茂手木秀行【連載】フォトグラファーのためのデジタルワークフロー:第2回
デジタル撮影におけるカラーマネージメント
撮影の具体的な手順
機材が揃ったら、カラーマネージメントを前提に撮影を開始します。ここでは私が普段行っている手順を紹介しましょう。
1: まずは機材の準備から。MacBook Proのほか、カラーチャート、Eye-One、露出計、色温度計、高演色性蛍光灯といったカラーマネージメントツールを用意します。
2: ライティングを決めて、露出を決定します。
3: ライティングと露出が決まったら、次は色温度の管理です。今回の撮影セットでは4灯でライティングを組んでおり、1灯のみボックスでのディフューズですが、ほかの3灯はダイレクトに照明しています。ディフューズとダイレクトでは色温度が当然違ってくるため、それぞれの出力が決まってから色温度を調整すること。目標はD50なので、すべてのストロボを5000Kに合わせます。ブロンカラーやコメットの一部機種のように色温度をストロボ側でコントロールできる機種以外では、光源用フィルターで調整し、±50K以内を目標にしましょう。この作業はライティングが変わるごとに繰り返します。
4: Eye-Oneで光源を測定する場合、Eye-One Shareというアプリケーションを使います。利用できるのは、Eye-One Design以上のパッケージなので購入時に確認が必要。もちろん、この作業は色温度計で行っても構いません。色温度計は単体使用が可能なので、私はEye-Oneと常に併用しています。色温度計は現行の商品として存在しませんが、その有用性はフイルム時代以上でしょう。
5: デジタルカメラのホワイトバランスを5000Kに設定します。5000Kの設定がない機種では、撮影画像からのプリセットホワイトバランスを利用してください。この機能は、ほぼすべてのデジタルカメラに搭載されています。
6: 撮影時は、ライティングが変わるたびに必ずカラーチャートも写し込みましょう。グレー部分を使うことで簡単にグレーバランスを調整できますし、測色結果表とカラー部分を対照すれば、さらに厳密に光源色を追い込むことが可能です。

7: 撮影と同時に撮影物をその場で測色しましょう。ここでもEye-One Shareを使います。測色したデータはカラーパッチとしてAdobe Photoshopに取り込めるので、カラーパッチを参照しながらトーン調整をすれば楽に色合わせができます。
測色でひとつ重要なことがあります。Eye-Oneでは正しい測色結果を得られますが、それは測色的に正しい色再現であって、必ずしも見た目と一致する訳ではありません。測色はいわば、その物体を塗っている染料や顔料の色を直接計ることです。テクスチャーや心理的効果など、色の対比によって変わる見え方や、人間の眼の特性といったものは考慮されていません。測色的に正しい色再現に、そうしたことはあってはならないからです。
そこで非常に重要になるのが、直接目視による色の確認です。手元に高演色性蛍光灯を置いておき、Eye-Oneで測色すると同時に正しい光源下で色をチェックしましょう。このとき、スタジオの環境光はミックス光源になっている場合が多いはずです。演色性検査カードで光源をチェックすることも忘れないでください。




