茂手木秀行【連載】フォトグラファーのためのデジタルワークフロー:第1回
フルデジタルワークフローに移行するために
フォトグラファーにMacをすすめる理由
私はフォトグラファーにMacをおすすめしています。その理由は、カラーマネージメントの優秀さに尽きます。ColorSyncにより統合されたカラーマネージメントが、その最大の魅力なのです。
パソコンの構成を考えてみましょう。マザーボードがあり、そこにCPUやメモリーが乗っているのは、どんなパソコンでも一緒です。画像に関わる部分では、グラフィックカードがあります。実は、このグラフィックカードでも色は変わってしまうのです。さらに、実際に表色されるのはモニターですから、グラフィックカードとモニターの組み合わせによって、表示される色が変わるということです。MacならColorSyncによってグラフィックカードからモニターまでを統合的にコントロールしてくれますし、アップル独自の基準で選別されたグラフィックカードを搭載しています。ことに、ユーザー自身がグラフィックカードやモニターを交換できないノートパソコンでは、その優位性が明らかになります。

MacBook ProとEye-Oneは最高のタッグです。デスクトップマシンと同じカラーマネージメント環境を外に持ち出せます。光源の色温度を管理したり、撮影商品の色を測色したりと連携するのです。
クライアント立ち会いで撮影する時、あなたは色を雄弁に語ることはできますか? 私はすべての撮影現場にMacBook Proを持って行きます。デスクトップマシンと同じようにカラーマネージメントができるMacBook Proなら、撮影したその場でクライアントや編集者と仕上がりの予測をすることができるのです。
これは撮影時間を短縮することにつながりますし、自分自身の信頼感を高めてくれます。撮影後のデスクトップでの作業量も大きく軽減され、クオリティアップにもつながります。私の担当するページの色校で、色に関する赤字が入ることはほとんどありません。
その他にも、当連載で次回以降にお話しする予定の「Mac OS Xならではの便利な機能」がフォトグラファーを支援してくれます。Spotlight、スマートフォルダ、Automater、そしてAirMacです。その機能はグラフィックアプリケーションとシームレスでつながり、快適な仕事を約束してくれるのです。そして、AirMacと無線LANカメラによる撮影は、あなたの撮影スタイルさえ変えてしまうかも知れません。
ColorSyncユーティリティを使ってみよう
特定の機器ごとに表現もしくは表示できる色領域のことをGamut(ガモット)と言います。アプリケーションフォルダのユーティリティの中にある「ColorSyncユーティリティ」を使えば、プロファイルごとのガモットを比較し、表現できる色とできない色を視覚的に検証することが可能です。表現できる色を考えながら画面構成を考える時、とても役に立ちますし、モニターやカメラのプロファイルを作成した時、その整合性を検証するのにも便利です。

ナナオのColorEdge CG19とApple Cinema Displayのガモットを比較してみました。外側の白っぽい部分がナナオのColorEdge CG19のガモット、中のカラーの部分がApple Cinema Displayのガモットです。この2つのモニターがほぼ同じ色を表示できることが分かります。
次回は、目的に合わせたフォトグラファー向け最新ソフトウェアの使いこなしについて解説します。


