茂手木秀行【連載】フォトグラファーのためのデジタルワークフロー:第3回

デジタル時代の校正はDDCPで

確実な印刷シミュレーションのために

前述したDDCPは、完璧に印刷結果をシミュレーションしてくれます。しかし、たいへん高額な専用機材のため、フォトグラファーが個人で購入することはまずないでしょう。現実的にはインクジェットプリンタでDDCPをシミュレーションし、DDCPで印刷をシミュレーションするという二段構えになります。

本来、インクジェットプリンタで印刷物をシミュレーションするにはソフトウェアRIP(ラスタイメージプロセッサ)を使用するのが理想的ですが、フォトグラファーが印刷用の完全データを扱うのは非常に稀なこと。目的は写真の「色」のシミュレーションなので、Adobe PhotoshopとMac OS Xだけで十分です。完全データをシミュレーションしなければならない場合は、DDCP並みの高機能をインクジェットプリンタで実現できる「GMG colorProof」などの導入を検討するのもいいでしょう。

インクジェットプリンタで印刷をシミュレーションする際に、大事な点が2つあります。ひとつはAdobe Photoshopのバージョン。必ずバージョン6.0以降を使ってください。6.0以前のバージョンでは、iccプロファイルによるカラーマネージメントができません。そしてもうひとつが、顔料系のプリンタを使うということ。印刷そのものも顔料インクを紙に載せるタイプなので、顔料系インクジェットプリンタのほうが相性がいいのです。

私はエプソンのPX-5800を使っていますが、コンパクトな機体でありながら、A2サイズまでの大判プリントに対応しているのが魅力。仕事以外にも作品展などの作品の出力に活躍しています。作品づくりにおいては、美しいモノクロプリントを制作できるのも大きなポイントです。

印刷シミュレーションの手順

ここではAdobe Photoshop CS2を使って、印刷シミュレーションの手順を解説します。

カラー設定
*クリックで画像を拡大できます

1: まずはカラー設定をしましょう。「ファイル」メニューの「編集」から「カラー設定」を選択します。設定にはプリセットが用意されているので、自分の作業環境に合った設定を選んでください。DDCPをターゲットにするなら「日本- 雑誌広告基準カラー」を選びます。

「作業用CMYK」を選択
協力:フォッシルジャパン/モデル:ケン・ジェンキンス
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2: 画像を表示したら「ビュー」メニューの「校正設定」で「作業用CMYK」を選択。同じく「ビュー」メニューにある「色の校正」にチェックを入れます。すると画像はRGBデータのまま、CMYK変換されたカラーをシミュレーションすることが可能。さらに「色域外警告」にチェックを入れると、作業用CMYKの色域では再現できない色がグレーに変わります。すべての色を印刷で再現できるようにするためには、このグレー部分がなくなるように画像を調整すればいいのです。

用紙を設定
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3: ここからシミュレーションのためのプリントです。まずは「ファイル」メニューの「ファイル」から「プリントプレビュー」を選び、用紙を設定しましょう。その後で「詳細オプション」をクリックし、「カラーマネージメント」を指定。「プリント」で「校正」にチェックを入れて、「オプション」を設定します。「カラー処理」で「Photoshopによるカラー処理」を選び、「プリンタプロファイル」を使う用紙とプリンタの組み合わせに切り替え、「校正設定プリセット」で「作業用CMYK」を選べば完了。用紙はプルーフ用紙や絹目調といった微光沢、半光沢タイプとマッチングがいいようです。

用紙を設定
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4: いよいよプリント開始です。「プリント」をクリックするとプリンタ画面になるのですが、ここの設定が重要。「プリンタ」で使用機種を選び、3段目のセレクトボックスで各種設定を行います。「印刷設定」では「ページ設定」で実際の給紙方法に合わせ、「用紙種類」も忘れずに設定し、「カラー」では「カラー」を選んでいることを確認。「モード」は「詳細設定」を選びますが、シミュレーションのためのプリントなので「印刷品質」は最高画質である必要はありません。ちなみに私は「フォト - 1440dpi」を選んでいます。あとは作業時間を短縮するために「双方向印刷」にチェックを入れましょう。

用紙を設定
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5: 次にセレクトボックスから「プリンタのカラー調整」を選び、「オフ(色補正なし)」にチェックを入れます。これは手順3で、プリンタにデータが送られる以前にプリンタ用のデータ変換を行う設定にしてあるためです。

6: ここまでの設定でプリントします。正しくキャリブレーションされたモニターを使っていれば、この状態で随分と色は合っているはず。顔料系プリントは色の落ち着きが比較的早いのですが、色の評価は少なくとも1時間ほど待って十分に乾かしてから行ってください。Adobe Photoshopで「色の校正」にチェックを入れるのも忘れずに。観測環境はモニターは60ルクス、プリントは600ルクス(ともにD50)。双方をうまく同時に観測できる場所を用意してください。

用紙を設定
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7: 顔料インクの特質から、モニターよりもプリント結果が暗めに見えることがあります。その場合、もう一段設定を加えましょう。セレクトボックスから「用紙調整」を選び、「インク濃度」を減らします。これでプリント結果が明るく見えるようになります。プリント結果を見ながら数回試せば、あなたのプリンタに最適な設定値がわかるでしょう。これでDDCPの結果をシミュレーションできました。

 
 
 
 
 

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