担が軽減できることも、社内の全システムを管理する武井氏にとっては大きなメリットだと言う。

 
 
 
 
 

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