茂手木秀行【連載】フォトグラファーのためのデジタルワークフロー:第2回
デジタル撮影におけるカラーマネージメント
撮影時のカラーマネージメントを検証
フィルムの時もそうでしたが、本番の撮影に臨むためには事前のデータ収集が必要です。フィルムではエマルジョンが変わるたびにテスト撮影を行い、補正フィルターを決定していましたが、デジタルでもそうしたデータ収集はとても大事なことです。特にデジタルでは撮影時の再現性が高く、すべてを数値で管理できるので、一度の検証で多くのデータを得ることができます。そこで撮影光源、観察光源をD50に統一した環境光下で複写を行ってみました。


1: まずはオリジナルとなる原稿を、EPSON PX-5500で出力しました。ここではAdobe Photoshopを使い、Photoshop側からカラーマネージメントして出力していますが、ほぼモニターと近いプリント結果が得られました。
2: 出力した原稿を、ほぼD50に合わせたストロボ光源で複写します。撮影はNikon D2Xで行い、D2Xのホワイトバランスも5000Kに設定。この時にカラーチャートやグレーカードを写し込んでおくのもいい方法です。
3: RAWデータで撮影し、Aadobe Photoshop、Camera RAWで現像します。今回は周りの白でホワイトバランスを取り、現物に近い結果が得られました。
4: オリジナルの複写データを再度、PX-5500でプリントします。
5: PX-5500でプリントした複製物をオリジナルのプリントと並べて、同一の方法で複写しました。上がオリジナルのプリント、下が複製プリントです。
これで2枚のプリントが、ほぼ揃っていることが確認できると思います。このプリントはモニターの表示とも一致しているので、データに対するプリント、モニターとプリント結果、カメラからの入力データとモニター表示でそれぞれのカラーマッチングが実現され、カラーマネージメントシステムが成立しています。
カラーマネージメントは難しく思われがちですが、実践においては特別な作業を要求される訳ではありません。一番重要なのは光源の管理であるということが、おわかりいただけたでしょうか。
写真表現においては正しいカラーの再現がいい写真の条件とは限りませんが、基準となる正しい再現ができていないと、いつも色に迷ってしまいます。基準があればこそ、安定的に「好みの色とトーン」を再現できるのです。色に迷ったとしても、常に基準に戻れるのですから。これは私たちフォトグラファーにとって非常に重要なことです。正しい色の再現があるから、自分のイメージを正しく写真として表現することができるのです。




