毎日放送: 放送局の意思を実現するXsan

MAのデジタルデータもXsanで管理

毎日放送では、既に10年前からMA部門のデジタル化を推進。MacとPro Toolsの組み合わせによる音声編集が行われていた。そして、2006年からはMBSスタジオ in USJにおいて、Xsanのシステムの中にMA(Multi Audio)機能も組み込まれることになった。

株式会社毎日放送 技術局 制作技術センター 副部長 大川 宏明氏

「とにかくデータのやり取りが速くなりました。それはもう各駅停車と特急くらい違います」と、技術局で音声技術を担当する大川宏明氏は感想を述べる。

これまでは、メディアコンポーザーからデータを出力、外付ハードディスクをMA制作室に持ち込み、そこで別の外付ハードディスクにコピーをして作業をしていた。しかし現在は、XsanとMA制作室のPro ToolsとはギガビットEthernetで直結されているため、外付ハードディスクを持ち運ぶ手間がかからない。データはFinal Cut Proからの音声データ(OMF Audio)のエクスポート1回で済む上に、コピーにかかる時間も劇的に短縮される。ファイルサーバの容量を大きく確保できたこともメリットだと言う。また、Xsanはボリュームの一部を一般的なファイル共有サービス経由で再共有(SAN-NASブリッジ)させることができるため、Pro Toolsのような非Xsanクライアントとの相互データのやり取りもスムーズに行える。

「音声もデータで貰えるので、編集点が探しやすいし、時間軸を変えたり、コピー&ペーストしたりといった作業が楽なのが良いですね。あとプラグインが使えるから、例えば、今までだと一度コンソールに音を送って、そこでエフェクトをかけて、また1チャンネルつぶしてリターンをもらって、といった流れ作業が必要だったんですが、Pro Toolsならソフトウェアでエフェクトがかけられるので一度で済みます。ありとあらゆる場面で効率が全然違います」と大川氏。

他にも、Final Cut Pro上でディレクターが音声レベルを上げ下げした部分をMA側でより細かく微調整したり、カメラが切り替わる場所などで音声が急になくなるということがないようにMA側でクロスフェードするといった処理も可能。編集履歴を含む音声データであれば、ソースオーディオとレベル情報を個別に扱うことができ、映像編集で使用された音声以外のマージン領域も含むことができる。毎日放送では、字幕スーパーが少ない番組に関しては、音声編集や字幕も含めて完全テープレスでの処理が可能である。

「後は、本社ともネットワーク経由で繋がるので、どちらでも作業ができたり、本社で作ったデータを、MBSスタジオ in USJでミックスしたりといったことができるようになります。それで、また可能性が広がりそうです」と大川氏。

ユーザごとの作業環境を集中管理して安全性と効率をアップ

MBSスタジオ in USJでは、ディレクターやADからMA担当に至るまで、様々なスタッフが、映像素材のファイルにアクセスする。それがXsanのメリットだが、同時に大事なファイルが常に捨てられたり、勝手に改変されたりといった危険にさらされている。そこで、Mac OS X ServerのOpenDirectoryサービスを積極的に利用し、ユーザアカウントごとにアクセス権などを細かく設定。リードオンリーのユーザ、ライトも可能なユーザと権限を定めている。モバイルホームディレクトリの仕組みを応用し、各端末間でユーザ環境設定の同期も行われるようになっている。

「そうすることで、自分のアカウントでログインすれば、どのマシンからでも自分の作業環境で使用できるわけです。これはMac OS X Serverの機能ですね。Final Cut Proなどのアプリケーションのプラットフォームとして、使う側の環境をカスタマイズできるOSが用意されているのがアップルの良いところだと思うんです」と、高田氏はアップルの総合力の魅力を語る。こうしたXsanを含むシステム全体の調整・施工が、試行錯誤の上にも安定稼働を果たした背景には、Apple Solution Expertsのパートナー企業の協力があった。

Xsanの導入においては、他にもメリットが数多く、例えば、かつて使用していた他社のノンリニア編集機をFinal Cut Proに入れ替えることで、それまで周辺機器で雑然としていた室内が驚くほどシンプルになったと言う。その省スペース性と、それでいて機能は大幅に向上するという事実は、高田氏にとっても衝撃だったそうだ。システムラック室にXserveやXserve RAIDを集中配備し、実際の編集を行うクライアントマシンはラック室から離れた別の部屋に配置しているため、編集室は静粛性の高い理想的な環境になっている。「実は別のスタジオフロアからでさえも、ネットワーク経由でXsanシステム全体の監視や制御はできるようになっています。しかも、編集室はご覧のように非常に静かなので編集作業に没頭できます。この恵まれた環境はMBSスタジオ in USJならではです」と高田氏。

また、HD画質でのマルチカメラの映像を、オンライン画質のままマルチカメラ編集できるFinal Cut Proのパフォーマンスについては、ディレクター陣の誰もが驚いたと言う。4台から5台のHDカメラ映像をマルチクリップ化して番組編集するスタイルが、今ではすっかり定着している。過去にはまったく考えられなかったことだと言う。

「後は、本社、MBSスタジオ in USJ、さらに東京支社もXsanで繋いでしまえば、さらにおもしろいことができるでしょう。本社とMBSスタジオ in USJ間の接続は、既に実証段階に入りました。それとライブキャプチャですね。最新のライブキャプチャ製品では、オンラインメディアの生成と同時にプロキシデータも生成することができるので、それが実稼働すれば、各ディレクターにMacBook Proを持たせて、尺を合わせる程度の編集は場所を問わずどこででも行えるようになります。以前、ドラマのタイトルを東京で制作、編集を大阪でやりました。その時も映像の内容をすぐに実映像として確認できるQuickTimeの柔軟性に助けられたのですが、この方向性で突き進めば、東京と大阪で並行して1本のドラマを作ることも不可能ではありませんね。今は、できることから順番に少しずつ手を広げていったら、いつの間にか便利で使えるシステムが構築できていたという感じなので、今後もそれを続けていきたいと考えています(高田氏)」。

 
 
 
 
 

one to one

one to one

専任トレーナーと、お好きなトピックを、あなたのペースで。One to Oneプログラムなら、アップル製品についてさらに深く、もっと速く学べます。

 
さらに詳しく

製品を購入する

オンラインのApple Storeでは24時間いつでも購入できます。電話での購入はフリーダイヤル0120-27753-1まで。