茂手木秀行【連載】フォトグラファーのためのデジタルワークフロー:第1回
フルデジタルワークフローに移行するために
カラーマネージメントシステムとは
カラーマネージメントという言葉はみなさん良く聞いているでしょう。例えば、「R200G100B50」というカラー画像のデータがあったとします。デジタルデータですから、数値で表されたデータはどこに持っていっても変わりません。しかし、表示されて目に見えるカラーも一緒なのでしょうか? それが変わってしまうのです。なぜなら数値だけあっても、単位系が規定されてないからです。どのような単位であるかを表すのが、プロファイルです。s-RGB、 adobe-RGBといったプロファイルの名前をよく聞くことと思います。一般的に使われるこの2つのプロファイルの中でも、表示される色は違うのです。この2つの間でも適宜、単位を変換する作業が必要になります。
それだけでなく、カメラ、モニター、プリンタ、印刷機といった様々な入力、出力装置ごとに表現できる色に違いがありプロファイルで規定することができます。こうした機器ごとによる色の表現の違いを適切に合わせて管理することが、カラーマネージメントシステムなのです。

左:上原ゼンジ著 「カラーマネージメントの本」上原ゼンジさんのHPや著作で分かりやすく学ぶことができます。http://www.k5.dion.ne.jp/~color/index.html
右:株式会社ワークスコーポレーション刊 「カラーマネージメント実践ルールブック」この一冊でDTPに関わるすべてが分かります。http://www.wgn.co.jp/store/dat/1068/
プロフェッショナルフォトグラファーの仕事として、色を管理することはとても重要な仕事です。顧客満足度の上でも、アーティストとして色を表現する上でも大切なこと。人任せにしてはいけないことなのです。ことに印刷を前提とする場合、最終的には印刷オペレータに色を作り上げてもらわなければなりません。その際に色のことを伝える仕組みとしてカラーマネージメントは大事なことなのです。
カラーマネージメントするためには、どんなことから始めなければならないのでしょうか。まず、正しく価値ある機材を手に入れましょう。そして、その機材を正しく運用できる環境を作らなければなりません。具体的にはどんなものが必要なのでしょうか? 最も重要なのは信頼できるモニター、そしてその設置環境です。30インチのApple Cinema Displayなら、広大な作業空間と信頼できる色を同時に手に入れることができます。
モニターキャリブレーションツールEye-Oneでのキャリブレーション結果を表示してみました。理想のモニターはRGB各色のトーンカーブが一直線になります。
Apple Cinema Display
低価格モニター
Apple Cinema Displayのモニタープロファイル測定結果を見ると、ほぼ理想に近いトーンカーブであることが分かります。一方の低価格モニターは、トーンカーブが揃っていません。こうしたモニターでは、正しい色を表示することはできません。
今度はそれぞれのモニターを並べて、実際に同じ画像を表示してみました。
ナナオのColorEdge CG19とApple Cinema Displayを見比べてみると、表示されている色とトーンが一致しています。アップルなら、ノートブックも含めて同じ基準の理想に近いモニターを使うことができます。一方、同じ条件で撮影した低価格モニターは、上記の2つのモニターと比べて色もトーンもまったく違います。こうしたモニターはモニター自体がバンディングを起こしていることも多いので、画像データがバンディングを起こしているのか、モニターがバンディングを起こしているのか判別がつかないことが多いものです。



