株式会社ボンズ:
アニメ制作現場でのXserveの重要性

ラッシュ試写や最終確認にFinal Cut Proを活用

ボンズではXserveとXserve RAIDの導入に合わせて、Power Mac G5を制作スタジオに導入した。Xserve RAIDに保存している制作過程のデータを、Power Mac G5上で動作するFinal Cut Proに直接読み込んで編集し、HD対応のビデオカードを通じてハイビジョンディスプレイに出力。リアルタイムにコントロールしながら作品のチェックを行っている。

「スタジオでは以前から、ラッシュ試写用のソフトウェアとしてFinal Cut Proを活用していました。試写は、工程管理をしている制作進行さんたちが行っていますが、普段こういったデジタルツールを扱い慣れていなくても問題ないようです。やはりFinal Cut Proのインターフェイスが使いやすいですね。ラッシュ試写のほかにも、オープニングやエンディング映像、番組宣伝用のショートムービーや、再編集版の作成などに活用しています」。

通常の映像スタジオの作業では、おおよそのカットの並びを決めるオフライン編集、作り込みを行うオンライン編集、エフェクトやディゾルブ、タイトルなどを入れて仕上げるフィニッシングといった流れになっている。一方、アニメーションでは、あらかじめカットやシーンを決めてから制作しているため、カットナンバー順に素材をFinal Cut Proに読み込んだ時点で、フィニッシングに近い状況となっているのが特徴だ。また、MacとWindowsが混在する制作環境だが、キャラクター部分に関してはRGBの数値で指定された色のみを使っているため、プラットフォームの違いについても問題にならないという。

Final Cut Pro

「通常、編集作業は専門の会社にお願いしていますが、Final Cut Proで納品用素材を編集し、最終的なムービーファイルとして書き出すケースもありますよ。このムービーファイルをポストプロに持ち込んで、MA作業とテープ書き出しを行って納品するといったように、Final Cut Proで編集部分をほぼ終えるような使い方もしています」。

豊富な対応フォーマットが柔軟な作業を可能にする

素材となるデータは、納品用の書き出しに使用するD1サイズ(720×480ピクセル)の縦横2倍を基本にして制作している。これは、コンポジットにおける拡大/縮小の利用や、線画の滑らかさを活かし切ることを考慮しているからだという。ペイント、背景データはコンポジットを行う専門の会社や社内コンポジットスタッフに送られ、Adobe After Effectsで作業が行われる。キャラクターと背景の合成、エフェクトの追加といったコンポジット作業でカットごとの非圧縮ムービーが作成されて、Xserve RAIDへ送り返される。この非圧縮ムービーファイルを、Final Cut Proに読み込むことでシーンが構成されていく。

「QuickTimeがベースとなっているFinal Cut Proは、対応するムービーフォーマットが多いのも利点でしょう。テレビシリーズだけでなく、劇場版の長編作品やゲーム用のアニメーションも制作しているため、扱う作品によってムービーのフォーマットが異なる場合もあるんです。こうした状況でも、Final Cut Proであれば問題なく対応できるので助かります」。

現在ではハイビジョンアニメ番組の要望も出始めているが、アニメーション制作におていはもう少し時間がかかりそうだと武井氏は語る。「720pである1280×720ピクセルでテストしましたが、そこから素材を縦横2倍に設定すると、映画にも使えるような2Kサイズになってしまう。Final Cut Proで扱うことは可能ですが、それだけの大きさのペイントや背景データを作成してもらうとなると、コスト面での課題やファイルサイズの問題も発生します。これから来春予定の劇場用作品やテレビシリーズの制作に向けて、現在のXserve環境とFinal Cut Proを活用しながら、全体的なワークフローについてじっくり試行錯誤するつもりです」。

日本のアニメーション業界をリードする気鋭の制作スタジオ、ボンズ。アップルのサーバシステム/映像ソリューションが活躍する場を広げながら、世界に通じるハイクオリティな作品を創り出す同社の挑戦はこれからも続いていく。

 
 
 
 
 

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