WOW: 未来につながるオリジナリティ

テレビコマーシャルなどの映像制作を中心としたクライアントワークと、アーティスト活動としてのオリジナルワーク。この2つをクリエイティビティ溢れる表現で両立している映像プロダクション、それがWOW(ワウ)だ。映像制作に軸足を置きつつ、メディアアートをはじめとする幅広い表現の領域で際立った存在感を放つWOWに、オリジナルワークへのこだわりや制作を支えるMacについてお話を伺った。

仕事とは違うアイデアをオリジナル作品で発信

2007年、設立10周年を記念するアートブック「WOW10」をリリースした映像プロダクションのWOW(ワウ株式会社)。同年9月にはイギリス・ロンドンでWOW10をテーマにしたエキシビションを開催して、映像はもとよりアートのジャンルでも好評を博している。2008年にはロンドンに海外での窓口となるオフィスの開設を予定し、ワールドワイドな活躍を期待されているが、そのルーツは現在の拠点となっている東京ではなく宮城県仙台市。東北地方におけるアート活動の中心であり、美術や映像文化の拠点「せんだいメディアテーク」に代表されるように国内外のアートシーンからも常に注目されている都市で、WOWは1997年にその活動をスタートした。

WOW代表取締役/プロデューサーの高橋裕士氏

「初めは地元企業のテレビコマーシャルやマルチメディアコンテンツの制作を手がけていたんですけど、そのうち依頼された仕事とは関係ない映像作品も作り始めるようになったんです」と語るのは、WOWの代表取締役でありプロデューサーを務める高橋裕士氏。この『課外活動』とも言えるオリジナルワークこそ、WOWが普通の映像制作会社とは大きく異なるポイントだろう。そして設立から2年後の1999年、初のオリジナル作品となる「Passage」を発表。映像プロダクションに加え、アーティストとしての活動も展開していくことになる。

オリジナル作品の制作に至った理由を、ビジュアル・アートディレクターの鹿野 護氏はこう述べている。「クライアントワークを続けていると、良くも悪くも、自分が本当に作りたい作品や表現に対する欲求が高まってくるんです。それをオリジナル作品として発散することで、バランスが取れるんじゃないかと思いました」。最初の作品を制作・発表することで「スタッフの意識が変わり始めたし、WOWとしての転換期にもなった」という実感を高橋氏は得たと言う。こうしてWOWではテレビコマーシャルのディレクション、ビジュアルプロデュース、CG制作といったクライアントワークを手がけながら、ほぼ1年1作品のペースでショートフィルムなどのオリジナルワークを制作し、仕事とは違ったアプローチで独自の映像表現を発信している。

クライアントワークとアーティスト活動の相乗効果

2000年からは仙台のほか、東京にもオフィスを構えて活動しているWOWは、映像プロダクションとして携わってきたクライアントワークでの実績も錚々たるもの。最近の代表的な仕事では、「Coke + iTunes」キャンペーンや住友林業株式会社などのテレビコマーシャルが挙げられる。「CMの仕事ではCGワークの部分だけを担当する場合もあれば、企画やアートディレクションの段階から関わるケースもありますよ」と説明するのは、クリエイティブ・ディレクターの於保浩介氏。

こうしてクライアントワークに取り組みながら、アーティストとしてオリジナルの作品を意欲的に展開していくのが、WOWを特徴づける活動スタイルと言える。しかし、クライアントワークとオリジナルワーク、双方のプロジェクトを同時に進めていくには、相当の努力と体力を要することも想像に難くない。

「確かにクライアントワークとオリジナル作品の制作が並行する時は、スケジュール的にも肉体的にも厳しいですね。ただ、仕事以外での可能性や人とのつながりを捨てたくないんですよ」と高橋氏。実際に於保氏はWOWに参加したきっかけを「オリジナルワークの制作を外部から見ていて、一緒に仕事をしたいと思ったから」と言い、「多くのクライアントがオリジナル作品でWOWを評価してくださり、それが結果的には仕事の依頼にもつながっているんです」と副次的な効果についても分析している。

さらに「単純に好きなことだけやっていても、技術力は向上しないんですよ。クライアントワークでの経験や鍛えられた技術は自分たちの作品にフィードバックできるし、オリジナル作品のアイデアをクライアントワークに活かすこともあるんです」と鹿野氏。WOWが手がけたテレビコマーシャルの映像にはオリジナル作品で披露した手法が見え隠れしているし、オリジナルワークから着想を得て、より完成度の高い映像に仕上がったケースもあるという。「クライアントワークとオリジナルワークが相互に作用するという好循環が、ここ数年で順調に回り始めました」(高橋氏)。

3DCGの制作環境をWindowsからMacへ移行

WOWではクライアントワーク、オリジナルワークともに映像制作が作業の中心となる。現在、仙台にあるスタジオでは、すべての3DCG制作環境を従来のWindowsワークステーションからIntel Xeonプロセッサを搭載した8コアMac Proへと完全に移行しており、東京・渋谷のオフィスでも稼働中のワークステーションの半数がMac Proだ。合計15台のMac Proを30インチのApple Cinema HD Displayと組み合わせ、映像制作には欠かせない高精彩かつ広大なワークスペースを実現している。

WindowsワークステーションからMac ProへとCG制作環境を切り替えた理由について鹿野氏は「HD(ハイディフィニション)での制作に対応。速くて安定し、デザインがいい」という前提のもと、「一昔前なら3DCGでMacというのは珍しかったかもしれませんが、CGワークでメインに使っている『CINEMA 4D』などのアプリケーションにはMac版もありますし、スタッフの意見も踏まえてMac Proを選択しました」と述べている。

クリエイティブディレクターの於保浩介氏(左)と、ビジュアル・アートディレクターの鹿野 護氏(右)。

 
 
 
 

one to one

one to one

専任トレーナーと、お好きなトピックを、あなたのペースで。One to Oneプログラムなら、アップル製品についてさらに深く、もっと速く学べます。

 
さらに詳しく

製品を購入する

Apple Online Storeでは24時間いつでも購入できます。電話での購入はフリーダイヤル0120-993-993まで。