赤羽紀久生【連載】フルデジタルワークフロー入門:第2回

感覚的で生産性の高い制作環境

ディスプレイで簡単に行えるカラーマネージメント

カラーマネージメントを実行するためには、専用のツールを購入して、手間のかかる作業が必要だと思っていませんか? 確かに、精度を高く求めるなら、カラーマネージメントツールと言われる測色機や専用アプリケーションで調整する必要があります。しかし作業を行う上では、ある程度は色が合っていればいいというケースも少なくありません。そうした場合には、Mac OS X標準の「ディスプレイキャリブレータ・アシスタント」を利用すると、簡単にディスプレイの表示カラーを調整することができます。

専門的な知識を求められることもなく、示される手順に従ってディスプレイを見ながらマウスで操作するだけです。デザイナーやイラストレーターのように色を見る目がしっかりしている人であれば、何の苦労もなく作業できるでしょう。あとはMac標準のガンマ値「1.8」に設定し、ホワイトポイントを「D50」(印刷物の評価を行う色温度)に設定すればOKです。




システム環境設定の「ディスプレイ」パネルで「カラー」タブの「補正」ボタンをクリックし、「ディスプレイキャリブレータ・アシスタント」を起動。「詳細モード」で画面の手順に従って設定を完了すればいい。
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注意が必要なのは、ディスプレイが表示できる色にも差があるという点です。高い精度で色を扱う場合は、「AdobeRGB(1998)」をカバーできる機種を選ぶことが理想ですが、非常に高価です。また、一般向けのディスプレイはインキで再現される色を十分に表示できません。Apple Cinema HD Displayなら、低価格でありながら十分な色域を再現できるので、グラフィックを扱うプロフェッショナルに適しています。

アプリケーションでのカラー設定も以前は扱いにくかったのですが、Adobe Creative Suite 2ではワンクリックで各アプリケーションを印刷用途のカラー設定に統一できます。こうしたカラーマネージメントを伴えば、ディスプレイの表示は見やすく正確な色となり、そのぶん出力物が減って無駄な作業を減らせます。プリンタの調整も、Webサービスを利用する方法やプリンタ側が自動で行う機種もあるので、必ずしも専門の知識や機器を必要とするわけではありません。


Adobe Creative Suite 2のカラー設定。「プリプレス用 - 日本2」を選んで「適用」をクリックすると、作業用に「AdobeRGB(1998)」と「Japan Color 2001 Coated」が設定される。
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演算量の多い作業を短時間で処理できるMac Pro

アプリケーションの進化とともに、作業時に処理される演算量は増加する一方です。Mac OS Xのマルチタスクによって、複数の作業を平行させることも当たり前になりました。

透明効果を多用した原稿では、画面表示のためにマシンに高度な処理能力が要求されます。透明効果とは背景を透過させて重ね合わせる手法で、アプリケーションのさまざまな機能で利用されていますが、オブジェクトやテキストを複雑に重ねたり、グラフィックスタイルとして適用すると、非力なマシンではしばらく考え込んでしまうでしょう。しかし、QuadコアのCPUと高速なグラフィックカードを搭載するMac Proなら即座に表示できるので、ストレスなく作業に集中できます。また、クリエイティブな作業では高解像度の重い画像を扱うことも頻繁にありますし、そのデータをインターネットにアップロードすることもあります。

毎日の作業にストレスを感じていたら、生産性が上がるはずはありません。それどころか、優れた表現やアイデアに対してマイナスに作用してしまいます。費用対効果を十分に考慮して、制作環境を構築しなければなりません。


Mac OS Xの「Exposé」で複数のアプリケーションやウインドウを瞬時に切り替え、試行錯誤しながら作業を並行して進める。
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