Spooky graphic:
デザインチームによるアニメ制作の新機軸

今やワールドワイドで認知されている日本製のアニメーション。Spooky graphicは、クリエイター中心の新しい制作スタイルや活動形態を模索し、独自のポジションからアニメーション作品の発信を試みている気鋭のデザインチームだ。オリジナルアニメーション『Pooky's』と、キャラクターデザインなどメインビジュアルの制作を支えるMacについて、主要メンバーの3人にお話を伺った。

世界に向けて創作するキャラクターアニメーション

「Spooky graphicを一言で表すなら、デザイン制作会社でも映像制作会社でもなく、『デザインチーム』という言葉がピッタリだと思います」。

こう話すのは、Spooky graphicでディレクターを担当するハヤシヒロミ氏。2004年5月に発足したSpooky graphicは、映像、デザイン、Webといった異なるジャンルで活動するプロのクリエイターが集合したチームだ。アニメーション制作が中心の活動体としては珍しいメンバー構成と言えるが、「キャラクターデザイン、絵コンテ、アニメーション、DTPのデザイン制作など、それぞれ得意とするジャンルごとに仕事を効率よく分担できる」と、複数のクリエイターがチームとして合流し、会社として機能することのメリットをハヤシ氏は述べる。

多才な人材が集結したSpooky graphicだが、その活動をスタートするきっかけとなり、こだわりを持ち続けているのが「オリジナルのコンテンツ」と「キャラクターアニメーション」だ。「映像とグラフィックス、キャラクターデザイン、Webをメディアミックスしたコンテンツを作りたかったんです」(ハヤシ氏)。デザインチームとして発足後、各々の分野での活動と平行しながら、2005年3月に開催されたアニメーション見本市にSpooky graphicとして初の作品を出展。好評を得たのを機に、活動の基盤をオリジナル作品の制作へと徐々にシフトしていった。

多種多才の人材が集結したSpooky graphic

現在、Spooky graphicが最優先プロジェクトとして取り組んでいる『Pooky's(プーキーズ)』は、個性的なオバケのキャラクターが繰り広げる、笑いあり感動ありのキッズ向けオリジナルCGアニメーション。この作品は、アニメイノベーション東京が運営する個人や中小制作会社のクリエイターを対象としたアニメーション制作支援事業、「動画革命東京」の第1期支援作品として制作されている。動画革命東京は、有能なクリエイターと共同でLLP(有限責任事業組合)を設立し、パイロット版映像の制作をバックアップ/プロデュースするプロジェクトだ。完成したパイロット版を足掛かりに、インターネットでの配信やDVDなどのパッケージ流通のほか、国内外の映画祭への出展やフィルムマーケットに向けたプロモーションまでを視野に入れる。

コンテンツのメインビジュアルはMacで制作

ハロウィンのオバケから発想されたというPooky'sのキャラクターは、日本国内よりも、むしろ海外で受け入れられる可能性を秘めている。そのため作品中のセリフは全編英語で収録し、パンフレットなど宣伝用資料のテキストも英語での表記をメインに制作。米国のキッズ向けチャンネルやアニメーション専門チャンネルなど、海外マーケットに照準を合わせたプロモーション展開を計画中という。

そんなPooky'sで最も重要となるキャラクターは、すべてMacで制作されている。Spooky graphicでキャラクターデザインを担当する梅北稔博氏は、Intel Core 2 Duoプロセッサを搭載した最新のiMacを使用。手描きは一切せず、Adobe Illustrator CS2とペンタブレットでPooky'sに登場するキャラクターをデザインしている。また、一部の動画パートの制作でもMacが使用されており、Adobe Flash Professionalと連携したキャラクターアニメーションも梅北氏が担当する。

梅北稔博氏は、Intel Core 2 Duoプロセッサを搭載した最新のiMacを使用

ポップなキャラクターと好対照なのが、アートディレクターのフジサワトミオ氏によるダークでワイルドな背景デザインだ。Pooky'sの世界観を表現する舞台設定として欠かせない要素だが、こちらはPower Mac G5とApple Cinema Display、アプリケーションはAdobe Photoshop CS2、同Illustrator CS2が主な制作環境となっている。Spooky graphicに参加する以前、デザイン制作会社を経てフリーランスのデザイナーとして活動していたフジサワ氏は、Pooky'sのパンフレットなど印刷物の制作も担当。クリエイターの持ち味をMacでミックスしながらイメージを広げ、これにハヤシ氏の演出を加えてPooky'sはひとつの作品となっていく。

Macでのキャラクターデザインについて、梅北氏は次のように語る。「Macのビジュアルやインターフェイスになじんでいるので、制作では手放せませんね。それにMac OS Xはシステムが安定していて、作業中に突然フリーズしたり、エラーが起きてデータが一瞬で消えることもありません。ひとつのキャラクターを何時間もかけて制作するのですが、Macなら安心して作業に集中できるし、創作のモチベーションも上がります」。

 
 
 
 
 

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